特定技能外国人の受け入れと溶接区分における支援:在留資格や人材教育などを解説! 2024 12/13 全てのコラム 外国人採用・外国人雇用 特定技能・技能実習 2024年12月12日2024年12月13日 人材不足を解決する方法として特定技能外国人の受け入れを進める企業は増えています。 特定技能制度はさまざまな分野で活用されており、溶接業務においても活用事例は豊富です。 しかし、制度や分野の中身を正確に理解している事業者は少ないでしょう。 本記事では、溶接区分において特定技能外国人を雇用するために必要な準備や手続き、サポート方法などについて解説します。 溶接業務で特定技能外国人を雇用するための参考にしてください。 あわせて読みたい 「溶接」で特定技能外国人を雇用するには?受け入れの条件や注意点を解説 本記事では、在留資格「特定技能」の「溶接」職種について、受け入れの条件や注意点などを解説しています。 「溶接」職種で特定技能外国人を雇用する方法はいくつかある… 目次特定技能外国人制度とは? 2018年に在留資格の1つとして特定技能が創設され、2019年から特定技能外国人の受け入れが可能になりました。 従来の技能実習生とは異なる制度です。 日本は少子高齢化の影響により人材不足が深刻化しており、多くの企業において人手不足の解消が大きな課題となっています。 そこで、人材不足の解消が困難な産業において、一定の技能を有する外国人を受け入れるための在留資格として「特定技能1号」と「特定技能2号」が創設されました。 特定技能の対象となる人材不足が深刻な産業分野は以下の16分野です。 介護 ビルクリーニング 工業製品製造業 建設 造船 舶用工業 自動車整備 航空 宿泊 自動車運送業 鉄道 農業 漁業 飲食料品製造業 外食業 林業 木材産業 介護やビルの清掃、産業機械の製造、建設業など幅広い分野が特定技能の対象とされています。 さまざまな職種において特定技能外国人を雇える可能性があります。 注意点として特定技能1号と特定技能2号では、それぞれ在留期間や日本語能力水準、家族の帯同といった条件に違いがあります。 また、それぞれの産業分野ごとに技能試験が定められており、所定の人材基準を満たした場合にのみ特定技能が認められるのが特徴です。 技能試験に合格することが条件であり、電気や電子など特定の分野について学位を修了することは求められていません。 学歴や経験が要件に含まれていないため、従来の就労ビザでは雇えなかった外国人を雇用できる可能性があるのが特定技能の特徴です。 これから特定技能外国人を活用したい企業は、制度について深く理解した上で準備を進めることが重要になります。 詳しくは下記サイトをご覧ください。 特定技能制度 | 出入国在留管理庁 あわせて読みたい 特定技能と技能実習の違いとは?それぞれの長所や注意点を解説 外国人労働者を採用するための制度として、よく耳にする「特定技能制度」と「技能実習制度」。 しかし、両者の違いが分からず、どちらの制度を活用すれば良いのか悩んで… 溶接区分での特定技能外国人の活用方法 特定技能の制度において指定された産業分野ごとに仕事内容は異なっています。 特定技能外国人に溶接の業務をさせたい場合は、溶接の仕事を含む業務区分について技能要件を満たさなければいけません。 以下では溶接で特定技能外国に求められる技能の程度や評価基準、実際に特定技能外国人を受け入れるための課題について詳しく紹介します。 必要な技能と評価基準 在留資格として特定技能を取得するには、各分野・業務についての技能試験と日本語試験を受験して合格しなければいけません。 溶接の業務が含まれる産業分野は、「工業製品製造業」と「造船・舶用工業」の2種類です。 「工業製品製造業」の技能試験は業務区分によって試験区分が分かれており、溶接が含まれるのは機械金属加工区分となっています。 試験は学科と実技が出題され、いずれもCBT方式です。 合否の基準は学科試験が正答率65%以上、実技試験は正答率60%以上となっています。 実技試験では作業工程や材料などについての内容を読んで正しい選択肢を選ぶ形式であり、正確な専門知識を持っていないと合格は難しいです。 「造船・舶用工業」の技能試験では「溶接」という試験区分があり、学科試験と実技試験に合格しなければいけません。 学科試験では、安全衛生一般が10問、溶接に関する知識・技能が10問出題されます。 実技試験では板材への片面突合せ溶接を行い、割れやピットなど欠陥がないことが合格基準です。 正しく器具や工具を扱えるか、就業後に実務で該当する業務を行えるスキルがあるかチェックされます。 ただし、すでに溶接技量資格を有する者については実技試験は不要になります。 日本語試験として受験が必要なのは、国際交流基金日本語基礎テスト、あるいは日本語能力試験(N4以上)です。 国際交流基金日本語基礎テストは日本で就労したい外国人の日本語能力を測定することを目的として実施されています。 特定技能制度においては250満点中200点以上を得点しA2レベル以上であると判定されれば特定技能の基準を満たします。 日本語能力試験とは、国際交流基金と日本国際教育支援協会の共催で実施されている日本語試験です。 N1からN5までのレベルがあり、特定技能ではN4以上が求められます。 以上の技能試験と日本語試験で所定の基準を満たしていることが特定技能の人材基準の要件です。 ただし、技能試験や日本語試験の合格によって特定技能の在留資格を取得できると保証されるわけではありません。 在留資格認定の審査では人材基準以外の要素も含めて総合的に判断するからです。 各試験について詳しくは下記サイトをご覧ください。 製造分野特定技能評価試験造船・舶用工業分野特定技能試験日本語能力試験 JLPTJFT-Basic 国際交流基金日本語基礎テスト あわせて読みたい N4の合格率が⒋6倍に! 学習成果がアップした方法とは インドネシアの学校で学習の課題を見つけた ――以前はどのような課題がありましたか? 以前、インドネシアにある語学学校を訪問して、学習の進め方などについて伺う機会… あわせて読みたい 日本語能力試験 (JLPT) N4とは? 合格点は? 日本語能力試験(JLPT)N4は、日本語能力が基本的なレベルを超え、中級への扉を叩く一歩として位置づけされています。 この記事では、N4の難易度の目安や試験の特徴、合… 外国人労働者の受け入れにおける課題 言語や文化などの異なる外国人労働者を受け入れる場合は、さまざまな課題が発生しうるため、課題を認識して適切な対策を取ることがポイントになります。 外国人労働者の受け入れにおいて重要な課題を以下にまとめました。 重要な課題 言語や文化の違いによるトラブル 受入れ機関が満たすべき基準が多い 支援計画の作成と支援業務の実施が必要 業務の安全管理 日本とは言語や文化の異なる国から来た外国人労働者は仕事だけではなく普段の生活においても課題が生じやすいです。 スムーズに日本の社会に溶け込めるようにさまざまなサポートをすることが企業に求められます。 外国人労働者の受入れ機関が満たすべき基準は数が多いため、すべての基準を把握し対策を進めなければいけません。 受入れ機関が満たすべき基準として特に重要なものが支援計画の作成や支援の実施です。 受入れ機関が基準や義務を怠ると外国人を受け入れることができなくなり、出入国在留管理庁から指導や改善命令などを受ける可能性があります。 ただし、外国人労働者への支援については登録支援機関に委託することが可能です。 また、溶接分野で外国人労働者を受け入れる場合は、業務の安全管理や対策を特に重視しなければいけません。 溶接の業務は火傷や火災、有害物質のばく露などの危険性があるため、事前の安全教育を行うことが現場での事故を防ぐために重要です。 たとえば、多言語に対応している教育ツールの導入や写真・イラストなどを含んだ安全教育資料の作成、労災防止のための標識の掲示などの対策が考えられます。 外国人労働者を受け入れる際に直面する課題はたくさんあるため、時間をかけて慎重に対策を進めましょう。 あわせて読みたい 特定技能外国人の義務的支援 必須10項目から支援計画まで徹底解説 特定技能外国人を受け入れる企業は義務的支援の実施が必須事項となっており、具体的な支援内容や支援計画の手続きを把握しておく必要があります。 本記事を読むことで、… あわせて読みたい 特定技能外国人総合保険とは?補償範囲などを技能実習生の保険と併せて解説 人手不足解消の手段として、特定技能制度を利用した外国人の雇用を検討している事業者は少なくないでしょう。 しかし、異国の社会制度に明るくない人が、その地で長く生… 特定技能外国人受け入れのための準備と支援 特定技能外国人を受け入れるには、日本語の指導や手続きの準備、サポート体制の構築など準備するべき点はたくさんあります。 特定技能外国人を受け入れるために必要な準備について詳しく解説します。 受け入れ企業の準備とサポート 特定技能外国人を受け入れるための手続きの流れは以下の通りです。 雇用契約の締結 健康診断の受診 支援計画の作成 在留資格変更許可申請 就労開始 上記は既に日本国内に在留している外国人を受け入れる際の流れです。 海外から来日する外国人を受け入れたい場合は、在留資格認定証明書交付申請が必要になります。 また、上記の手続きで受け入れる外国人は、すでに技能や日本語の試験に合格した者です。 特定技能外国人を受け入れる際に必要な支援計画とは、日常生活や社会生活における支援の実施に関する計画を定めたものを指します。 支援計画に記載しなければいけない項目は以下の通りです。 事前ガイダンス 出入国する際の送迎 住居確保・生活に必要な契約支援 生活オリエンテーション 公的手続等への同行 日本語学習の機会の提供 相談・苦情への対応 日本人との交流促進 転職支援 定期的な面談・行政機関への通報 上記の支援業務を行うためのサポート体制を、受け入れ企業は構築しておく必要があります。 ただし、支援業務の実施を登録支援機関に委託することは可能です。 特定技能外国人の雇用を検討しているならば、必要な準備を調べておき、時間をかけて予定を立てておきましょう。 受け入れ企業がしなければいけない手続きや準備しておくべきサポート体制について、詳しくは下記サイトをご覧ください。 参考:外国人材の受入れ及び共生社会実現に向けた取組 あわせて読みたい 特定技能「登録支援機関」とは?役割や選び方、委託のメリットを解説 企業に代わり、特定技能外国人の支援を行う登録支援機関。 どのような支援を行う機関なのか、何を基準にどの機関を選ぶべきなのか、そもそも委託は必須なのか……。 登録… 特定技能外国人の在留資格と更新方法 日本国内に在留している外国人が特定技能の在留資格を取得するまでの流れは以下の通りです。 技能・日本語の試験に合格 求人に応募して受け入れ企業と雇用契約を締結する 在留資格変更許可申請を行う 在留カードの交付 海外から来日する外国人が在留資格を取得したい場合は、在留資格認定証明書交付申請が必要です。 受け入れ企業は在留資格認定証明書を在外公館に提出すると在留カードが交付され、外国人が入国します。 また、特定技能の在留資格は一定期間ごとに更新が必要です。 特定技能1号の場合は1年を超えない範囲内で指定された期間ごとに更新を行います。 特定技能2号の場合は、6ヶ月、1年、3年ごとの更新です。 在留期間を更新するには、住居地を管轄している地方出入国在留管理官署に対して在留期間更新許可申請を行います。 在留期間更新許可申請で提出する書類は以下の通りです。 必要書類 在留期間更新許可申請書 写真 申請人のパスポートと在留カードの提示 日本での活動内容に応じた資料 日本での活動内容に応じた資料は勤務先により書類が異なるため、詳しくは出入国在留管理庁のサイトを確認しましょう。 在留期間更新許可の審査にかかる期間は2週間から1ヶ月のため、余裕を持って手続きを進めることが大切です。 在留カードは受け入れ企業側でコピーを保管しておき、期限を常に把握しておきましょう。 更新手続きを怠ると本人は不法滞在者とみなされ、行政処分の対象になります。 また、不法滞在者を就労した企業側にも罰則があるため、在留期間の更新を忘れないようにしましょう。 特定技能の在留資格の取得や更新方法について詳しくは下記サイトをご覧ください。 参考:特定技能外国人を受け入れるまで 外務省在留期間更新許可申請 あわせて読みたい 「特定技能」ビザの取得方法と受け入れの手順を解説 2019年4月に施行された特定技能制度。人材確保のため、特定技能外国人の採用を検討する企業も増えてきています。 そこで本記事では、「特定技能」ビザの取得方法や受け… 溶接業務のマッチングと企業支援 特定技能外国人を雇用するには各企業が直接採用活動を行わなければいけません。 しかし、単に求人を出しただけでは希望する条件に合った特定技能外国人を雇うことは難しいです。 そのため、求人を出す以外にもさまざまな方法を活用することをおすすめします。 溶接業務で日本で働きたい外国人とマッチングするための主な方法を以下にまとめました。 マッチングするための主な方法 マッチングイベントへの参加 マッチングサービスの活用 出入国在留管理庁では国内マッチングイベントや海外ジョブフェアを開催しています。 マッチングイベントでは日本での就労を希望する外国人への説明会や質疑応答などを行えます。 現地で開催されるイベントもあるため、多くの外国人へのアピールが可能です。 外国人の採用や登録を支援するマッチングサービスは多くの企業に利用されています。 溶接業務を希望する外国人と効率的にマッチングができるからです。 また、特定技能外国人の雇用に必要な手続きまで支援してくれるサービスもあります。 自治体が独自のマッチング支援業務を実施していることもあるため調べてみましょう。 出入国在留管理庁が主催するイベントに関する情報は下記サイトをご覧ください。 参考:イベント情報 出入国在留管理庁 あわせて読みたい 外国人人材紹介サービスおすすめ8選!料金体系や注意点についても解説 現在、日本では「高度人材」や「特定技能」と呼ばれる在留資格が創設されたことで、外国人労働者を受け入れる企業が増加しています。 しかし、外国人労働者を雇用する方… 外国人への日本語教育のお悩みは、日本語カフェが解決します! 外国人の就労を進めるために大事な日本語教育についてサポートするのが日本語カフェです。 日本語カフェはeラーニングによる動画講座や演習問題によって日本語を学習できるシステムを提供しています。 1アカウント348円から利用できるサービスであり、日本語教育のコストを削減する効果が高いです。 豊富なコンテンツが用意されており、一流講師の授業をいつでもパソコンやスマホなどから受講できます。 日本語教育へのコストを削減し、なおかつ日本語試験の合格率を高められるため、日本語教育に関連する多くの課題を解決できるサービスです。 日本語教育に関するお悩みは、お気軽に日本語カフェまでお問い合わせください。 日本語カフェへ あわせて読みたい これから外国人を採用する企業担当者へ 在留資格と求める人材の選び方 外国人を採用したい企業担当者の方に、外国人の就労に関わる重要な在留資格について解説します。 この記事を読むと以下のメリットがあります。 求める外国人像と在留資… まとめ 本記事では溶接区分で特定技能外国人を受け入れるために必要な手続きや準備、サポートなどについて解説しました。 技能試験は実際に就労して業務に取り組む際に必要な基礎的な知識や技術が問われる試験です。 日本で問題なく働けるだけの日本語力があるかどうか判定するための日本語試験の合格も要求されます。 本記事を参考にし、さらに公式の情報を参照しながら、受け入れ企業として必要な準備を進めましょう。 あわせて読みたい 特定技能外国人採用後に企業が定着支援のために取り組むべき施策とは? 「外国人労働者を採用したが、長く働いてくれる人が見つからない…」「環境整備や支援が必要なことは理解しているものの、具体的な施策が分からない…」 このような悩みを… あわせて読みたい 技能実習生や特定技能外国人の住居はどうしたらいい?必要な条件や家賃補助について解説 少子高齢化が進む日本では労働力不足を補うため、特定技能外国人や技能実習生を受け入れる企業が増えています。 受け入れ企業は、外国人労働者の生活や労働に支障がでな… 全てのコラム 外国人採用・外国人雇用 特定技能・技能実習 よかったらシェアしてね! URLをコピーしました! URLをコピーしました! フィリピン人の雇用を検討している企業は必見!フィリピンの送り出し機関選びガイド 外国人に日本語のひらがなはどう見える?ひらがなの印象や教え方を紹介 この記事を書いた人 三木 雅史 三木 雅史(Masafumi Miki) 株式会社E-MAN会長 1973年兵庫県たつの市生まれ / 慶応義塾大学法学部法学科卒 ・25歳で起業 / デジタルガレージ / 電通の孫請でシステム開発 ・web通販事業を手掛ける ・2006年にオンライン英会話を日本で初めて事業化 ・2019年外国人の日本語教育を簡単、安価にするため 日本語eラーニングシステムを開発、1万人超の外国人が日々学習中 日本語教育でお困りの方に役立つ資料をこちらからダウンロード下さい。 無料トライアルで実際のシステムをお試し頂く事も可能です。 日本語カフェが分かる資料3点セットをご案内します 資料を請求する 実際に日本語カフェの機能がどのようなものか、お試し下さい 試してみる 関連記事 特定技能の自社支援とは?必要な6つの要件と対応業務・メリットを解説 2025年5月17日 日本語検定JLPTを受けるべき5つのメリットを詳しく紹介 2025年5月16日 特定技能2号は支援義務がない?支援不要のメリットと誤解してはいけないポイントを解説 2025年5月15日 特定技能制度における受入れ機関とは?役割や条件・申請手続きを解説 2025年5月13日 外国人労働者に税金はかかる?条件や免除されるケースについて解説 2025年5月12日 特定技能2号から永住権を取得するには?必要な条件・申請方法・特例までくわしく解説 2025年5月10日 特定技能2号で日本語能力試験N3が必要な分野は?N3の日本語レベルも解説 2025年5月5日 特定技能2号で家族と日本で暮らすには?ビザの基本から申請の流れまでを解説 2025年5月4日