仕事で役立つ日本語会話の基本フレーズと学習サイトを紹介

仕事で役立つ日本語会話の基本フレーズと学習サイトを紹介

外国人社員が日本の企業で活躍するためには、日本語能力、特に会話力は非常に重要です。

ビジネスシーンにおいては、同僚や上司との日常的なコミュニケーション、会議や打ち合わせでの意見交換、顧客との交渉など、あらゆる場面で日本語会話力が求められます。

日本語での円滑なコミュニケーションは、業務の効率化だけでなく、外国人社員のエンゲージメント向上にも繋がり、結果として企業の生産性向上に貢献します。

また、日本語会話力は、職場だけでなく、日本での日常生活を豊かにするためにも不可欠です。

近所の人との挨拶、買い物、病院での診察、子供の学校行事への参加など、生活のあらゆる場面で日本語でのコミュニケーションが必要になります。

この記事では、外国人社員の日本語会話力向上を支援するために、レベル別によく使う会話フレーズ集と効果的な学習サイトを紹介します。

この記事でわかること
  • レベル別のよく使う日本語会話フレーズ
  • 会話力アップに役立つ学習サイト
  • 効果的な日本語会話の練習方法
目次

レベル別|よく使う日本語会話フレーズ

レベル別|よく使う日本語会話フレーズ

【日常会話レベル】基本のフレーズ

まずは、日常生活で頻繁に使う基本的な日本語会話フレーズをレベル別に紹介します。

最初は、すぐに使える日常会話レベルのフレーズからです。

あいさつ

おはようございます朝の挨拶です。出社時や朝一番に会った人に使います。
こんにちは昼間の挨拶です。午前10時頃から夕方まで使えます。
こんばんは夕方から夜の挨拶です。
おやすみなさい寝る前の挨拶です。
はじめまして。初めて会う人に自己紹介する際に使います。
「初めまして、[名前]と申します。」のように使います。
よろしくお願いします。自己紹介の最後に付け加えたり、仕事や依頼をする際など、様々な場面で使えます。
お久しぶりです。しばらく会っていない人に会った時に使います。
お元気ですか。 相手の体調を気遣う言葉です。
「お元気ですか。」「はい、元気です。」のように返事をします。

自己紹介

名前「私は[名前]です。」
「[名前]と申します。」
出身「[国・地域]から来ました。」
趣味「趣味は[趣味]です。」
仕事「[会社名]で[職種]として働いています。」

簡単な自己紹介例文

「はじめまして。私は[名前]と申します。[国]から来ました。[趣味]が好きです。[会社名]で[職種]として働いています。どうぞよろしくお願いします。」

感謝・謝罪

ありがとうございます。感謝の気持ちを伝える基本的な表現です。
「どうもありがとうございます。」と言うと、より丁寧な言い方になります。
すみません。謝罪の気持ちを伝える時や、人に声をかける時など、様々な場面で使えます。
「申し訳ございません。」は、より丁寧な謝罪の表現です。

感謝・謝罪の例文

感謝

「手伝ってくれて、ありがとうございます。」

「プレゼント、どうもありがとうございます。」

謝罪

「遅れてすみません。」

「ご迷惑をおかけして申し訳ございません。」

依頼・許可

~してください。何かを依頼する時に使います。
「~していただけますか。」は、より丁寧な依頼の表現です。
~してもいいですか。許可を求める時に使います。
「~てもよろしいでしょうか。」は、より丁寧な許可の表現です。

依頼・許可の例文

依頼

「この書類をコピーしてください。」

「もう一度説明していただけますか。」

許可

「ここを使ってもいいですか。」

「明日休んでもよろしいでしょうか。」

【中級レベル】ビジネスシーンで役立つ表現

日常会話に慣れてきたら、次はビジネスシーンで役立つ応用的な日本語会話表現を学びましょう。

会議・打ち合わせ

意見を述べる

「私は~と思います。」

「私の意見では~です。」

「~という考え方もあります。」

質問する

「~について教えていただけますか。」

「~はどういう意味ですか。」

「確認させてください。~ということでよろしいでしょうか。」

反論する

「それは違うと思います。」
(直接的な表現なので、相手や状況によっては注意が必要です。)

「~という点については、別の考え方もあります。」
(より丁寧な表現)

「すみません、少し意見が違うのですが…」
(クッション言葉を用いた表現)

同意する

「賛成です。」

「私もそう思います。」

「おっしゃる通りです。」

会議で使える表現

「議題は~です。」

「それでは、~について話し合いましょう。」

「〇〇さんの意見はいかがですか。」

「時間ですので、そろそろ終わりにしましょう。」

電話・メール

電話の受け答え

「はい、[会社名]の[名前]です。」

「お電話ありがとうございます。」

「少々お待ちください。」

「[担当者名]は席を外しております。」

「[担当者名]に申し伝えます。」

「改めてこちらからお電話いたします。」

メールの書き出し、結び

書き出し

「〇〇様」
「お世話になっております。」
「いつもお世話になっております。」

結び

「よろしくお願いいたします。」
「引き続きよろしくお願いいたします。」
「お忙しいところ恐縮ですが、よろしくお願いいたします。」

ビジネス電話・メールの例文

電話

お世話になっております。[会社名]の[名前]です。[部署名]の[担当者名]様はいらっしゃいますか。

メール

件名:〇〇についてのご確認

本文:
〇〇様

いつもお世話になっております。[会社名]の[名前]です。

先日は、〇〇についてご連絡いただき、ありがとうございました。

確認させていただきたい事項がいくつかございます。
(確認事項を箇条書きで記載)

お忙しいところ恐縮ですが、ご回答いただけますと幸いです。

よろしくお願いいたします。
署名

社内コミュニケーション

報告・連絡・相談

報告

「〇〇の件、完了しました。」

「〇〇の状況についてご報告いたします。」

連絡

「明日の会議は[時間][場所]に変更になりました。」

「〇〇について、[部署名]にご連絡ください。」

相談

「〇〇について相談したいのですが、お時間よろしいでしょうか。」

「〇〇の件で困っています。アドバイスいただけますか。」

依頼

「〇〇をお願いできますか。」

「〇〇していただけると助かります。」

「お手数ですが、〇〇をお願いいたします。」

確認

「〇〇で間違いありませんか。」

「念のため確認させてください。」

「〇〇という理解でよろしいでしょうか。」

社内コミュニケーションで使える表現

「お疲れ様です。」(退社時や同僚への挨拶)

「お先に失礼します。」(退社時の挨拶)

「休憩に入ります。」(休憩に入ることを伝える)

「〇〇さん、ちょっとよろしいですか。」(同僚に声をかける)

お客様対応

丁寧な言葉遣い (敬語)

尊敬語、謙譲語、丁寧語を適切に使い分けられるように練習しましょう。

例:「言う」

「おっしゃる (尊敬語)」

「申し上げる (謙譲語)」

「言います (丁寧語)」


例:「見る」

「ご覧になる (尊敬語)」

「拝見する (謙譲語)」

「見ます (丁寧語)」

お詫びの仕方

「申し訳ございません。」

「深くお詫び申し上げます。」

「ご迷惑をおかけして、大変申し訳ございません。」

「今後はこのようなことのないよう、十分に注意いたします。」

お客様対応の例文

「いつもお世話になっております。」

「〇〇様、本日はご来社いただき、誠にありがとうございます。」

「ご不明な点はございますか。」

「何かお困りのことがございましたら、お気軽にお声がけください。」

「今後ともよろしくお願い申し上げます。」

【上級レベル】日本の文化を理解した会話

さらに上級レベルを目指すには、曖昧な表現や文化的背景を理解した会話が重要になります。

曖昧表現

日本語には、様々な種類の曖昧表現が存在します。

ここでは、代表的な例と、具体的な使用場面、ニュアンスを詳しく見ていきましょう。

~かもしれません

可能性が低い場合や、確信がない場合に、さらに控えめな推量を表します。

「~と思う」よりも不確実性が高いニュアンスです。

「電車が遅れるかもしれません。」
(遅延の可能性は低いが、念のため遅れる可能性も考慮している)

「彼は来ないかもしれません。」
(来る可能性は低いと考えている)

~なのではないでしょうか

相手に同意を求めたり、提案したりする際に、 мягко 意見を伝える表現です。

断定を避け、相手の意見を尊重するニュアンスを含みます。

「この資料、もう一度確認した方が良いのではないでしょうか。」
(確認を提案しつつ、相手に決定権を委ねる)

「この件は、〇〇さんに相談するのが良いのではないでしょうか。」
(提案の形を取りつつ、相手に判断を促す)

~していただけると助かります

依頼の意図を婉曲的に伝える表現です。直接的な命令や要求を避け、相手に協力をお願いするニュアンスです。

「この書類、明日までに用意していただけると助かります。」
(依頼の形を取りつつ、相手に協力を促す)

~していただけないでしょうか

さらに丁寧な依頼の表現です。相手に断る余地を残しつつ、依頼の意図を伝えます。

「もしよろしければ、資料を送っていただけないでしょうか。」
(非常に丁寧な依頼の表現)

そうですね

相手の発言に対して、同意とも不同意とも取れる曖昧な返答です。

肯定的なニュアンスを含む場合も、否定的なニュアンスを含む場合もあります。文脈や言い方によって意味合いが変わります。

「この企画、少し予算オーバーですよね。」

そうですね…
(同意とも、同意しかねているとも取れる曖昧な返答)

ちょっと…

婉曲的に拒否や反対の意思を示す際に使います。直接的な否定を避け、遠回しに反対意見を伝えるための表現です。

「今週中に納品できますか?」

ちょっと難しいですね…」
(直接的な拒否を避け、遠回しに困難であることを伝える)

検討します

提案や依頼に対して、すぐに結論を出さずに、保留にする際に使います。必ずしも実行するとは限らず、曖昧な返答として用いられます。

「新しいシステムの導入、いかがでしょうか?」

検討します。」
(すぐにYesとは言わず、保留にする意図を示す)

文化的背景

日本語での円滑なコミュニケーションを実現するためには、単に言葉や文法を覚えるだけでなく、日本独特の文化や習慣、価値観を理解することが不可欠です。

文化的背景を理解することで、言葉の裏にある意図を読み取ったり、相手に配慮した適切な表現を選んだりすることができ、よりスムーズで心地よいコミュニケーションが可能になります。

ここでは、特にビジネスシーンや日常会話で重要となる「謙遜の文化」「空気を読む」について、具体的に説明します。

謙遜の文化

日本では、自分の能力や成果を控えめに表現する「謙遜」の文化が根強く存在します。

これは、自己主張を控えめにして周囲との調和を重んじるという価値観に基づいています。

【具体例】

外国では、褒められたら「ありがとう!」と素直に喜ぶのが一般的ですが、日本では「いえいえ、まだまだです」「そんなことないです」などと謙遜することが多いです。

自分のスキルや経験をアピールする場面でも、謙遜の表現を使うことがあります。

「〇〇については、少しだけ経験があります」「まだまだ勉強中の身ですが…」など。

相手に何かをお願いする際にも、「お忙しいところ恐縮ですが…」「もしよろしければ…」といったクッション言葉を使い、謙虚な姿勢を示すことが大切です。

空気を読む

日本語のコミュニケーションにおいて非常に重要なのが「空気を読む」ことです。

これは、言葉にされていない相手の気持ちや状況を察し、適切な言動をとることを意味します。

非言語的な情報(表情、声のトーン、場の雰囲気など)から相手の意図を読み取る能力が求められます。

【具体例】

発言者が一方的に話し続けるのではなく、参加者の表情や反応を見て、発言のタイミングや内容を調整する。

周囲の会話の流れや雰囲気を察し、場を盛り上げたり、静かに聞き役に回ったりする。

相手の態度や言葉遣いから、交渉の進捗状況や相手の本音を読み取り、戦略を調整する。

日本語会話のスキルアップに役立つサイト

日本語会話のスキルアップに役立つサイト

日本語会話スキルを効果的に向上させるためには、適切な学習サイトやツールを活用することが重要です。

ここでは、おすすめの学習サイトを紹介します。

NHK WORLD-JAPAN Japanese Lessons

NHK WORLD-JAPAN Japanese Lessons
引用:NHK WORLD-JAPAN

NHKが提供する無料のオンライン日本語講座です。

動画や音声、テキスト教材が豊富で、初心者から上級者まで、レベルに合わせた学習が可能です。

おすすめポイントNHK制作なので、教材の質が高いです。
ニュース記事、ドラマ、アニメなど、様々なコンテンツで学習できます。
英語、中国語、韓国語など、多言語に対応しています。
対象レベル初級~上級

JAPANISE POD 101

JAPANISE POD 101
引用:JAPANISE POD 101

人気のオンライン日本語学習サイトです。

Podcast形式の音声レッスンが豊富で、通勤中や移動中など、スキマ時間を活用して学習できます。

無料プランでも多くのレッスンが利用可能です。

おすすめポイント豊富な音声コンテンツ:で、ネイティブスピーカーによる自然な日本語会話を学べます。
初心者向けからビジネス日本語、文化まで、幅広いレベルとテーマのレッスンがあります。
無料プランでも基本的なレッスンを受講できます。
対象レベル初級~上級

Marugoto Japanese Online Course

Marugoto
引用:MARUGOTO Plus

国際交流基金が提供するオンライン日本語コースです。

「ことば」と「文化」をバランスよく学べるのが特徴です。

実践的な日本語力を身につけることができます。

おすすめポイント目標達成型の学習ができます。
日本の文化や社会についても深く学ぶことができます。
日本語教育の専門機関である国際交流基金が提供しているので、教材の質が高いです。
対象レベル初級~中級

Erin’s Challenge! I can speak Japanese.

国際交流基金が提供する、アニメーションを活用したオンライン日本語教材です。

楽しく日本語を学びたい方におすすめです。

おすすめポイントストーリー仕立ての教材で、飽きずに学習できます。
日常会話でよく使う表現を重点的に学べます。
全てのコンテンツを無料で利用できます。
対象レベル初級

日本語カフェ 会話トレーニングコース

日本語カフェ 会話トレーニングコース
引用:日本語カフェ 会話トレーニングコース

日本語カフェには、日本語能力試験のN5〜N3レベルの日本語が話せるようになる会話トレーニングコースがあります。

実際のシチュエーションに沿った実践的な内容を学べるので、早く効率的に日本語会話を学びたい人におすすめです。

オンラインの動画形式なので、いつでもどこでも繰り返し視聴できます。

日本語カフェ 会話トレーニングコース
引用:日本語カフェ 会話トレーニングコース

また、各セクションの後には、学習内容の定着を促すクイズが用意されており、楽しみながら理解度をチェックできます。

日本語カフェ 会話トレーニングコース
引用:日本語カフェ 会話トレーニングコース

無料体験もできるので、気になった方はぜひチェックしてみてください。

\ 無料体験はこちらから

効果的な日本語会話練習方法

効果的な日本語会話練習方法

教材を使った学習に加えて、アウトプットを中心とした練習を取り入れることで、会話力はさらに向上します。

アウトプットをする方法

オンライン会話レッスン

オンライン会話レッスンは、ネイティブスピーカーや日本語教師とマンツーマンで会話練習ができる効果的な方法です。

メリット
実践的な会話練習実際の会話を通して、学んだフレーズや表現をアウトプットできます。
フィードバック発音や文法、表現などについて、先生から直接フィードバックをもらえます。
モチベーション維持先生との会話を通して、モチベーションを維持できます。
サービス例italki
Cafetalk
Verbling

言語交換パートナー

言語交換パートナーとは、互いの母国語を教え合うパートナーのことです。

日本語を学びたい外国人と、外国語を学びたい日本人がパートナーになり、オンラインや対面で会話練習を行います。

メリット
無料基本的に無料で会話練習ができます。
異文化交流言語学習だけでなく、異文化交流も楽しめます。
友達作り言語交換を通して、友達を作ることもできます。
探し方HelloTalk (言語交換アプリ)
Tandem (言語交換アプリ)
Meetup (言語交換イベントを探す)
大学や地域の国際交流イベント

社内交流イベント

会社によっては、外国人社員と日本人社員の交流を目的としたイベントを開催している場合があります。

積極的に参加して、日本人社員と日本語で会話する機会を作りましょう。

  • ランチ会
  • 懇親会
  • 社内クラブ活動
  • 季節のイベント (お花見、忘年会など)

継続的に学習するには?

語学学習は継続が重要です。

毎日少しずつでも良いので、日本語に触れる習慣を作りましょう。

習慣化のコツ
  • 毎日同じ時間に学習する (例: 通勤時間、昼休み、寝る前など)
  • 学習時間を短くても良いので、毎日続ける (例: 1日15分でもOK)
  • 学習記録をつける (学習時間、内容などを記録する)
  • ご褒美を設定する (目標達成したら、好きなことをするなど)
モチベーション維持
  • 日本語学習の目的を常に意識する (例: 仕事で活躍するため、日本での生活を充実させるためなど)
  • 同じ目標を持つ仲間を見つける (SNSのグループや言語交換パートナーなど)
  • 日本語学習の進捗を実感できる工夫をする (レベルチェックテストを受ける、会話できる範囲が広がったことを実感するなど)
  • 時には息抜きもする (映画やドラマを日本語で見る、音楽を聴くなど)

まとめ|仕事で役立つ日本語会話

まとめ|仕事で役立つ日本語会話

外国人社員の日本語会話力向上は、企業と社員双方にとって大きなメリットをもたらします。

企業が外国人社員の日本語学習を支援することは、社員の定着率向上、組織活性化に繋がり、結果として企業全体の成長を促進します。

この記事で紹介したフレーズ集や学習サイト、練習方法を参考に、社員の日本語会話学習をサポートしていきましょう。

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この記事を書いた人

三木 雅史(Masafumi Miki) 株式会社E-MAN会長
1973年兵庫県たつの市生まれ / 慶応義塾大学法学部法学科卒
・25歳で起業 / デジタルガレージ / 電通の孫請でシステム開発
・web通販事業を手掛ける
・2006年にオンライン英会話を日本で初めて事業化
・2019年外国人の日本語教育を簡単、安価にするため
 日本語eラーニングシステムを開発、1万人超の外国人が日々学習中

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