JFT-BasicとJLPTのレベルの違いは?特定技能の取得に必要な日本語試験を比較

JFT-BasicとJLPTのレベルの違いは?特定技能の取得に必要な日本語試験を比較

JFT-Basic(国際交流基金日本語基礎テスト)とJLPT(日本語能力試験)は、どちらも外国人が日本語能力を証明するための試験です。

特に日本での就労を希望する外国人にとって、特定技能の在留資格を取得する際に必要な試験となることから、どちらの試験を受けるべきかを悩んでいる人も多いのではないでしょうか。

この2つの試験は、評価の目的や試験方式、求められる日本語のレベルが異なります。

JFT-Basicは主に特定技能1号を目指す人向けに実践的な日本語能力を測るテストで、日常生活や仕事の場面で必要な日本語の理解を重視しています。

一方、JLPTは日本語の総合的な理解力を測る試験で、特定技能だけでなく、留学や一般的な就職活動にも活用されています。

これらの違いを正しく理解し、自分に合った試験を選ぶことは、スムーズな在留資格の取得や日本での生活を成功させるために重要です。

また、外国人を雇用する企業にとっても、採用する人材がどのレベルの日本語能力を持っているかの目安を把握するための指標となります。

本記事では、JFT-BasicとJLPTのそれぞれの試験の特徴やレベルの違い、受験方法などを詳しく紹介します。

目次

JFT-BasicとJLPTの基本情報

JFT-BasicとJLPTの基本情報

JFT-Basic(国際交流基金日本語基礎テスト)とJLPT(日本語能力試験)は、外国人が日本語能力を証明するための試験ですが、それぞれ目的や試験方式が異なります。

ここでは、それぞれの試験の基本情報を詳しく紹介します。

JFT-Basicとは?

JFT-Basicは、日常生活や職場での日本語のコミュニケーション能力を測るための試験で、実践的な日本語スキルを問う問題が出題されます。

運営機関国際交流基金
受験対象特定技能1号の取得を希望する外国人
試験形式CBT(コンピューター・ベースド・テスト)方式
試験内容文字・語彙、会話・表現、聴解、読解の4つの分野で構成
評価基準250点満点中200点以上
実施回数年に複数回(試験日程は国や地域による)
試験結果試験終了後すぐにコンピューター画面に表示される
受験可能国日本国内およびベトナム、フィリピン、インドネシアなどの複数の国
受験費用7,000円(国によって異なる場合あり)

JFT-Basicは、特定技能1号の在留資格の取得を目指す外国人にとって受験しやすい試験で、結果がすぐに分かるため、短期間での申請準備が可能です。

JLPT(日本語能力試験)とは?

JLPT(日本語能力試験)は、日本語を母国語としない人を対象に、日本語の総合的な理解力を測る試験です。

運営機関国際交流基金、日本国際教育支援協会
受験対象日本語能力を証明したい外国人全般
試験形式マークシート方式
試験内容言語知識(文字・語彙・文法)、読解、聴解の3つの分野で構成
評価基準N1~N5の5段階
実施回数年2回(7月・12月)
試験結果試験後、約1~2か月後に通知
受験可能国日本国内および海外90か国以上
受験費用6,500円(国やレベルによって異なる場合あり)

JLPTは日本語の総合的な理解力を測定する試験のため、特定技能の取得を目的とする人だけでなく、留学生や一般就職希望者にも広く受験されています。

ただし、年に2回しか実施されないため、受験のタイミングを考慮する必要があります。

JFT-BasicとJLPTのレベル比較

JFT-BasicとJLPTのレベル比較

JFT-Basic(国際交流基金日本語基礎テスト)とJLPT(日本語能力試験)は、どちらも日本語能力を測定する試験ですが、評価の基準や測定内容には大きな違いがあります。

どちらの試験を受験するべきかを判断するために、それぞれのレベルの違いを確認しておきましょう。

スクロールできます
JFT-BasicとJLPT(N4)のレベル比較表
項目JFT-Basic(200点以上)JLPT(N4)
目的日常生活に必要な実践的な日本語能力を測る日本語の総合的な能力を測る
試験方式CBT(コンピューター・ベースド・テスト)マークシート方式
試験内容文字・語彙、会話・表現、聴解、読解言語知識(文字・語彙・文法)、読解、聴解
評価基準250点満点中200点以上N4レベルに合格
試験実施回数年に複数回実施年2回(7月・12月)
試験結果の通知試験終了後すぐに結果がわかる試験後1〜2か月後に合否通知
受験可能国日本、ベトナム、フィリピン、インドネシアなど日本を含む90カ国以上

JFT-Basicのレベル(200点以上)とは?

JFT-Basicの試験では、以下のようなスキルが求められます。

  • 身近な話題(買い物、仕事、家族、住まいなど)に関する基本的な単語や表現を理解できる
  • 簡単な指示や案内を聞いて、適切に対応できる
  • 日常生活でよく使われるフレーズを使い、簡単なやり取りができる
  • 身の回りのことについて、短い文章で説明できる

この試験では、日本での生活や職場でのコミュニケーションに必要な日本語能力を重視しており、実際の会話で必要な表現やリスニング能力が問われます。

JLPT N4のレベルとは?

JLPTのN4レベルは、日本語の基本的な文法や語彙を理解し、簡単な文章を読んだり、ゆっくりと話される日常会話を聞き取ったりできる能力を示します。

具体的なスキルとして、以下のような点が挙げられます。

  • 簡単な文章を読んで、基本的な内容を理解できる
  • 日常的な場面で使われる表現を聞いて、意味を把握できる
  • ゆっくりと話される短い会話であれば、内容を理解できる
  • 基本的な語彙や漢字を用いた文を読んで理解できる

JLPTは、日本語の総合的な知識が問われる試験で、特定技能に限らず、留学や就職など幅広い場面で活用されます。

どちらの試験が特定技能に適しているか?

特定技能の取得を目的とする場合、JFT-Basicで200点以上獲得するか、JLPT N4レベルの合格が求められます。

特定技能1号のためだけに日本語試験を受けるのであれば、JFT-Basicの方が試験の回数が多く、結果がすぐに分かるため、スケジュール調整がしやすいメリットがあります。

一方、JLPT N4は日本語の総合的な能力を評価する試験のため、日本語のスキルを高めたい人や、より幅広い用途で証明書を活用したい場合におすすめです。

JFT-BasicとJLPTの受験方法

JFT-BasicとJLPTの受験方法

JFT-Basic(国際交流基金日本語基礎テスト)とJLPT(日本語能力試験)は、受験の申し込み方法や試験の実施頻度、受験資格などが異なります。

それぞれの試験を受ける際の流れを確認しておきましょう。

JFT-Basicの受験方法

JFT-Basicの受験手続きはオンラインで行われるため、事前に登録を済ませる必要があります。

受験資格
  • 日本語を母国語としない外国人が対象
  • 受験する国ごとに受験資格が違うため事前に確認が必要
申し込み方法
  • 「プロメトリック」の専用予約ウェブサイトで登録し、受験予約を行う
  • 試験日程や試験会場、受験料の支払い方法などを確認
  • 受験予約にはIDの取得が必要
試験実施回数と受験場所
  • 日本国内および、ベトナム、フィリピン、インドネシアなどの国で実施
  • 年間を通じて複数回実施されるため、希望するタイミングで受験しやすい
試験当日の流れ
  • 指定された試験会場にて、コンピュータを使って試験を受ける(CBT方式)
  • 受験票や本人確認書類(パスポートなど)を持参すること
試験結果の確認方法
  • 試験終了後、すぐに画面上で結果が表示される
  • 後日、専用ウェブサイト上で正式な結果通知書を発行可能

JLPTの受験方法

JLPTの試験は年に2回のみ実施されるため、前もって最新の情報を確認し、計画的に準備を行うことが大切です。

受験資格

日本語を母国語としない者であれば、国籍や年齢に関係なく受験可能

申し込み方法
  • 日本国内の場合、日本国際教育支援協会のウェブサイト「MyJLPT」からオンライン申し込み
  • 海外での受験は、各国の試験実施機関を通じて申し込む
  • 申し込み時に、試験レベル(N1~N5)を選択
試験実施回数と受験場所
  • 毎年7月と12月の年2回実施(海外では1回のみ実施の国もある)
  • 日本国内の主要都市および、海外90か国以上で受験可能
試験当日の流れ
  • 事前に受験票を受け取り、指定された会場で筆記試験を受験
  • 試験内容は、言語知識(語彙・文法)、読解、聴解の3分野
試験結果の確認方法
  • 日本国内の場合、7月の試験結果は9月上旬、12月の試験結果は翌年2月上旬に郵送で通知
  • 海外の受験者は、各国の試験実施機関から結果を受け取る

JFT-BasicとJLPTのどちらを選ぶ?

JFT-BasicとJLPTは、どちらも特定技能の日本語能力を証明する試験ですが、試験の目的や受験方法が異なります。

FT-Basicが向いている人
  • 試験結果をすぐに知りたい人
  • 試験の実施回数が多い方が都合が良い人
  • 日常会話や職場での実践的な日本語能力を評価してもらいたい人
JLPT(N4)が向いている人
  • 日本語の総合的な能力を証明したい人
  • 特定技能以外の目的(留学・一般就職)にも試験結果を活用したい人

どちらを受験するかを決める際は、目的や受験のタイミング・試験内容の違いをしっかりと理解し、自分に合った試験を選びましょう。

JFT-BasicとJLPTのまとめ

JFT-BasicとJLPTのまとめ

JFT-Basicは、仕事や日常生活で使う日本語の理解度を測ることに重点を置いています。

試験は年に複数回実施され、結果もすぐに分かるため、短期間で特定技能の申請を進めたい人に適しています。

一方、JLPTは、特定技能だけでなく、留学や一般就職など幅広い用途で活用できる試験です。

試験は年2回のみの実施ですが、日本語の総合的な能力を評価するため、より体系的な学習の成果を証明できます。

どちらの試験を選ぶべきかは、自分の目的やスケジュールに応じて判断することが大切です。

外国人の採用を考えている企業も、求める日本語レベルや職場での会話能力を考慮し、どの試験の結果を参考にするかを考えておくとよいでしょう。

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この記事を書いた人

三木 雅史(Masafumi Miki) 株式会社E-MAN会長
1973年兵庫県たつの市生まれ / 慶応義塾大学法学部法学科卒
・25歳で起業 / デジタルガレージ / 電通の孫請でシステム開発
・web通販事業を手掛ける
・2006年にオンライン英会話を日本で初めて事業化
・2019年外国人の日本語教育を簡単、安価にするため
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