日本語の読解力を伸ばすためには、適切な教材の選択が重要です。
学校に通って勉強する場合は、教師が教材を選ぶので問題ありませんが、独学の場合は学習者が自ら選択しなければならず大変ですよね。
そこで、この記事では、初心者から上級者までが利用できる、日本語読解教材を探す際のポイントとおすすめの教材を紹介します。
効果的な学習方法や選び方のコツを知りたい外国人学習者に役立つ情報をお届けするので、ぜひ参考にしてください。
日本語の読解教材の選び方
日本語読解の学習を始めるにあたって、まず必要なのは教材選びです。
自分のレベルに合った教材を選ぶ
教材を選ぶときに大切なことは、自分の日本語レベルに合った教材を選ぶことです。
自分のレベルより高すぎる教材を選んでしまうと、知らない単語や漢字がたくさん出てくるため、難しすぎて読むのが嫌になってしまいます。
ほとんどの読解教材には、初級用・中級用・上級用など、どのレベルの学習者向けかが表示されていますので、自分のレベルに合わせて選びましょう。
学習の目的にあわせて選ぶ
読解教材を選ぶ際には、学習の目的にあわせて選ぶことも重要です。
日本語を学ぶ目的は人によって異なります。
日本語能力試験の受験のために学習する人もいれば、日本で暮らすために読解スキルを伸ばしたい人、趣味で日本語を勉強している人などさまざまです。
自身の学習の目的にあわせて、適切な教材を選択しましょう。
日本語能力試験の試験対策
試験対策用の教材は、試験の合格に必要なスキルを効率的に身につけられるのが特徴です。
試験に出題される語彙や表現、文章や設問のパターンを研究して作られているため、無駄のない試験対策が可能です。
日本語能力試験のN4レベルの読解問題では、以下のような問題が出題されます。
日本語カフェなら、実際の試験問題と同じような読解問題がたくさんあります。
また、模擬試験も用意されているため、読解力の向上を実感でき、学習のモチベーションも保ちやすくなります。
オンラインで受講できるので、通勤途中や空き時間など、時間や場所を選ばず気軽に受講できるのも嬉しいポイントです。
無料体験もできるので、気になった方はぜひ試してみてください。
【レベル別】ストーリーを楽しむ教材・試験対策用の教材をそれぞれ紹介
ここでは、日本語の読解学習に人気のおすすめ教材を紹介していきます。
ストーリーを楽しむ教材と試験対策用の教材を、初級・中級・上級に分けて見ていきましょう。
ストーリーを楽しむ教材:日本語の読解学習に人気
【初心者向け】レベル別日本語多読ライブラリー にほんごよむよむ文庫
『レベル別日本語多読ライブラリー にほんごよむよむ文庫』は、日本語の勉強を始めたばかりの人でも楽しめる、多読用の教材です。
昔ばなしや小説など、多様な読み物が掲載されており、飽きることなく多読が楽しめます。
語彙や文法はレベル別にコントロールされ、漢字にはふりがながついているので、辞書を引かずに読み進められるのが魅力です。
音声CD付きのため、読解とともに聴解やシャドーイング用の教材としても役立ちます。
【中級者向け】どんどん読める!日本語ショートストーリーズ
『どんどん読める!日本語ショートストーリーズ』は、日本語能力検定N3レベル相当の学習者用で、vol.1〜3まである人気のシリーズです。
世界中で愛されているストーリーが、日本語教育用にリライトされています。
「教科書以外の文章を読みたいけれど、読める本が見つからない」「自分のレベルで読めるのは子供向けの本ばかりでつまらない」という悩みを解消してくれるでしょう。
難解な語彙や表現には、英語・中国語・ベトナム語・ポルトガル語の語注がついています。
【上級者向け】日本語学習者のための 読解厳選テーマ10【上級】
『日本語学習者のための 読解厳選テーマ10【上級】』は、読むことを通じ、日本社会に関する知識を得て、自分なりの考えを持つことを目標とした教材です。
1つのテーマに対し、2つの読み物とコラムを掲載することで、複数の視点から物事を見つめられます。
読解力とともに、考える力が養われるので、日本の大学や大学院を目指す人におすすめです。
別冊で英語・中国語・ベトナム語の語彙リストが付いていており、学習に役立ちます。
日本語能力試験の試験対策におすすめの教材
【初心者向け】試験対策ができる教材
JLPT読解N5 ポイント&プラクティス
N5レベルの読解力を養成するための教材です。
全12回の問題パートでは、文章タイプごとに注意すべきポイントを確認し、読解問題を解く際の考え方を学びます。
各問題の解説には、正答の根拠の記載箇所が確認できる本文の図解があり、正答の導き方をしっかりと押さえることができます。
日本語能力試験問題集 N4読解スピードマスター
読解問題は初級者でも取り組みやすい構成で、簡単な問題から始め、徐々に本格的な問題に挑戦できるように工夫されています。
練習問題に加えて、模擬試験形式の問題も収録されており、本番と同じ感覚で練習が可能です。
読解のスピードと理解度を同時に向上させることが目的で、試験対策に効果的です。
【中級者向け】試験対策ができる教材
新完全マスター読解 日本語能力試験N2
N2レベルの読解力養成に特化した問題集です。
「対比」「言い換え」「比喩」「疑問提示文」などの読み取りポイントを押さえて、文章全体を理解する練習ができます。
多様な文章を取り上げており、あらゆる出題形式に対応できる内容となっています。
日本語能力試験問題集 N3読解スピードマスター
N3レベルに特化した読解問題集で、文法や語彙の知識を活かしながら、文章全体の意味を正確に把握する練習ができます。
各章は異なるテーマの読解問題を扱い、幅広い内容に対応できるよう工夫されています。
【中級者向け】試験対策ができる教材
日本語総まとめ N1 読解
『日本語総まとめ N1 読解』は、日本語能力試験のTopレベルであるN1合格を目指す人のための教材です。
実際の試験の出題方式にあわせ、「統合理解」や「情報検索」といった問題もカバーされています。
1日分が見開き2ページという構成で学習しやすく、1冊を6~8週間で終えられるので、短期間での合格を目指す学習者におすすめです。
同じシリーズで、N2やN3レベルの読解教材も出版されています。
読解学習の効果を高めるコツ
読解の学習は、やり方次第で大きな成果が出ます。
ここからは、読解学習の効果を高めるコツを5つご紹介するので、できることから実践してみましょう。
毎日読む
短い文章でいいので、毎日読む練習を続けると効果的です。
コツコツ続けることで、読解力が上がり、読むスピードも速くなります。
仕事が忙しいなどの事情で時間を確保するのが難しい場合は、1日1ページだけでもいいので、毎日読む習慣をつけてみましょう。
辞書を引かずに読む
読解をしていて知らない単語があった時は、その単語の意味を文脈から推測しながら読むようにしましょう。
分からない単語があるたびに毎回辞書で意味を探すと、読むのに時間がかかり、ストレスになります。
また、試験の時には辞書は使えないので、普段から分からない単語を推測しながら読む力を鍛えておくことが重要です。
さまざまなジャンルの文章を読む
日本語の文章には、新聞記事やエッセイ、小説など、いろいろなジャンルがあり、それぞれ書き方や使用される表現が異なります。
たとえば、新聞記事には、難しい単語や表現がたくさん出てきますが、エッセイならば簡単なことばで書かれていることが多いです。
そのため、いろいろなジャンルの文章を読むと、豊富な語彙力が身に付きます。
音読する
読解した文章を、声に出して読んでみましょう。
一度理解した文章を繰り返し音読することで、文中のことばや表現が自然と覚えられます。
また、CDなどで音声を聴き、それを真似して音読すると、正しい発音も身につけられるでしょう。
読んだ後に作文を書く
読解教材を読んだ後は、日本語で作文を書く練習をしてみましょう。
読んだ文章のテーマや内容に関して、何を感じたか、どんなことを考えたかを自分の言葉にしてアウトプットする練習です。
これを行うことで、読んだ文章に出てきた語彙や表現を使う練習ができ、またテーマに関連する単語を調べることで、語彙力を高められます。
まとめ
日本語読解教材を選ぶ際には、自分の目的や学習レベルに合ったものを選ぶことが大切です。
多読用や試験対策などさまざまな教材があるので、検索してみると良いでしょう。
目的に応じた教材を厳選し、定期的に進捗を確認しながら学習を続けましょう。