日本語能力試験(JLPT)の問題数の目安と出題傾向・合格点をレベル別に解説 2025 7/10 全てのコラム 日本語教育・日本語学習法 日本語能力試験 2025年6月26日2025年7月10日 日本語能力試験(JLPT)は、日本語学習の成果を測る重要な指標となっています。 JLPTは、N1からN5までの5段階に分かれており、レベルごとに求められる語彙力や読解力、聴解力が異なります。 出題内容だけでなく、科目ごとの問題数や配点もレベルによって大きく異なるため、効率よく学習を進めるには、試験の構成を正しく理解しておくことも大切です。 この記事では、JLPTのレベル別に問題数の目安や、合格に必要な得点、出題傾向について詳しく解説します。 目次JLPTの基本概要 引用:日本語能力試験 日本語能力試験(Japanese-Language Proficiency Test:JLPT)は、日本語を母語としない人を対象に日本語能力を測定する、世界最大規模の語学試験です。 日本国際交流基金と日本国際教育支援協会の共催により、1984年から実施されており、現在では年に2回、世界各国で実施されています。 JLPTは以下のように5段階(N1~N5)のレベルに分かれており、N1が最も難しく、N5が最もやさしいレベルになっています。 スクロールできます レベル難易度の目安対象者N1最上級ビジネスレベル・高度な理解力N2上級日常・ビジネス会話に支障がないN3中級日常的な日本語に対応可能N4初中級基本的な日本語が理解できるN5入門簡単な日本語が理解できる 合否はレベル別に判定され、試験の合格は履歴書への記載や留学・就職時のアピールポイントにもなります。 とくにN1やN2は、多くの企業や大学で評価される基準となっており、上位レベルを目指す価値は非常に高いといえるでしょう。 あわせて読みたい 日本語検定JLPTを受ける3つのメリットを詳しく紹介 「日本語検定って、本当に役に立つのかな?」「試験勉強は大変そうだし、受けるメリットって何だろう?」 日本語の勉強をコツコツと続けている皆さんの中には、もしかし… JLPTレベル別・科目別 問題数一覧 JLPTは、主に次の3つのセクションで構成されています。 試験科目内容の概要言語知識(文字・語彙)漢字の読み、語彙の使い方、文中の語彙選択など言語知識(文法)・読解文法の正確な運用、文構造の理解、読解力の測定聴解会話やアナウンスを聞き取り、内容理解力を測定 ただし、N1〜N3レベルでは、「言語知識(文字・語彙・文法)」と「読解」の2科目となります。 レベル別・科目別の問題数の目安は、以下のようになっています。 引用:新しい日本語能力試験|日本語能力検定 JLPT 出題数は試験ごとに異なる場合があり、実際の試験では目安の出題数と多少違うことがあります。 また、読解では一つの文章(本文)に対して、複数の設問が出されることもあります。 あわせて読みたい 読解力向上におすすめの問題集と日本語能力試験のサンプル問題を紹介 特定技能で働く外国人労働者にとって、日本語能力は業務を円滑に進めるために重要です。 中でも、読解力は社内の指示書や報告書、業務マニュアルなど、日々の業務に欠か… 合格に必要な得点 各レベルで共通しているのは、すべてのセクションで合格ラインを超える必要がある点です。 たとえ総合点で合格点を超えていても、個別セクションの足切り点を下回っていると不合格となるため、バランスの取れた学習が求められます。 以下の表の「基準点」は、各レベルの合格に必要な最低点です。 スクロールできます レベル得点区分得点の範囲基準点N1言語知識(文字・語彙・文法)0~6019読解0~6019聴解0~6019総合得点0~180100N2言語知識(文字・語彙・文法)0~6019読解0~6019聴解0~6019総合得点0~18090N3言語知識(文字・語彙・文法)0~6019読解0~6019聴解0~6019総合得点0~18095N4言語知識(文字・語彙・文法)・読解0~12038聴解0~6019総合得点0~18090N5言語知識(文字・語彙・文法)・読解0~12038聴解0~6019総合得点0~18080 参考:新しい日本語能力試験|日本語能力検定 JLPT あわせて読みたい 日本語能力試験 JLPTとは?試験科目・合格基準を解説 日本語を学んでいる外国人に向けた試験の一つに、日本語能力試験(JLPT)があります。 そもそも日本語能力試験とはどのような試験で、レベル分けはどのようになっている… JLPT各レベルの出題傾向と対策 JLPTの出題傾向はレベルによって大きく異なります。 ここでは、各レベルの科目別に学習のポイントを整理し、合格のために必要な対策の方向性を紹介します。 N1の出題傾向と対策 N1は非常に高い日本語運用能力を求められる試験で、語彙・文法・読解・聴解すべてにおいて難易度が高く、総合力が必要です。 読解では評論や論説など、抽象度の高い文章が出題されます。 語彙は高度な表現が多く、似た意味の語句の微妙な違いを理解することが求められます。 聴解も長文形式が多く、集中力と要約力が問われます。 対策としては、新聞や学術記事などを日常的に読むことで読解力を鍛え、過去問や模擬問題を通して速読・情報整理のトレーニングを継続することが大切です。 聴解はシャドーイングやディクテーションなど実践的な練習が効果的です。 あわせて読みたい JLPT N1の概要|問題例や対策を解説 日本語能力試験(JLPT)は、日本語の能力を証明する国際的な試験として知られています。 特に最上位レベルのN1は、多くの学習者が目指す最難関の試験です。 この記事で… N2の出題傾向と対策 語彙では丁寧語や敬語、複合語などが多く出題され、文法は文の構造を理解したうえで自然な表現を選ぶ形式です。 読解では通知文や説明文、短い意見文などが中心で、筆者の主張を正しく読み取ることが求められます。 効果的な対策をするためには、文章の論理構造を把握する訓練が不可欠です。 特に、段落ごとの要点やつながりを意識して読む練習を重ねましょう。 語彙や文法は、例文を用いて実際の使い方に慣れると定着しやすくなります。 聴解対策には、速すぎず遅すぎない自然な会話に多く触れることが有効です。 あわせて読みたい 日本語能力試験 (JLPT) N2 最短試験合格を目指す! 日本語の勉強法と教材 日本語能力試験(JLPT)の中で2番目に高いレベルであるN2の合格は、あなたの日本語学習の大きな目標の一つかもしれません。 しかし、効率的な勉強法やおすすめの教材選… N3の出題傾向と対策 N3は、日常会話や短い文章の理解が中心です。 語彙や文法はN4より広く深く、かつN2ほど難解ではないため、安定した基礎力が問われます。 読解では、広告や手紙、短いエッセイなどが題材になり、設問は内容一致や語句の意味を問うものが多く見られます。 聴解も比較的ゆっくりとした会話が中心ですが、話者の気持ちや意図を読み取る問題が含まれます。 対策としては、N4までに習得した知識を確実に固めつつ、新出の語彙や文法を段階的に取り入れることが重要です。 実際の会話や文章に触れる機会を増やし、日本語に慣れる時間を確保しましょう。 過去問や模擬問題を使い、時間を意識した演習を積むことも忘れてはいけません。 あわせて読みたい 日本語能力試験(JLPT) N3 合格の秘訣!読解対策から文法問題まで徹底解説 忙しい日常の中で日本語の勉強時間を確保するのは簡単ではありません。 しかし、日本語能力試験(JLPT)N3に合格するためには、効果的な学習計画と対策が欠かせません。… N4の出題傾向と対策 N4は初級と中級の間に位置づけられ、基礎的な日本語表現を使いこなせるかどうかが試されます。 語彙は日常生活に関する基本単語が中心で、文法も「〜ている」「〜たり〜たりする」など教科書レベルのものがほとんどです。 読解では短文を正しく読み取り、設問に答える力が必要とされます。 聴解はやさしい日本語で構成されており、単語やキーワードを聞き取る力が問われます。 このレベルでは、語彙・文法・読解のすべてにおいて基本の復習が最も重要です。 教科書や初級向け問題集をしっかりやり込むことで、基盤が確実に築かれます。 また、日常生活で使われるフレーズを繰り返し練習することで、自然な理解力も育ちます。 あわせて読みたい N4の合格率が⒋6倍に! 学習成果がアップした方法とは インドネシアの学校で学習の課題を見つけた ――以前はどのような課題がありましたか? 以前、インドネシアにある語学学校を訪問して、学習の進め方などについて伺う機会… N5の出題傾向と対策 N5はJLPTの中で最もやさしいレベルで、日本語学習の入門段階にあたります。 語彙は「水」「学校」「食べる」など、基本中の基本が中心です。 文法も「〜です」「〜ます」「〜に行きます」といった決まった形を使いこなせるかが問われます。 読解は短い文章から情報を得る問題で、長文は出題されません。 聴解もゆっくりとした明瞭な日本語で、理解しやすい内容になっています。 対策としては、まず、ひらがな・カタカナを正確に読み書きできるようにし、基本文型を例文とともに覚えることが第一歩です。 語彙もイラストやカードなどを使って視覚的に覚えると効率的です。 リスニングは、実際の音声を何度も聞いて慣れて行きましょう。 あわせて読みたい はじめての日本語能力試験(JLPT)N5 vocabulary:おすすめの単語力アップ勉強法 日本語能力試験(JLPT)は、日本語を学ぶ外国人学習者にとって、日本語の理解度を客観的に評価できる重要な資格試験です。 N5は、JLPTの中でも一番易しいレベルとされて… JLPT対策は日本語カフェがおすすめ! 日本語カフェは、JLPT N1〜N5まで、あらゆるレベルの学習者に対応したオンラインの日本語講座を提供しています。 プロの日本語教師による指導で、文法・語彙・読解・聴解など、JLPTに必要な力をバランスよく身につけることができます。 レベル別対策講座や模擬試験も充実しており、日本語学習が初めての方にもおすすめです。 全くの初心者から、4ヶ月でN4に合格した実績もあります。 外国人社員のスキルアップ支援や、在留資格の取得に役立つ講座として、数多くの企業様に選ばれています。 無料体験レッスンもお試しいただけますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。 \ 無料体験レッスンはこちらから / 日本語カフェ JLPTの問題数と合格点|まとめ JLPTは、N1からN5まで、それぞれのレベルで必要とされる日本語能力は異なり、各セクションごとの問題数や得点配分にも特徴があります。 とくに、全体の合格点を満たしていても、一部のセクションで基準点を下回ると不合格となるため、バランスの取れた対策が求められます。 自分の目指すレベルの出題傾向を前もって確認し、各分野の対策を着実に進めることが、JLPT合格への最短ルートといえるでしょう。 あわせて読みたい 日本語能力試験(JLPT)の受験料と支払い方法は?申込手続きと試験日も解説 日本語能力試験(JLPT)は、日本語を学ぶ多くの人にとって、自分の語学力を証明する大切な試験です。 この記事では、日本語能力試験の受験料や支払い方法、2025年の試験… 全てのコラム 日本語教育・日本語学習法 日本語能力試験 よかったらシェアしてね! 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