外国人社員を採用している、あるいはこれから採用を検討している企業にとって、日本語教育は重要なテーマの一つです。現場でのコミュニケーションを円滑にしたい、安全面のリスクを減らしたい、将来的にはより責任ある業務を任せたい、といった思いから、日本語教育の必要性を感じている担当者の方も多いのではないでしょうか。
一方で、「どのレベルから始めればよいのか分からない」「社内で実施すべきか、外部に委託すべきか迷っている」「効果が出る日本語教育とは何か知りたい」といった悩みもよく聞かれます。日本語教育といっても方法はさまざまで、企業の業種や体制によって最適な形は異なります。
本記事では、外国人社員向け日本語教育の進め方を整理し、企業が実施できる具体的な方法や設計のポイント、継続のための工夫について分かりやすくまとめました。自社に合った日本語教育を検討する際の参考として、ぜひお役立てください。
外国人社員向け日本語教育の進め方

外国人社員の日本語教育は、「とりあえず研修を実施する」だけでは成果につながりません。自社の業務内容と外国人スタッフの日本語レベルを正確に把握し、段階的に設計する必要があります。
外国人社員の日本語レベルを把握する方法
まず最初に行うべきことは、外国人社員の現在の日本語力を正確に把握することです。レベルを見誤ると、教育内容が合わず、時間やコストが無駄になる可能性があります。
JLPT(N5〜N1)を基準にしたレベル判定
日本語教育を実施するうえで、多くの企業が参考にしているのがJLPT(日本語能力試験)です。N5〜N3レベルの社員が多い場合、簡単な日常会話はできても、業務指示や報告場面での日本語に課題が出やすい傾向があります。
ただし、JLPTは会話力を測る試験ではないため、資格の有無だけで判断せず、実際の会話力と業務対応力をあわせて確認することが重要です。
業務日本語と日常会話レベルの違い
日常生活で使う日本語と、職場で必要とされる日本語には大きな違いがあります。ここを区別せずに教育を実施すると、実務に直結しない内容になってしまいます。
例えば製造業では、安全指示や工程説明の理解が不可欠ですし、サービス業では敬語や接客特有の表現が求められます。業務に必要な日本語を明確化することが、効果的な日本語教育の第一歩です。
社内でできる簡易レベルチェック方法
外部試験の実施が難しい場合でも、社内で簡易的なレベルチェックを行うことは可能です。ポイントは「実務で使う場面」を想定して評価することです。
例えば、自己紹介と業務内容の説明ができるか、上司の指示を復唱できるか、トラブル発生時に状況を説明できるかなどを確認します。これらを定期的に実施し、結果を一覧で管理することで、教育の進捗状況を可視化できます。

自社に最適な日本語教育プランの設計方法
レベルを把握した後は、自社に合った教育プランを設計します。ここで重要なのは、汎用的な日本語ではなく、業務に直結する内容へと具体化することです。
業種別に必要な日本語スキルを把握する
業種によって必要な日本語スキルは大きく異なります。そのため、まずは自社で必要なスキルを整理し、一覧化することが重要です。
例えば、製造業では安全指示の理解や作業報告、介護業界では利用者対応や体調報告、IT業界では会議参加や仕様説明などが挙げられます。このように具体化することで、教育内容が明確になり、実施計画も立てやすくなります。
到達目標の設定方法(3ヶ月・6ヶ月・1年)
教育の効果を高めるためには、期間ごとの到達目標を設定する必要があります。目標が曖昧だと、学習の成果が見えづらくなります。
例えば、3ヶ月後には業務指示を理解できる、6ヶ月後には簡単な報告ができる、1年後には自発的な相談ができる、といった段階的な目標設定が有効です。具体的なゴールを定めることで、企業側も受講者側も成果を実感しやすくなります。
スケジュールの作り方
教育は単発ではなく、継続的に実施することが重要です。業務とのバランスを取りながら、無理のないスケジュールを設計します。
例えば、週1回のオンライン授業や、月1回の会話テストなどを組み合わせる方法があります。年間スケジュールとしてまとめ、社内で共有することで、日本語教育の実施体制が整い、継続的な改善が可能になります。


企業が実施できる日本語教育の方法一覧

日本語教育を成功させるためには、自社に合った実施方法を選ぶことが重要です。ここでは、社内実施・外部委託・情報活用という3つの観点から、日本企業が取り組める日本語教育の方法を紹介します。
社内で実施する日本語教育
まずは、自社内で日本語教育を実施する方法です。コストを抑えやすく、自社業務に特化した内容にできる点が大きなメリットです。
社内研修プログラムの作り方
社内研修として日本語教育を実施する場合、業務で頻出する表現や指示内容を中心にカリキュラムを作成します。実際の業務資料やマニュアルを教材に活用することで、実践的な日本語習得が可能になります。
また、ロールプレイ形式を取り入れると、座学だけでは身につかない会話力を強化できます。現場を想定したトレーニングが、即戦力につながります。
eラーニング教材の活用方法
近年はオンラインの日本語教育サイトやeラーニング教材も充実しています。時間や場所を選ばず学習できるため、シフト制の職場でも導入しやすいのが特徴です。
学習履歴を一覧で管理できるサービスを選べば、進捗状況の把握も容易になります。実施状況を可視化することで、教育の継続性が高まります。
OJTと連動させる実践型教育
OJTと日本語教育を連動させる方法も効果的です。例えば、その日の業務で使った日本語表現を振り返る時間を設けることで、実務と学習が結びつきます。
現場責任者が簡単なフィードバックを行う仕組みを作れば、日常業務そのものが学習の場になります。形式的な研修だけでなく、日々の積み重ねが日本語力向上につながります。
外部団体・教育機関へ委託する方法
社内に教育ノウハウがない場合は、専門の日本語教育団体へ委託する方法もあります。専門性が高く、体系的な指導を受けられる点が魅力です。
日本語教育団体の選び方
外部団体を選ぶ際は、企業向け日本語教育の実績があるかを確認しましょう。一般的な語学学校ではなく、企業研修の経験が豊富な団体を選ぶことが重要です。
また、カリキュラム内容や指導方法、講師の資格などを事前に確認し、自社の業務に対応できるかを見極めます。複数の団体を比較し、資料や案内を取り寄せるのがおすすめです。
オンライン実施と対面実施の比較
現在はオンライン実施が主流になりつつあります。拠点が複数ある企業でも一括で教育を実施できるため、効率的です。
一方で、対面実施は会話練習や発音指導に強みがあります。自社の状況に応じて、オンラインと対面を組み合わせる方法も検討できます。
参考になる日本語教育情報サイト・リンク集
日本語教育を検討する際は、信頼できる情報サイトを活用することもできます。公的機関や国際的な団体が提供する情報は、教育実施の参考になります。
| 日本語教育コンテンツ共有システム(文部科学省) | https://www.nihongo-ews.bunka.go.jp/ |
|---|---|
| 日本語学習サイト「JFにほんごeラーニング みなと」 | https://minato-jf.jp/ |
| 日本語学習ポータル「NIHONGO eな」 | https://nihongo-e-na.com/ |
| 日本語学習・教育総合情報(Jetroポータル) | https://www.jetro.go.jp/hrportal/forprofessionals/japanese_language.html |


日本語教育を成功させるための実施ポイント

日本語教育は「導入すること」よりも「継続し、成果を出すこと」が重要です。ここでは、企業が日本語教育を実施する際に押さえるべき運用面のポイントを解説します。
教育を継続させる仕組みづくり
日本語教育は短期間では成果が出にくいため、継続できる仕組みを整えることが不可欠です。制度設計と現場の協力体制の両方が求められます。
業務時間内学習のルール設計
業務後の自主学習に任せるだけでは、学習が継続しにくくなります。週1回30分〜60分でもよいので、業務時間内に日本語教育の時間を確保する仕組みを作ることが効果的です。
あらかじめ実施スケジュールを年間計画として共有しておくことで、現場の理解も得やすくなります。実施日や参加対象者を明確にし、全社的な取り組みとして位置づけることが重要です。
モチベーション維持の施策
学習意欲を維持するためには、小さな成功体験を積み重ねる設計が必要です。例えば、月ごとの到達目標を設定し、達成できた場合は社内で評価する仕組みを取り入れます。
また、会話テストやロールプレイ発表など、成果を見える化する機会を設けることで、自信と達成感が生まれます。単なる座学ではなく、実践型の日本語教育を取り入れることが継続の鍵になります。
管理職の関わり方
日本語教育は現場任せにせず、管理職が積極的に関与することが重要です。上司が簡単な日本語で声をかけたり、学習内容を業務に活用する機会を与えたりすることで、学習が実務と結びつきます。
教育の目的や方針を管理職へ共有し、組織全体で支援する体制を整えることで、成果が出やすくなります。
成果を可視化する評価方法
日本語教育の成果は、定量・定性の両面から評価する必要があります。評価方法を明確にすることで、教育投資の効果を説明しやすくなります。
会話力チェックの方法
会話力の評価には、ロールプレイ形式が有効です。実際の業務場面を想定し、指示理解・報告・相談ができるかを確認します。
録音や評価シートを活用し、定期的に実施することで成長の変化を把握できます。結果を一覧で管理すれば、改善点も明確になります。
業務理解度テストの実施
業務マニュアルや安全指示に関する理解度テストを行うことも有効です。特に製造業や介護業界など、安全性が重要な業種では必須といえます。
簡単な筆記テストや口頭確認を定期的に実施し、理解不足の箇所を補強します。教育と実務の結びつきを意識することが重要です。
定期評価と改善サイクル
日本語教育は一度実施して終わりではありません。定期的に評価を行い、改善サイクルを回すことが必要です。
例えば、四半期ごとに教育内容を見直し、現場からのフィードバックを反映させます。PDCAを回すことで、日本語教育の質が向上します。

日本語カフェ「会話トレーニングコース」のご案内

ここまで、日本語教育の進め方や実施方法について解説してきました。しかし実際の現場では、「読む・聞く」はできても“話せない”という課題に直面する企業が非常に多くあります。そこで重要になるのが、会話力に特化した実践型日本語教育です。
N5〜N3レベルに最適な会話特化型コース
日本語カフェ「会話トレーニングコース」は、N5〜N3レベルの外国人スタッフを対象に、覚えた日本語を話せるようにすることを目的とした実践型プログラムです。日常的な会話を理解し、職場で円滑なコミュニケーションができる状態を目指します。
文法や単語を覚えるだけでなく、「どの場面で、どの表現を使うのか」まで落とし込むため、現場で即活用できる日本語力が身につきます。特に、報告・連絡・相談など、業務で必須となる会話力強化に効果的です。
実践講義で“話せる日本語”を習得
会話トレーニングコースでは、よく使う日本語表現を実際のシチュエーションに沿って発音しながら学びます。知識として理解するだけでなく、声に出して練習することで、実践力へとつなげます。「覚えたけれど使えない」という状態を防ぎ、現場で自然に使える日本語を習得できる点が特徴です。
クイズで理解と記憶を定着
各セクション終了後には、復習クイズが用意されています。クイズ形式で楽しく学習できるため、負担を感じにくく、短時間で効率よく復習できます。2〜3分で取り組める設計になっているため、業務の合間でも実施しやすく、記憶への定着を促進します。
大量の演習問題で自信を育てる
複数パターンのオリジナル問題を用意しているため、いろいろな形式の問題を何度でも練習できます。繰り返し声に出すことで、会話への抵抗感が減り、自信が生まれます。どんな場面でも対応できる実力を養い、外国人スタッフが主体的に発言できる環境づくりを支援します。
無料体験を実施中!
日本語カフェ「会話トレーニングコース」が自社に合っているかどうかを含め、具体的な活用方法についてご相談いただくことも可能です。導入の流れや実施イメージについて知りたい場合は、下記よりぜひお気軽にお問い合わせください。
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自社に合った日本語教育を見つけよう

外国人スタッフの日本語教育は、難しく考えすぎる必要はありません。大切なのは、今いる社員の日本語レベルを把握し、自社の業務に必要な日本語に合わせて、少しずつ整えていくことです。
社内でできる工夫もあれば、外部団体や専門サービスを活用する方法もあります。公的な情報サイトや各種案内、教育団体の資料なども参考にしながら、自社に無理のない形で実施していくことが、継続のポイントになります。
特に「話せるようになってほしい」「現場でのコミュニケーションをスムーズにしたい」とお考えの場合は、会話力に特化した日本語教育を取り入れるのも一つの選択肢です。日本語カフェ「会話トレーニングコース」では、N5〜N3レベルの外国人スタッフが実践的な会話力を身につけられる環境を整えています。
外国人材がより安心して働ける環境づくりのために、できることから始めてみませんか。ご相談やご質問などありましたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。
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