外国人が日本語を覚えるのは簡単ではありません。しかし、コツを掴めば学習スピードは格段に上がります。
本記事では、日本語を一から勉強する外国人がつまづきやすいポイント、また外国人に日本語を覚えてもらうコツについてご紹介します。外国人に日本語を教えるときの参考となれば幸いです。
外国人と日本語でコミュニケーションするコツ
日本語を母語としない外国人に日本語を教えるのは至難の業です。しかし「日本語を勉強したい」という外国人は年々増加しています。
それにともない、日本へ留学する学生も増加してきましたが、日本に留学することが目的になってはいけません。現地の言葉を覚え、その国の文化を尊重し、体験していくことが何より重要です。
そこで、外国人に日本語を楽しんでもらうための、コミュニケーションのコツをまずはご紹介します。
主語を意識して会話する
日本語は、主語を抜いても、文が成り立ってしまう特異な言語です。しかし、外国人と日本語で会話するときは、必ず主語を入れるようにしましょう。
私、あなた、相手の名前など、主語をはっきりさせることで日本語を理解しやすくなります。主語を抜いて話すと、「今、自分は質問されているのか」「誰について話しているのか」と混乱してしまいます。
日本人としては、大げさくらいに主語を入れて話すようにしましょう
語形変化していないか意識する
日本語が外国人にとって理解しにくい大きな特徴は、語形変化が多くあることです。例えば「話す」という言葉ひとつとっても、「話さない」「話します」「話そう」「話さず」「話した」など多くの形式が存在します。
外国人が日本語を勉強する最初の基本動詞は「ます」、形容詞は「です」で覚えます。よって、できるだけ語形変化しないように、「です」「ます」の形を使ってあげるだけで、とても理解やすくなるのでしょう。
少し自然な日本語だと感じても、コミュニケーションの中では「です」「ます」を優先することをおすすめします。
一文一文を短く話す
日本語は、語形変化がとても多いことはお分かりいただけたと思います。さらに、日本語は、格助詞や終助詞の使い方で意味が大きく変化する厄介な性質を持っています。
よって、できるかぎり複雑な文型や長文は使わず、細かく短文を並べて話してあげましょう。例えば「はい」「いいえ」で答えられる質問には、長々と話さず、まず「はい」「いいえ」を答えてあげることもコツです。
その後に質問の内容を答えるようにするだけで伝わりやすくなります。また、このときも「ます」「です」を使うとより効果的です。
外国人が日本語を勉強するときにつまづくポイント
外国人が日本語を勉強するときに、つまづきやすいポイントや特徴をお伝えします。
やっぱり漢字は難しい
外国人が漢字を覚えるのはとても難しいです。なぜなら漢字というものが、外国人にとって未知のものであるからでしょう。
アルファベットで言語を話す外国人にとっては、ひらがな、カタカナ、漢字と3種類も混ぜて使う日本語はとても理解し難いものです。例えば、「はな」というひらがなと漢字にすると「鼻」「花」「華」などが存在します。
これをどう関連付けるのかが外国人には分かりにくいのです。
1つのことについて言い方や表現が複数ある
外国人に「これは何て言えばいいのか?」と質問されたけど、とっさに答えられなかったという経験がある方は多いのではないでしょうか。その理由は、日本語には複数の言い回しがあり、すぐに選べなかったり、一言で伝えにくかったりすることがあるからです。
そんな複数の言い方を全て教えてしまえば、逆に混乱させてしまいます。英語であれば単語一言で済むようなことを、日本語は長い文になったり、回りくどい言い方になったする特徴があります。
動詞の語尾が変わるので分かりにくい
日本語は動詞の語尾が変わることも、外国人が勉強する際につまづきやすいポイントです。例えば「する、します、しています、やります」が代表的でしょう。
「する」という元々の言葉に「ます」をくっつけただけで「する」は消えます。そして、なぜか「し」になり、「します」となる変化がわかりにくくさせている要因です。
外国人が日本語を覚えるための3つのコツ
外国人が日本語を覚えるためにはコツがあります。ただやみくもに勉強しても上手くいきません。
そこで代表的な3つのコツをお伝えします。
1.そもそも日本に住む
日本語の上達に一番良いのは、日本に住んでしまうことです。これは当たり前だと思われてしまいますが、実際には、一番効果があります。
しかし、それが難しい場合も多くあります。そんな場合は、一年程度の長いスパンで勉強できる環境を作りましょう。
一年かけて勉強すれば、漢字は無理だったとしても、ひらがなを読んだり、簡単な会話くらいであれば十分出来るようになります。
2.継続して勉強出来ないなら、形容詞から覚える
日本語を勉強する上で重要な要素が継続できるかどうかです。継続して勉強できれば、ある程度は誰でも理解できます。
では、継続出来ない人はどうするか。その答えは「形容詞」から覚えることです。
形容詞は自然に日常で使う言葉が多く、何より単語として短いので、比較的簡単に覚えることができます。美しい、優しい、賢い、虚しい、怖い、痛い、悲しいなど、単語1つで意味が理解しやすいのも特徴です。
日本語をこれから勉強する外国人に、この形容詞から勉強してもらえば、単語でのコミュニケーションであれば可能となるでしょう。
3.擬音語・擬声語は楽しいから覚えやすい
楽しんで覚えやすいのが擬音語・擬声語です。「ギザギザ、ボコボコ、キラキラ、ツルツル、シワシワ」など聞いても面白い言葉は外国人にも取り入れやすく、覚えやすいでしょう。
きちんとして日本語ではないですが、分かりにくい漢字に挑戦して挫折するくらいなら、取っ付きやすい言葉を楽しく覚えてもらう方が効率的です。日本人が英語を勉強するのと同じで、完璧な日本語を求めても何の意味もありません。
まずは日本語自体を好きになってもらうことが大事です。
まとめ
いつも使っている日本語を改めて外国人に教えるという観点から見ると、その難しさに気づくことができます。そして、日本語を流暢に話せる外国人に改めて尊敬の念を感じざるを得ません。
これから日本語を勉強する外国人の出来る限り力になりたい。けど、何から始めたら良いのか分からないという方にこの記事でお伝えしたポイントやコツを是非使っていただきたいです。
もっと日本語の勉強が楽しくなって、もっと日本語を知りたいと思ってくれるようになりますよ。