「外国人の日本語学習」飽きずに効率よく進める方法とは? 企業の取り組み方を紹介

「外国人の日本語学習」飽きずに効率よく進める方法とは? 企業の取り組み方を紹介
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学習継続のカギは具体的な目標設定

――「外国人の日本語学習が続かない」といった企業様からのご相談も多いと伺いました。どうすれば学習を継続できますか?

一つは、目標設定が大事ですね。
たとえば、「2025年12月の日本語能力試験(JLPT)に合格する」など期限を決めて、具体的に目標を設定することが重要です。

会社で目標設定を行う場合は、最初に学習する方と面談をしていただくといいかなと思います。
本人が納得して、自発的に勉強していけるような目標を設定することが大事です。

設定した目標は紙に書いて、会社の壁に貼って見えるようにしておくと、学習のモチベーションを保ちやすいですね。

――目標設定したあと、企業は学習する方にどう接していけばよいでしょうか?

企業には「学習の習慣化」をサポートしていただければと思います。
車は走り出すまでにかなりパワーを使います。語学もそれに似ていて、学習習慣のない方は「最初の習慣化」が大変なんです。
なので、初めは手間がかかりますが、まずは学習者が習慣づけをできるようにサポートしていただきたいですね。

21日で学習を習慣にする

――学習の「最初の習慣化」を行うためには、どんな方法がありますか?

「3日間チャレンジ」から始めるといいですね。
たとえば、「1日1時間の勉強を3日間続けられたら、社食1000円券をプレゼント!」といった“ご褒美”を用意します。
3日間チャレンジをクリアしたら、次は7日間、14日間と、徐々に日数を増やしていきます。

そして、21日間毎日勉強できるようになれば、学習の習慣化ができたと言えるんです。

――ある程度、学習を続けられるようになった方に対して、企業はどのようなサポートができますか?

JLPTの合格を目標にされた場合は、日本語カフェの模擬試験にチャレンジしてもらうといいです。
現在の実力を測定できて自分に何が足りないのかわかりますし、合格というゴールに向けて気持ちを入れ直すこともできます。

企業は模擬試験の結果を報告してもらって、「5%ずつ正解率が上がってるから、このペースでいけば合格できそうだね」など客観的な数字をベースに話し合いをして、フォローしていくことが大事ですね。

競争意識がやる気を引き出す

――学習モチベーションを維持するために、他にどんな取り組みができますか?

働いている人同士で、「競争環境を作る」ことも大事ですね。
模擬試験の結果をランキングにして貼り出したり、面談の中で「同じレベルのAさんは今回の模擬試験で10点上がってたよ」と伝えてみたり。
そうすると、“全体のなかでの競争”を常に意識するようになって、勉強でさらに上を目指そうとする流れを作れるんです。

――身近に競争相手がいると、おのずと意欲が高まりますね。

そうですね。また、JLPTは合格基準が明確な試験ですので、「自分との競争」と考えることもできます。
「今週の模擬試験は40%の正解率だったから、あと2ヶ月で正解率を10%上げよう」とか。
自分と向き合いながら少し先を見て勉強を進めていくことができますね。

――合格基準や模擬試験の結果など客観的な数値があれば、学習を進めやすいですね。

目標を立て、定期的に数値で自分の立ち位置をつかみ、修正してさらに学習を続けていく。
そんなふうにPDCAを回せるようになれば、一番いいですね。

グループレッスンを勉強のペースメーカーに

――学習する方への声かけなど企業が取り入れやすい方法があれば、教えてください。

オンラインの「グループレッスン」への参加を促していただくといいです。
そこに参加して結構話せる方がいると、「自分はもっと勉強しないとまずいな」と刺激を受けます。
無意識でも、競争する環境に身を置くことになるんですね。

そして、レッスンの翌日に企業の担当者が「昨日はどうでした?」と一声かけるようにします。
すると「次もちゃんと参加しよう」という意識を持てたり、「次回のレッスンまでに宿題やっておこう」と学習が習慣になったりします。

スムーズに勉強を進めるために、グループレッスンをペースメーカーにしていただければいいですね。

――最後に、読者にメッセージをお願いします。

日本語の教科書とは違って、日本語カフェのようなeラーニングには確認問題や模擬試験といった、現在の実力を測定する手段が組み込まれています。
それらを利用して勉強の成果を確認できれば、やる気が出て、さらに勉強に力が入るという好循環が生まれます。

また模擬試験を受けると、採点は即座になされて解答もすぐに出ますので、余計な手間や時間はかかりません。
ぜひeラーニングを活用して、どんどん学習効果を高めていただきたいなと思っています。

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この記事を書いた人

三木 雅史(Masafumi Miki) 株式会社E-MAN会長
1973年兵庫県たつの市生まれ / 慶応義塾大学法学部法学科卒
・25歳で起業 / デジタルガレージ / 電通の孫請でシステム開発
・web通販事業を手掛ける
・2006年にオンライン英会話を日本で初めて事業化
・2019年外国人の日本語教育を簡単、安価にするため
 日本語eラーニングシステムを開発、1万人超の外国人が日々学習中

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