近年、外国人社員を積極的に採用する企業が増え、企業内で日本語の学習をサポートする必要性が高まっています。
日本語学習用の教材には、書店で売られているテキストから有料の学習サイトまで様々なものがありますが、無料の教材もたくさんあります。
この記事では、初心者・中級者・上級者それぞれのレベルに合わせて、無料で使える日本語学習用の教材を紹介します。
初心者向けの無料で使える日本語学習教材
日本語の勉強をこれから始める、または始めたばかりの初心者には、基本的な日常会話を学べる教材がおすすめです。
やさしい日本語Easy Japanese会話編
やさしい日本語Easy Japanese会話編は、NHKワールドが運営しているサイトで、簡単な日常会話を学べます。
無料とはいえ、全部で48課のレッスンがあり本格的。
アニメ動画のレッスンになっているので、気軽に楽しく勉強できます。
動画に出てくる字幕にはふりがながふってあるので、まだ漢字がわからない初心者でも安心です。
言葉だけでなく、文化や生活についても理解を深めることができます。
いろどり 生活の日本語
いろどりは、国際協力基金が作成しているオンラインテキストです。
入門・初級1・初級2のレベルがあり、PDFをダウンロードして使用できます。
自己紹介や日常会話、買い物、道案内など、日本での生活に直結する多様なトピックを取り扱っています。
実践的な日常会話を学びたい人におすすめのサイトです。
テキストは、中国語・韓国語・ベトナム語・フィリピノ語・ポルトガル語版などがあります。
にほんごEラーニングみなと
日本語Eラーニングみなとは、国際協力基金という団体が提供している学習サイトです。
入門から上級まで、さまざまなレベルのコースが用意されています。
英語、スペイン語、中国語、インドネシア語、タイ語、ベトナム語など複数の言語に対応しており、母国語で学習を進めることができます。
また、学習者同士が交流できるコミュニティがあるのも特徴です。
日本語を一緒に学ぶ仲間と、情報交換をしながら楽しく学習を進められます。
KANJI Memory Hint
KANJI Memory Hintは、連想イラストとゲームを活用して、漢字を楽しく学べるスマートフォン用アプリです。
国際交流基金関西国際センターが提供しており、入門から初級レベルの学習者を対象としています。
漢字の意味を確認したり、読み、書き順、例文まで見ることが可能です。
トピックごとに学習する漢字が一覧表になっているので、復習しやすくなっています。
外国人住民のための日本語教室オリジナルテキスト
京都府国際センターが提供している、外国人住民のための日本語教室向けオリジナルテキストです。
日本で暮らすために必要な、基礎レベルの日本語の習得を目指しています。
日常生活で直面する場面を想定し、すぐに使える日本語表現や会話を学習できます。
日本に暮らし始めたばかりの方や、これから日本で生活する予定の方におすすめです。
また、日本語ボランティアや教師向けに指導書が用意されており、効果的な指導をサポートしています。
Renshuu
Renshuuは、かわいいキャラクターとともに、日本語をゲーム感覚で学習できるアプリです。
日本語の語彙や文法、漢字、リスニングなどを楽しく学べます。
いろいろな種類のコンテンツがあるので、飽きることなく勉強を続けられるでしょう。
また、ユーザー同士が交流できるコミュニティ機能も提供しています。
中級者向けの無料で使える日本語学習教材
中級になると、話せることが増えるように、たくさんの単語や表現を学ぶのがおすすめです。
ここでは、中級の学習者におすすめの無料教材をご紹介します。
U-biq ゆーびっく
U-biq ゆーびっくは、日本語教師と日本語教育を応援するために作られたサイトですが、外国人の学習者も自由に使えます。
初級から中級までの文法を学べるため、日本語の基本的な文法をしっかり学びたい人におすすめのサイトです。
練習問題もあるので、たくさん問題を解きたい方にも役立ちます。
また、英語や中国語など複数の言語で学習をサポートしています。
日本語多読道場
日本語多読道場は、レベル別の読み物がたくさん見つかるサイトです。
すべての読み物にはN1~N6までのレベルが表記されています。
中級ならばN3(初中級)、N2 (中級)がおすすめです。
文章を読めるだけでなく、それぞれの文章を読み上げた音声もあるので、聞き取りや発音の練習も可能です。
また、日本の食べ物や文化、歴史に関する読み物もあり、言葉と同時に日本のことを詳しく知ることができます。
しごとのにほんご Easy Japanese for Work
仕事で使う日本語は、友達との日常会話とは異なる表現が多いです。
NHKワールドのしごとのにほんご Easy Japanese for Workでは、ビジネスシーンでよく使う表現や言い方を学べます。
表現や言葉についての詳しい説明があり、実践的なビジネス日本語を学びたい人におすすめです。
また、クイズもあり楽しく飽きずに日本語を学べるように工夫されています。
上級者向けの無料で使える日本語学習教材
上級者は、さまざまな場面で、幅広いトピックに関する日本語を理解する力が求められます。
日本語学習者向けに作られた教材ばかりでなく、日本語母語話者向けのサイトで、より自然な日本語に慣れるのも良い方法です。
ここからは、上級者におすすめの教材や、日本語母語話者向けに作られているものの、日本語学習に役立つサイトをご紹介します。
がんばってシャドーイング
シャドーイング練習に役立つのが、がんばってシャドーイングというアプリです。
このアプリを使えば、練習時の自分の声を録音して、モデル音声と比べながら聞くことができます。
また、録音後に波形とアクセントの高低が表示されるため、自分の発音とモデル音声の違いを客観的に見ることができる点も特徴です。
歴史にドキリ
歴史にドキリは、日本の小学校6年生向けにNHKが作ったサイトで、メインのコンテンツは動画です。
もともとは歴史教育の教材ですが、小学生向けに分かりやすい話し方をしているので、日本語学習にもおすすめです。
日本語母語話者用なので、話すスピードは自然な速さで字幕もありません。
各課にはワークシートが付いており、動画の内容をどれだけ理解したかを確認できます。
青空文庫
青空文庫は、著作権フリーの文学作品などをダウンロードして読めるサイトです。
作家名や作品名を五十音で検索して、好きな作品を探せます。
日本語教育用に作られているサイトではありませんが、様々な作品を無料で読めるため、多読や読解の練習におすすめです。
無料で使える日本語学習教材の活用方法
ここからは、効果的な無料教材の活用方法を見ていきましょう。
レベルにあった教材を選ぶ
無料教材にはさまざまなものがありますが、自分のレベルにあった教材を選ぶことが重要です。
日本語学習を始めたばかりの初心者が、上級者用教材を使っても、難しすぎて理解できません。
逆に、上級者が初心者向けの教材を使っても、すでに知っていることばかりなので、スキルを上げることができませんよね。
無料教材は、自分の日本語レベルにあったものを選ぶようにしましょう。
生活スタイルに合った教材を使う
無料教材は、自分の生活スタイルに合ったものを選ぶと長続きしやすいです。
学校の勉強や仕事で忙しい人は、出勤時間や休憩時間を利用して、短時間で気軽に学習できるアプリなどがおすすめです。
家でじっくり勉強できる時間があるなら、長めの動画を視聴したり、長文を読んで勉強するのも良いでしょう。
日本語学習にどれくらい時間を使えるかや、どういう学習方法が好きかを考え、自分に合った無料教材を見つけましょう。
教材で学んだ言葉を使ってみる
無料教材を使って学習した言葉は、できるだけ使ってみることが大切です。
たとえば、学習サイトで新しい日本語の表現を学んだら、その表現を使って実際に誰かと会話してみましょう。
学んだ表現を使って誰かとコミュニケーションがとれれば、モチベーションをアップし、もっと勉強したいというやる気がわきます。
また、仮にコミュニケーションが上手くいかなかった場合、何が間違っていたのかを考えることで、正しい日本語の習得につながるでしょう。
無料で使える日本語学習教材:まとめ
日本語の教材は、無料でも質の高い教材がたくさんあります。
無料で使える日本語教材を活用すれば、コストを抑えながら社員のスキルアップを支援できます。
また、日本語力が向上することで、職場内のコミュニケーションも円滑になります。
教材にはそれぞれ特徴があるので、レベルや伸ばしたいスキルに合わせて選択するのがおすすめです。