脳科学に基づいて作られたeラーニング教材
――日本語カフェの教材と学習の進め方についてお聞かせください。
学習の進め方として従来は、講師が一方的に解説をして、「私のあとで言ってくださいね」と日本語の発話練習をすることが多かったんです。ただ、それだと記憶に残りにくいですし、なかなか日本語能力試験に合格できないという課題がありました。
それで、学習の流れを「動画を見て、その後すぐに動画に関する問題に答える」という形にしたんです。そうすると、生徒さんは「この後すぐ問題が出る」と思って、動画に集中して勉強するわけです。そして確認問題が出ると、「これなんだったかな」と一生懸命思い出して問題を解くので、脳が活性化して記憶に定着しやすくなるんですね。
これは、「アクティブラーニング」という学習方法で、アメリカの大学などで研究されて学習効果があることが分かっています。
――問題を解くことで記憶に残りやすくなるんですね。
そうですね。そのため問題の量には特にこだわっていて、32名ほどの国語の先生で、2年近くかけて独自に問題を作成しました。今も、専任の問題作成担当者が毎日作り続けています。
生徒さんには動画視聴と問題演習を繰り返してもらいながら、さらに日本語能力試験と同等レベルの模擬試験を週に1回ほど受けてもらっています。
単語を覚えやすくする様々な仕組みも
――単語の覚え方等で工夫していることはありますか?
語彙は1個ずつを完璧に覚えようとするよりも50個くらいのブロックを一度に学び、それを2、3回繰り返したほうがいいことが、大学の研究等で分かっています。そのため、日本語カフェでは50個の単語を一つの動画でまとめて学習できるようにしています。
また、動画内の単語にはその意味をイメージできるイラストを付けています。イラストを見ながら学習すると、単語が記憶に残りやすいんです。
さらに、お風呂場などで聞き流して勉強できるように、単語を読み上げた動画を3種類用意しています。
まずは、りんご、appleと表示されて両方の音声が流れる動画で、りんごとappleをそれぞれ理解していただきます。
その後、appleだけが表示されて日本語の音声が流れる動画で、その日本語の意味を思い出したり、逆にりんごだけが表示されて英語(母国語)の音声が流れる動画で、日本語を言ってみたり。それぞれ練習できるようになっています。
会話に特化した実践的なコース
――試験対策以外ではどのような学習ができますか?
会社様によっては、就労者さんが業務で日本語を使えるように費用を抑えつつ日本語会話を学ばせたい、というお声が以前からありました。それに対応するためプロの講師にも相談しながら、動画の中で先生が質問をして、生徒さんが日本語で答える練習ができるレッスンを開発したんです。
具体的には、先生がレッスンの中でまず、キーセンテンスを言います。例えば、「今は午後5時30分です」とかです。その後で「 A さん、 今の時間を言ってみてください」 などと質問をします。それに対して A さんが、「今は11時30分です」と答えていきます。動画の中に生徒さんが答える間を設けているので、そこで発話をする練習ができる仕組みになっています。
また、複数の方で一緒に動画を視聴できる場合は、2人で1組のペアを作って、その2人で会話の練習をするような使い方をしていただくことも可能です。動画の中で「AさんはBさんに何時かを質問してください」「 Bさんは今の時間を伝えてみてください」という感じで具体的に指示が出ますので、それに沿って会話の練習をしていただくとより効果的ですね。
何度でも繰り返せる良質な教材で試験合格をめざす
――読者の方にメッセージをお願いします。
当社の教材は、多くの日本語学校でも教材として使用いただいていますので、質に関しては問題ないことを保障できると考えています。
また他社様の教材と比較して、問題の数が3〜4倍多いのは、当社の大きな特徴です。
しかも、月に三百数十円ですべての教材が使い放題ですので、大変メリットがあるのかなと思います。
試験に合格できるように、アクティブラーニングできちんと知識を身につけ、問題をどんどん解いて正しい答えを直感で選べるようになっていただきたいですね。
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