外国人社員の採用が当たり前になりつつある中、「日本語教育をどう設計するか」は企業研修における重要なテーマになっています。特に、日本語能力試験(JLPT)は、日本語力を客観的に測れる指標として、多くの企業で評価や育成目標に活用されています。
一方で、JLPT対策を企業研修として導入したものの、「思ったほど成果が出ない」「教材選びに失敗した」「学習が途中で止まってしまった」といった声も少なくありません。その原因の多くは、教材選定と運用方法が、企業研修の実態に合っていないことにあります。
本記事では、企業研修におけるJLPT問題集の選び方について、
- よくある失敗パターン
- 研修目的別の教育戦略
- 企業で使いやすい具体的な問題集
- 学習効果を最大化する運用のコツ
を体系的に解説します。外国人社員の日本語力を着実に引き上げ、現場での活躍につなげたい企業担当者の方は、ぜひ参考にしてください。
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企業研修における日本語能力試験問題集の選び方「3つの失敗パターン」

日本語能力試験(JLPT)対策を企業研修として導入する際、教材選びを誤ると学習効果が上がらないだけでなく、外国人社員のモチベーション低下を招く恐れがあります。まずは、現場でよく起こりがちな3つの失敗パターンを詳しく見ていきましょう。
「有名だから」という理由だけで選んでしまう
書店でよく見るベストセラー教材が、必ずしも自社の研修スタイルに合うとは限りません。例えば、解説が簡潔で「問題演習」に特化した上級者向け教材を、まだ基礎が不安定な初級者に渡してしまうと、自力で解き進めることができずに挫折を招きます。
教材のレベルと受講者の実力を、客観的なデータ(模擬試験の結果など)に基づいてマッチングさせることが不可欠です。
「解説の充実度」を軽視してしまう
企業の日本語研修は、講師がつきっきりで教える「集合研修」だけでなく、各自で進める「自習」の時間も重要です。この際、正解の番号しか載っていないような教材を選んでしまうと、受講者は「なぜこれが間違いなのか」を理解できず、学習が停滞します。
多言語での翻訳が付いているか、あるいは解説が平易な日本語で書かれているかを事前にチェックしましょう。
「学習期間」と「ボリューム」の不一致
よくある失敗が、3ヶ月の研修期間に対して、1年かけて解くような分厚いシリーズ教材を選んでしまうケースです。終わりの見えない学習は受講者のストレスになり、「試験までに終わらなかった」という敗北感を与えてしまいます。
研修期間から逆算し、1日あるいは1週間に無理なく消化できるボリュームの教材を選定することが、完走させるための鍵となります。

「目的別」で考える日本語能力試験対策の教育戦略

一言に「日本語能力試験対策」と言っても、企業によって研修のゴールや投資できるリソースは異なります。目的に応じて、どのタイプの教材を主軸にするかを戦略的に決めることが成功の近道です。
現状把握・実力診断が目的(模試・過去問型)
「今の実力で何級に受かるか知りたい」「研修前後の成長を数値化したい」場合は、本番形式の教材を選びます。研修の初日に「プレテスト」として実施することで、個々の弱点(語彙は良いが読解が壊滅的など)を可視化でき、その後の個別指導の優先順位を立てやすくなります。
また、研修最終日にテストとして実施すれば、研修の投資対効果を社内に報告する際の客観的資料になります。
基礎力の底上げが目的(体系・積み上げ型)
「日常会話はできるが、ビジネス文書の文法がめちゃくちゃ」「指示をなんとなくの感覚で理解している」といった課題がある場合、文法や語彙を体系的に学べる教材が適しています。
1日ごとの学習範囲が明確なものは、進捗管理が容易になるため、人事担当者が「今、誰がどこまで進んでいるか」を把握するのにも役立ちます。
弱点克服・即戦力化が目的(分野別特化型)
「話す・聞くは得意だが、漢字や読解が著しく苦手」という特定のスキルに偏りがある社員には、総合教材ではなく、特定分野に特化した教材を導入します。
特に、現場での安全指示やマニュアルの読み取りに直結する「読解」や「聴解」を強化することは、試験合格のためだけでなく、現場での事故防止や業務効率化という実務上のメリットにも直結します。
直前対策・試験への慣れが目的(問題演習型)
試験1ヶ月前など、追い込みの時期には、丁寧な解説よりも「問題数」と「スピード」を重視した教材へ切り替えます。実際の試験時間と同じ条件下で解く練習を繰り返すことで、時間配分のミスを防ぎ、合格圏内へとスコアを押し上げます。
この段階では、知識の習得よりも「試験という形式に慣れること」に主眼を置きます。

企業研修で使いやすい日本語能力試験の問題集

日本語能力試験の問題集には多くの種類がありますが、企業研修で活用する場合は「有名かどうか」よりも「運用しやすいかどうか」が重要になります。研修期間や対象人数、社員の日本語レベルによって、適した問題集は異なります。
ここでは、企業が外国人材の日本語教育に導入しやすく、評価・育成の両面で活用しやすいJLPT試験問題集を厳選して紹介します。いずれも、社内研修や自学自習に取り入れやすく、継続的な日本語力向上を支援できる教材です。
日本語能力試験 公式問題集

日本語能力試験を実施している機関が発行する公式問題集で、実際の試験と同じ形式・難易度の問題が収録されています。語彙・文法・読解・聴解の全分野を一冊で確認できるため、企業研修においては「日本語レベルを客観的に測る基準教材」として非常に有効です。
外国人社員の現状把握や、研修前後の到達度チェック、昇格・配置判断の参考資料としても活用できます。企業として日本語教育の基準を明確にしたい場合、まず導入したい問題集です。
日本語総まとめシリーズ

「日本語総まとめ」シリーズは、JLPT対策教材の中でも特に企業研修との相性が良いシリーズです。語彙・文法・読解・聴解が分野別に分かれており、1日ごとの学習内容が明確に設定されています。
研修期間が限られている場合や、学習スケジュールを管理したい企業にとって使いやすく、外国人社員も「今日は何をやればよいか」が分かりやすい構成です。自学自習と集合研修のどちらにも対応でき、継続学習の教材としても適しています。
新完全マスターシリーズ

新完全マスターシリーズは、JLPTの中級〜上級レベル(N3〜N1)対策として定評のある問題集です。文法・語彙・読解・聴解・漢字と分野ごとに細かく分かれており、弱点補強に最適です。
企業研修では、公式問題集や総合教材で全体像を把握した後、理解が不十分な分野をこのシリーズで補強する使い方が効果的です。現場での指示理解や文章読解に課題がある社員向けのフォロー教材としても活用できます。
スピードマスターシリーズ

スピードマスターシリーズは、短期間での反復学習を目的とした問題集です。語彙・文法・漢字・読解・聴解が分野別に用意されており、問題数が多く、繰り返し演習することで知識の定着を図れます。
特にN5〜N3レベルの外国人社員で「基礎は学んだが定着していない」ケースで効果を発揮します。現場配属前の集中研修や、入社直後の日本語強化期間に取り入れやすい教材です。
JLPT 日本語能力試験 完全模試シリーズ

完全模試シリーズは、本試験と同じ形式・時間配分で解ける模試型の問題集です。複数回分の模試が収録されており、日本語力だけでなく、時間管理や問題処理能力も確認できます。
企業研修では、一定期間の学習後に実施する「総合評価テスト」として活用しやすく、結果をもとに追加研修や個別指導につなげることができます。N2・N1を目指す中堅社員やリーダー候補向けに特におすすめです。
TRY! 日本語能力試験対策シリーズ

TRY!シリーズは、文法解説と問題演習がセットになった教材で、文法理解に重点を置きたい企業研修に向いています。イラストや例文が多く、初級者にも理解しやすい構成です。
「日本語の文法が感覚的に分かっていない」「指示文の意味を取り違える」といった課題を持つ社員に対し、基礎から体系的に学ばせたい場合に適しています。自習教材としても導入しやすい一冊です。


日本語能力試験 問題集の効果を最大化する運用のコツ

良質な教材を選んだ後は、それを現場でどう運用するかが成功の鍵を握ります。日々の業務で忙しい外国人社員が、挫折せずに学習を継続するためのポイントを詳しく解説します。
「反転学習」を取り入れアウトプットの場を作る
週に一度の集合研修がある場合、研修時間は講師による「一方的な解説」ではなく、受講者主体の「演習とアウトプット」に充てましょう。事前に教材の特定ページを自習(インプット)してきてもらい、研修の場ではその範囲のミニテストや、学んだ文法を使ったロールプレイングを行います。
この「反転学習」スタイルをとることで、知識が定着しやすくなるだけでなく、講師の負担軽減にもつながります。
進捗を「可視化」してチームで共有する
外国人社員にとって、業務の傍らで勉強を続けるのは孤独でハードな作業です。誰がどこまで進んでいるか、模擬試験で何点取ったかを社内の共有シートや掲示板で可視化しましょう。
進捗が見えることで「自分だけ遅れているわけではない」「みんな頑張っている」という連帯感が生まれます。また、周囲の日本人スタッフが「今、N3の勉強頑張ってるね」と声をかけるきっかけにもなり、モチベーション維持に大きく寄与します。
「試験対策」を「実務」へ橋渡しする指導
教材で学んだ文法や語彙が、実際の業務のどの場面(報告書の作成、電話応対、安全指示の理解など)で使われているかを意識させることが重要です。
例えば「新完全マスター」で学んだ接続詞が、社内のマニュアルでどう使われているかを作業中にフィードバックしてみましょう。単なる「試験のための勉強」が「仕事で評価されるためのスキルアップ」に変わったとき、学習スピードは飛躍的に向上します。
定期的な「ミニ模試」で成功体験を積ませる
数ヶ月に一度の本試験だけを目標にすると、途中で息切れしてしまいます。公式問題集や完全模試シリーズを活用し、1ヶ月に一度は「ミニ模試」を実施しましょう。
点数が上がっていることを実感させる「成功体験」を意図的に作ることで、学習への意欲を継続させることが可能です。

効率的な教育なら「日本語カフェ」のオンライン講座がおすすめ

企業の現場において、業務をこなしながら自社だけで質の高い日本語教育を完結させるのは容易ではありません。「日本人講師の採用コストが高い」「管理に手間がかかりすぎる」といった課題を抱えている企業様には、「日本語カフェ」のJLPT合格コースが最適です。
日本語カフェ「JLPT合格コース」の特徴
- 迷わない完全カリキュラム
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N5〜N1まで対応。
「何を、どの順番で学ぶか」が整理されているため、迷わず学習を進められる。
- 「わかる→使える」への実践トレーニング
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質の高い動画講義に加え、豊富なドリルと模擬試験を完備。
インプットとアウトプットをセットで行います。
- 苦手な読解・聴解を徹底攻略
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日本人講師が躓きやすいポイントを丁寧に解説。
試験当日も自信を持って臨める実践力が身につきます。
▼わかりやすい解説動画

▼ワークシート

業務と教育を両立させる「効率的」な学習環境
現場で必要なコミュニケーション能力のベースとなる日本語力。これを効率よく、かつ確実に身につけるために、日本語カフェでは以下のソリューションを提供しています。
- 3ヶ月でN3合格の実績
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全くの初心者からわずか3ヶ月でN3に合格した受講生も。
合格に特化した無駄のない動画カリキュラムが、最短ルートでのステップアップを可能にします。
- プロ講師の講義が「24時間いつでも」見放題
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厳しい審査をパスした一流講師による動画講義なので、一人ひとりの都合に合わせてPCやスマホから繰り返し学習が可能。
シフト制の職場でも無理なく続けられます。
- 管理工数を大幅に削減
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管理画面一つで、各受講者の学習進捗を一目で把握できます。
講師の採用やスケジュール調整に追われる必要はなくなり、担当者様は浮いた時間を他の重要業務に充てられます。
ゼロから3ヶ月でJLPT N3に合格

「日本語カフェ」で学習したフィリピン人受講者4名は、日本語学習未経験からわずか3ヶ月の学習で、日本語能力試験(JLPT)N3に全員合格しました。2025年4月に学習を開始し、1日平均6時間の自主学習を継続した結果、6月にはN5・N4を突破。そして7月には、通常半年以上かかるといわれるN3レベルに到達しました。
実際の試験結果では、文字語彙・文法読解・聴解のすべての分野で合格点をクリアしており、「日本語カフェ」のカリキュラムが短期間で成果を出せることを証明しています。
一般的に学習効果のばらつきやモチベーション維持に課題がある日本語教育ですが、明確な合格目標と効率的な学習設計により、4人全員が同時にN3合格を果たしました。
「自発的に学べる環境を作りたい」「コストを抑えて確実に合格させたい」とお考えの担当者様は、ぜひ一度お問い合わせください。
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まとめ:自社に最適なJLPT問題集で、確実なステップアップを

JLPT対策を企業研修として成功させるためには、「有名な教材を選ぶこと」よりも、自社の目的・研修期間・受講者のレベルに合った教材を選び、正しく運用することが何より重要です。
教材選びを誤ると、学習効果が上がらないだけでなく、外国人社員のモチベーション低下や離職につながるリスクもあります。一方で、目的に応じた教材選定と運用ができれば、JLPT対策は
- 日本語力の底上げ
- 現場でのコミュニケーション改善
- 安全性・業務効率の向上
といった、試験合格以上の価値を企業にもたらします。
ただし、業務と並行しながら自社だけで日本語教育を完結させることには限界があります。講師の確保や管理、教材運用にかかる負担は、担当者にとって大きな課題となりがちです。
そのような企業様には、「日本語カフェ」のJLPT合格コースをはじめとしたオンライン講座の活用がおすすめです。合格に特化した動画カリキュラムと進捗管理機能により、教育の自動化とコスト削減を同時に実現できます。
自社に最適なJLPT問題集と、効率的なオンライン講座を組み合わせることで、外国人社員の日本語力は着実に伸びていきます。 「採用して終わり」ではなく、「育てて戦力にする」ための日本語教育を、今こそ見直してみてはいかがでしょうか。
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