絵本は、小さな子供が理解しやすいように、基本的な語彙とシンプルな文法で書かれています。
そのため、日本語の初級者でも内容を理解しやすく、日常生活でよく使う表現を学ぶのにおすすめです。
また、絵本はかわいらしいキャラクターやイラストが多いので、より楽しみながら日本語を学ぶことができるでしょう。
この記事では、初級者におすすめの絵本を10冊紹介していきます。
初級者の日本語学習におすすめの絵本10選
「ぐりとぐら」(作:中川李枝子)
『ぐりとぐら』は、野ネズミが主人公の楽しい冒険物語です。
物語の中では、ぐりとぐらが卵を調理して大きなカステラを作り、それを動物たちと一緒に楽しむ様子が描かれています。
柔らかなタッチと鮮やかな色合いのイラストで、森の中や食べ物の温かい雰囲気が伝わります。
「料理をする」「森を散歩する」「友達と分け合う」といった日常的なテーマを扱っているので、日常生活でよく使う実用的な語彙や表現を学べます。
「おべんとうバス」(作:真珠 まりこ)
真っ赤なバスが「バスにのってください」と呼びかける場面から始まります。
ハンバーグくん、えびフライちゃん、たまごやきさん、ブロッコリーくん、トマトちゃんなどのおかずたちが「はーい」と元気に返事をしながらバスに乗り込みます。
この絵本では、お弁当のおかずや果物など、日常的によく出てくる食べ物の名前を楽しく学ぶことができます。
また、呼びかけと返事のやり取りが繰り返されるため、基本的な会話のパターンを学ぶのにもおすすめです。
「しろくまちゃんのほっとけーき」(作:わかやま けん)
しろくまちゃんがホットケーキを作る過程を描いたストーリーで、材料を混ぜる、焼く、盛り付けるといった一連の工程がイラストを交えて詳しく描かれています。
料理に関連する単語や動詞が出てくるので、日常生活で使う表現を自然に覚えられます。
また、「ぷつぷつ」「しゅー」など日本語独特の擬音語も学べます。
しろくまちゃんやこぐまちゃんのやりとりが親しみやすく、共感しやすいキャラクターも魅力です。
「くだもの」(作:平山 和子)
果物をテーマに書かれていて、果物の名前を楽しく学べる絵本です。
「りんご」「もも」「ぶどう」など、日本で馴染み深い果物が、一つずつ大きく美しく描かれています。
文が短く、「りんご、どうぞ」「もも、どうぞ」など、リズミカルで覚えやすいフレーズが続きます。
初めて日本語を学ぶ人にもわかりやすい内容です。
「ノンタン」シリーズ(作:キヨノ サチコ)
『ノンタン』シリーズは、主人公の白い子猫「ノンタン」とその仲間たちが繰り広げる、日常生活や遊びをテーマにした物語です。
「こんにちは」「ありがとう」「いいよ、だめよ」など、基本的な言葉やフレーズが多く、初級者にもわかりやすい内容です。
ノンタンと友達とのやり取りを通して、日常生活で使う日本語を自然に学べます。
キャラクターのかわいらしさと親しみやすさが人気で、楽しく学習できる絵本です。
「だるまさんが」シリーズ(作:かがくい ひろし)
「だるまさんが」シリーズは、かわいいだるまさんが主人公の絵本です。
だるまの動きがユーモラスで、子どもだけでなく大人も楽しめます。
ページをめくるたびに、だるまさんが転んだり、笑ったり、さまざまな動きをする様子がとてもユーモラスに描かれています。
イラストがコミカルで楽しく、言葉とだるまの動きが一致しているので視覚的に覚えることができ、記憶にも残りやすいです。
「きんぎょがにげた」(作:五味 太郎)
「きんぎょがにげた」は、逃げ出した金魚をページごとに探していく絵本です。
短いフレーズが繰り返されるため、初心者でもすぐに意味を理解しやすいです。
「どこにいる?」「ここかな?」など、探しながら質問や推測の表現を練習できます。
絵の中に登場する物の名前を覚えることで、身の回りにある物の単語を学べます。
「おつきさまこんばんは」(作:林 明子)
夜空に浮かぶお月さまをテーマにした、柔らかいタッチの美しい絵本です。
「おつきさま」「雲がでてきた」など、基本的な日本語が使われています。
また、短い文の繰り返しが多く、日本語の自然なリズムやイントネーションを学べます。
「こんばんは」という挨拶がテーマになっているので、時間帯に応じた挨拶の言葉を自然に学ぶことができます。
「もこ もこもこ」(作:谷川 俊太郎、絵:元永 定正)
言葉遊びの絵本として、日本語のリズム感や擬音語を楽しめる一冊です。
「もこ」「にょき」「ぷつん」といった音の表現が繰り返されます。
読む人の頭の中で、音とビジュアルが自由に広がっていくような作品です。
文章は少ないですが、日本語の音の美しさや、シンプルな単語の持つリズムを感じられます。
「たまごのあかちゃん」(作:神沢 利子、絵:柳生 弦一郎)
動物たちが登場し、たまごから何が生まれるかを当てていく絵本です。
にわとり、かめ、へび、ペンギンなど、さまざまな動物の赤ちゃんが「こんにちは」と挨拶しながら現れます。
動物の名前や挨拶の言葉など、日常的に使う語彙を覚えることができます。
また、「ぴょんぴょん」「こけこっこー」といった擬音語も豊富で、日本語独特の音の表現を学べます。
絵本を使った日本語学習のメリットや活用方法
絵本を使って日本語学習をするメリットや、絵本を活用する方法を紹介します。
イラストを活用して単語や表現を覚える
絵本にはイラストが豊富に描かれているため、文章の意味を視覚的に把握しやすいのが特徴です。
文章に出てくる単語やフレーズがわからなくても、イラストから意味を推測できます。
また、イラストと言葉を一緒に覚えることで、記憶に残りやすくなります。
簡単な言葉やフレーズを繰り返し練習する
絵本には、日常生活で繰り返し使われる簡単な言葉やフレーズが多く含まれています。
何度も繰り返し読むことで、日常的によく使う表現を自然に覚えられます。
語彙を増やすためにテーマを意識する
絵本の出てくる単語は、テーマごとに覚えると効果的です。
たとえば、動物をテーマにした絵本であれば、動物に関連する語彙を集中して覚えられます。
また、家族、食べ物、季節など、テーマに沿って学習することで、関連する言葉やフレーズを体系的に身につけることができます。
簡単な絵本から始めて徐々に難易度を上げる
絵本で学習を始める際は、短くてシンプルな絵本からスタートするのがベストです。
段階的に難易度を上げることで、語彙や文法の理解が深まり、読解力も向上します。
自分のレベルに合った絵本を選び、楽しみながら学習を続けることが大切です。
絵本を授業で活用する方法は?
日本語の授業で絵本を活用するのは、学習者が楽しく学べるのでおすすめです。
特に初級者向けのクラスでは、絵本の短い文章やイラストを利用して、語彙や文法の練習を効果的に行えます。
例えば、グループでの活動として、キャラクターになりきって会話をしたり、お互いに質問をしあったりすることで、より実践的な日本語が学べます。
絵本の入手方法は?
この記事で紹介した絵本の多くは、日本の大手出版社から発行されています。
書店や出版社のサイト、アマゾンなどで絵本や購入可能です。
また、「日本語 絵本 初級者」などのキーワードで検索してみると、たくさんの本の情報が見つかるでしょう。
電子書籍ならダウンロードしてすぐに見られるので、どこでも好きな時間に学習したい方にはおすすめです。
まとめ
この記事では、初心者におすすめの絵本や絵本の活用方法を紹介してきました。
絵本は、日常会話に役立つ語彙や表現が多く取り入れられているため、日本語の初級者に特におすすめです。
かわいらしいキャラクターや美しいイラストと一緒に、楽しみながら日本語学習を進めていきましょう。