JITCOとは?JITCOの業務内容とその活用法を徹底解説!

JITCOとは?送り出し機関との関係や支援内容について徹底解説!

「JITCO(ジツコ)って何?」「外国人労働者を採用する際に支援してくれる団体ってある?」こんなお悩みを抱えている企業はありませんか?

この記事では、JITCOの基本的な業務内容からJITCOの具体的な活用法まで、総合的に解説しています。

読むことで得られる具体的な内容は次の通りです。

本記事でわかること
  1. JITCOの基本的な業務内容  
  2. JITCOの活用法
  3. 外国人を受入れる企業の注意点

この記事を読むことで、JITCOに関する疑問を解消し、外国人を雇用するための制度を効果的に活用できる知識が得られます。

読了後、あなたはJITCOについての理解を深め、実際の利用を検討する際に必要な知識を持つことができるようになるでしょう。

では、さっそく内容に入っていきましょう。

目次

外国人雇用制度の基本情報

送り出し機関の基本情報

まずは外国人を雇用できる2大制度、技能実習制度と特定技能制度の違い、送り出し機関の役割、そして特定技能における受入れ・送り出しの仕組みについて解説します。

技能実習制度と特定技能制度の違い

技能実習制度は1993年にスタートした制度で、発展途上国の労働者が日本の先進技術や知識を学び、母国の経済成長に寄与することを目的としています。

この制度では、建設や農業、製造業など多岐にわたる分野で最長5年間の研修が可能ですが、研修できる職種は90職種166作業に限定されており、職種変更は基本的に認められていません。

また、技能実習生採用時は送り出し機関を経由することが一般的です。

特定技能制度は、2019年に日本の深刻な人手不足を補うために始まりました。

この制度は建設、介護、食品製造、農業、漁業を含む16の分野(14業種)で、即戦力となる外国人労働者を受け入れることを目的としています。

この制度下では、労働者は同じ職種内であれば自由に転職が可能です。

特定技能労働者は基本的に送り出し機関を利用する必要はないものの、送り出し国によってはその使用が義務付けられている場合もあるため、注意が必要です。

項目技能実習制度特定技能制度
目的発展途上国への技能伝承による国際貢献日本の労働不足解消
業務種90職種166作業16分野(14業種)
転職可否基本的には不可同一職種であれば可能
送り出し機関の活用義務
※国によっては有

送り出し機関の役割とは

送り出し機関は、技能実習制度の下で日本国内の監理団体と協力し、現地で日本で働きたい外国人労働者を探し出し、日本の企業へ紹介し、日本へ送り出すまでのサポートをする役割を果たしています。

これにはビザの申請支援、現地での言語教育、企業への就職活動支援などが含まれます。

さらに、日本へ渡航する前に、日本の文化や生活習慣の違いへのアドバイスを行い、労働者が日本で快適に生活し、効率的に働けるよう事前準備としての支援を現地で行うこともあります。

なお、監理団体は、送り出し機関や受け入れ企業と連携しながら、実習生の募集や受け入れに関連する手続きを整える非営利団体です。

さらに、監理団体は受け入れ企業への監査と指導を行う重要な役割も担います。

また、労働者が日本で働き始めた後に遭遇する問題や困難に対しては、相談窓口として機能し、法的な解決策の検討や労働条件の問題解決にも対応します。

例えば、労働者同士の金銭トラブル、文化の違いや言葉の壁から生まれる論争トラブル、上司からのパワハラ、残業代の未払いや休暇が取れないなどの労働条件のトラブルなどの事例が発生した時には、監理団体が企業や労働者との間に入り、解決に向けて対処する役割を担っています。

特定技能における受入れ・送出しの仕組み

特定技能外国人(求職者)と求人を提供する機関(求人者)との間で、雇用契約を仲介する活動は職業紹介に該当します。

この活動は日本の職業安定法の規制下にあるため、職業紹介事業者は都道府県労働局へ申請し厚生労働大臣の許可を得る必要があります。

そして、職業紹介事業者が送り出し機関を利用する場合、以下の書類提出が必要です。

  • 相手国の職業紹介法規
  • 送り出し機関の活動が認められている証明書
  • 送り出し機関との業務分担契約書

また、職業紹介事業者は、日本と相手国の法律を遵守する義務があり、特定技能制度の二国間協定も考慮する必要があるため注意しましょう。

JITCOの基本情報

JITCOの基本情報

ここからはJITCOに焦点を当てて解説を行います。

JITCOとは?JITCOの概要

JITCO(国際人材協力機構)は、1991年に「国際研修協力機構」としてスタートし、2012年に公益財団法人へと移行しました。

この組織は、技能実習生や特定技能外国人を含む外国人労働者の受け入れを促進し、国際経済社会の成長に貢献することを目指しています。

JITCOは技能実習制度を全面的にサポートしており、監理団体や実習実施者、送り出し機関などの関係者に対してセミナーや個別相談、教材の提供といった多様な支援活動を展開しています。

さらに、この機構は監理責任者や実習実施者のための養成講習も行う公認の研修機関です。

これら各種支援活動の詳細については次章以降で詳しく解説します。

2019年に導入された新たな在留資格「特定技能」においても、JITCOは総合的な支援を提供し、セミナーや申請プロセスのサポートを通じて関係者を支援しています。

2020年4月、機関名を「国際人材協力機構」へと変更し、英語名も「Japan International Training Cooperation Organization」から「Japan International Trainee & Skilled Worker Cooperation Organization」に更新しました。

この変更は、機関の国際的な役割と範囲をより正確に反映するものです。

技能実習制度・特定技能制度の総合支援機関としてのJITCO

JITCOは、外国人技能実習制度ならびに特定技能制度において包括的な支援を提供しています。

主な業務内容として、「受入れ」「手続き」「送り出し」「人材育成」「実習生保護」の5つの分野の情報提供をしています。

JITCOは、これら技能実習制度と特定技能制度に関する内容について、監理団体、実習実施者、送出機関を含むすべての関係者に説明会やセミナー・講習会の開催の他、各種手続きに関する個別相談への対応、教材の開発などのサービスを提供し、彼らをサポートしています。

教材の中には、技能実習の技術向上のためのテキストや専門用語の対訳集、日本語教育関連のものもあり、オンラインショップでも販売しています。

また、実習生保護の観点から、外国人技能実習生や特定技能総合保険等の普及や、メンタルヘルスアドバイザーの派遣なども行っています。

養成講習機関としてのJITCO

JITCOは、主務大臣から公認された各種担当責任者の養成講習機関です。

技能実習法に基づく技能実習制度では、下記3部門者に対して3年ごとに養成講習の受講を義務付けており、これは主務大臣に任命された「養成講習機関」の利用が必要です。

養成講習の受講義務者
  1. 監理団体において監理事業を行う事業所ごとに選任される監理責任者
  2. 監理団体が監理事業を適切に運営するために設置する指定外部役員又は外部監査人
  3. 実習実施者において技能実習を行う事業所ごとに選任される技能実習責任者

なお、監理団体に所属する監理責任者以外の監査担当者や、技能実習指導員・生活指導員といった実習実施者においては養成講習の受講は義務付けられていません。

しかし、これらの講習を受けることは、優秀な監理団体や実習実施者として評価される要因の一つとされているため受講しておく方が良いでしょう。

JITCOは、これらの養成講習を実施する重要な役割を担っているのです。

JITCOが行っている監理団体、送り出し機関向け支援サービス

JITCOが行っている監理団体、送り出し機関向け支援サービス

送り出し機関にとって、日本の技能実習制度や監理団体に関する情報は必須です。

また、日本の監理団体も、送り出し機関の詳細を理解することが重要です。

JITCOは、送り出し国の政府窓口との間で締結された討議議事録(R/D)を基に、送り出し機関への情報提供や教材の提供を行い、送り出し機関と監理団体との良好な関係構築をサポートしています。

技能実習生を受け入れる事業を計画する際、送り出し国の状況や適切な送り出し機関を選ぶための情報収集は極めて重要です。

JITCOは、適切な技能実習生の選抜と、送り出し機関との円滑な交渉を支援するために、大きく以下2点の情報提供サービスを行っています。

  1. 送り出し国の状況と特有の手続き・規則に関する情報提供
  2. 具体的な送り出し国や認定送り出し機関の情報提供

監理団体と送出し国・送出機関とのマッチング

技能実習の成果を高めるため、そして送り出し国と受け入れ国の相互理解を深めるため、日本国内や送り出し国で「ジョイントセミナー・説明会」を定期的に開催しています。

これらのイベントは、両国間の交流を促進し、技能実習生の経験を向上させる目的で企画されています。

さらに、送り出し国の状況を直接理解するために「海外視察」も適宜行っており、これにより受け入れ側が送り出し国の文化や労働環境を深く知ることができます。

送り出し機関に対する相談支援

送り出し機関に関しては、技能実習制度の趣旨や仕組み等の周知徹底を目的としたセミナー開催と教材資料等の作成・配布による支援を行っています。

教材は機関向けのものと外国人技能実習生向けのものを各種準備しており、それぞれ必要となる事項を中心にまとめられています。

例えば、技能実習生向けの内容としては電子機器組立てに関する技能実習において、毎日の標準的な作業の内容や手順、注意点などを1冊にまとめたもの等があります。

技能実習制度での注意事項

技能実習制度での注意事項

監理団体や送り出し機関を利用する際、注意が必要な事項について3点解説を行います。

キックバックの受領は禁止

技能実習法第28条に基づき、監理団体が送り出し機関などの関係者から監理費以外の金銭を受け取った場合、法律違反となり罰則が課されます。

具体的には、監理団体の許可が取り消される可能性があり、6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金に処されます。

この規定は、技能実習制度の透明性と公正性を保持するために設けられています。

ブローカーの活動は違反

許可を得ずに監理事業を行った際の対応についてパブリックコメントによる見解が示されています。

「ブローカーの定義にもよりますが、許可を受けずに監理事業(実習実施者等と技能実習生等との間における雇用関係の成立のあっせん及び実習実施者に対する実習実施に関する監理を行う事業)を行った場合は、無許可監理事業の実施にあたり、法律上指導監督の対象となる」という内容です。

違反行為となるため注意しましょう。

技能実習生のサインが必要な申請書

技能実習生が署名する必要がある申請書類には、その文書を技能実習生の母国語で併記することが主務省令第68条で定められています

これは、技能実習生が自らの権利と義務を完全に理解できるようにするための措置です。

外国人技能実習機構(OTIT)の公式ウェブサイトには申請書等一覧のページがあり、母国語併記の書類も掲載され、ダウンロードすることが出来ます(中国・タガログ・インドネシア・タイ・英・ミャンマー・ベトナム・カンボジア・モンゴルの言語に対応し、日本での生活に役立つ各種パンフレットもあります)。

監理団体は、送り出し機関に対してこれらの書類を利用するように指導することが推奨されます。

これにより、技能実習生が関連する情報を正しく理解し、適切に行動することができるのです。

外国人技能実習機構(OTIT)のウェブサイト:外国人技能実習機構

まとめ: JITCOを活用して外国人労働者の雇用に役立てよう!

まとめ: JITCOを活用して外国人労働者の雇用に役立てよう!

本記事では、JITCOの重要な役割と支援内容について詳しく解説しました。

以下のポイントを理解することで、技能実習生や特定技能外国人の受け入れがよりスムーズに進むでしょう。

  1. JITCOの基本情報:技能実習や特定技能制度の総合支援を行う機関。
  2. JITCOの主な支援サービス内容:情報提供、マッチング支援、個別相談、養成講習など。

これらの知識を活用して、外国人労働者の効率的な雇用を実現しましょう。

JITCOの提供する多岐にわたる支援サービスを最大限に利用することで、技能実習制度の遵守だけでなく、実習生や労働者の生活とキャリアの質を向上させることが可能になることでしょう。

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この記事を書いた人

三木 雅史(Masafumi Miki) 株式会社E-MAN会長
1973年兵庫県たつの市生まれ / 慶応義塾大学法学部法学科卒
・25歳で起業 / デジタルガレージ / 電通の孫請でシステム開発
・web通販事業を手掛ける
・2006年にオンライン英会話を日本で初めて事業化
・2019年外国人の日本語教育を簡単、安価にするため
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