MENU

介護福祉士の勉強を企業で支援するには?外国人スタッフの合格率を高める方法

介護 福祉士 勉強

外国人スタッフに介護福祉士の資格を取ってほしいと思っても、「何から始めればいいのか分からない」「現場に負担をかけたくない」「本当に合格できるのか不安…」と悩む企業も少なくありません。

この記事では、企業主導で行う介護福祉士資格取得支援の進め方や、そのメリットについて分かりやすくご紹介します。人材の定着やモチベーションアップはもちろん、長期的な収益改善につながる可能性もあります。

限られた予算の中で効果を最大化するために、どんな支援が必要か、どんな外部サービスを選べば失敗しないかなど、貴社に最適な支援の形を見つけるヒントをお届けします。

目次

なぜ企業による資格取得支援が必要?3つのメリット

車椅子を押す介護士

介護業界では慢性的な人手不足が続く中、外国人人材の活用が急速に進んでいます。しかし、採用した外国人スタッフの定着率の低さや、サービスの質の向上に課題を抱える事業者も少なくありません。

そんな中、注目されているのが企業による介護福祉士資格取得の支援です。一見コストがかかる投資のように見えますが、実際には経営面で大きなメリットをもたらします。

メリット①:人材定着率の向上

介護福祉士の資格取得を支援することで、スタッフに明確なキャリアパスを示すことができます。介護福祉士の資格があれば在留資格「介護」への変更が可能となり、日本での長期就労の道筋が見えてきます。これにより、スタッフは「この会社で長く働いていける」という安心感を得ることができます。

また、企業が時間とコストをかけて資格取得を支援することで、「大切にされている」「投資してもらっている」と受け止めてもらえます。

実際に資格取得支援を行っている施設では、外国人スタッフの離職率が大幅に改善されているという報告が多数あります。採用コストは年々上昇している中、既存スタッフの定着率向上は経営面でも非常に重要になっています。

メリット②:介護サービスの質向上と利用者の満足度アップ

介護福祉士の勉強を通じて、スタッフは体系的な介護知識と技術を身につけることができます。これまで経験に頼っていた介護技術が、理論に基づいた確実な技術へと変化します。認知症ケア、移乗介助、コミュニケーション技法など、専門的な知識を習得することで、より安全で質の高いケアが提供できるようになります。

さらに、知識の豊富なスタッフが増えることで、チーム全体のケアの質が底上げされる効果も期待できます。外国人スタッフが日本人スタッフに専門知識を共有したり、逆に日本人スタッフから実践的なアドバイスを受けたりと、相互学習の環境が生まれます

利用者やその家族にとっても、資格を持ったプロフェッショナルからサービスを受けているという安心感は大きく、満足度の向上につながります。口コミや評判がよくなることにより、新規利用者の獲得にも繋がる可能性があります。

メリット③:介護報酬加算による収益改善

介護福祉士の配置により、様々な介護報酬加算を算定することが可能になります。代表的なものとして「介護福祉士配置等加算」があり、介護福祉士の配置率に応じて基本報酬に一定の加算が行われます。

このような加算は、資格取得支援にかかるコストを中長期的に上回るリターンにつながる可能性があり、安定した施設運営と人材育成の両面で有効な施策といえます

また、採用市場においても介護福祉士の有資格者は需要が高く、採用コストの削減効果もあります。既存スタッフが資格を取得することで、新たな採用の必要性が減り、採用・研修にかかるコストと時間を大幅に削減することができるのです。

企業が直面する「支援の壁」とは?

勉強時間が取れずに悩んでいる外国人

介護福祉士の資格取得支援が経営にメリットをもたらすことは理解していても、実際に支援を始めようとすると様々な壁にぶつかってしまうのが現実です。多くの事業者が「やりたいけれど、どうすればいいかわからない」という状況に陥っています。ここでは、企業が直面する代表的な3つの課題について詳しく見ていきましょう。

課題①:何から教えればいい?「教育ノウハウの壁」

最も多く聞かれるのが「どこから手をつければいいかわからない」という声です。介護福祉士国家試験は11科目にわたる膨大な範囲をカバーしており、現場の管理者や先輩職員が教えるには専門的すぎる内容も含まれています。

特に外国人スタッフの場合、日本人向けの一般的な教え方では効果的な学習が困難です。専門用語の理解、文章問題の読解、日本の社会保障制度の複雑な仕組みなど、言語の壁と知識の壁が同時に存在するためです。

現場のスタッフが善意で教えようとしても、「なぜ理解してもらえないのか」「どう説明すれば伝わるのか」という悩みを抱えてしまうケースが多く見られます。

また、教える側の負担も深刻な問題です。ただでさえ忙しい現場で、勤務時間外に個別指導を行うのは現実的ではありません。教える側のスキルや知識にもばらつきがあり、体系的で効率的な指導を継続することは非常に困難と言えるでしょう。

課題②:勤務シフトとの両立は?「学習時間の壁」

介護の現場は24時間365日のサービス提供が基本であり、スタッフの勤務シフトも早番・日勤・遅番・夜勤と多様です。全員が同じ時間に研修を受けることは物理的に不可能に近く、個別の学習時間を確保することも容易ではありません。

企業側としても、研修のためにシフトを調整すれば人員不足が発生し、サービス提供に支障をきたす可能性があります。かといって勤務時間外の学習を個人任せにしてしまうと、なかなか進まないのが現実です。この「時間の確保」という根本的な問題が、多くの事業者を悩ませています

課題③:本人のやる気任せで大丈夫?「モチベーションの壁」

介護福祉士国家試験の合格率は約70%と決して低くはありませんが、それでも約3割の受験者が不合格となっています。特に外国人の場合、言語のハンディキャップもあり、十分な対策なしに合格することは困難です

独学で勉強を進める場合、わからない問題につまずいたときに質問できる相手がいないことが大きな問題となります。モチベーションを維持することも難しく、途中で諦めてしまうケースも少なくありません。

さらに深刻なのは、企業が「資格取得は個人の問題」として放置してしまった場合の影響です。スタッフは「会社は口では支援すると言うが、実際には何もしてくれない」と感じ、不信感や不満を抱いてしまいます。

企業としては支援したい気持ちがあっても、具体的な方法やノウハウがないために、結果的にスタッフを孤独な学習に追い込んでしまっているという現実があります。

失敗しない!受験対策ができる外部サービスの選び方

スマホを使って試験勉強をしている外国人

企業が直面する様々な課題を解決する有効な手段として、外部の研修サービスを活用することが注目されています。しかし、一口に研修サービスといっても、その内容や質は千差万別です。投資に見合った効果を得るためには、押さえておくべき重要なポイントがあります。

ここでは、外部研修サービスを選ぶ際の3つのチェックポイントを詳しく解説します。

POINT1:「外国人教育」への専門性と実績があるか?

単なる介護福祉士対策講座と、外国人向けの介護福祉士対策講座は全く別物です。外国人スタッフが抱える言語の壁や文化的背景を理解し、それに対応した教育ノウハウを持っているかどうかが最も重要な判断基準となります。

まず確認すべきは、講師陣の経験と専門性です。介護の知識だけでなく、外国人への日本語教育や多文化理解の経験を持つ講師が在籍しているかをチェックしましょう。また、教材についても、外国人学習者に配慮した工夫がなされているかが重要です。

実績面では、過去に外国人受講者をどの程度指導し、どのような合格率を達成しているかを具体的な数値で確認することをおすすめします。

さらに、文化的な配慮ができているかも見逃せないポイントです。学習スタイルや時間の使い方、質問の仕方など、国や地域によって異なる学習文化を理解し、それに合わせた指導ができるサービスを選ぶことが成功の鍵となります。

POINT2:「学習しやすいシステム」になっているか?

学習システムの利便性と柔軟性も必ずチェックしましょう。最も重要なのは、スタッフがいつでもどこでも学習できる環境が整っているかです

スマートフォンやタブレットで学習できるシステムであれば、通勤時間や休憩時間などのスキマ時間を有効活用できます。また、動画講義の再生速度調整機能や、一時停止・巻き戻し機能など、個人のペースに合わせた学習ができる機能も重要です。

POINT3:企業側の「管理コスト」を削減できるか?

研修サービスを導入しても、企業側の管理業務が増えてしまっては意味がありません。むしろ管理コストを削減し、人事担当者がより戦略的な業務に集中できる環境を作ることが重要です

最も重要な機能は、受講者の学習進捗を一元管理できるダッシュボードです。どのスタッフがどの科目をどこまで学習しているか、模擬試験の得点はどの程度か、といった情報をリアルタイムで把握できるシステムが理想的です。これにより、適切なタイミングでの声かけやサポートが可能になります。

サポート体制の充実度も重要な判断材料です。システムの使い方や学習方法について、スタッフから質問があった際に、企業の担当者が対応するのではなく、サービス提供会社が直接サポートしてくれるかを確認しましょう。

日本語カフェの「介護福祉士 受験対策 集中講座」とは?

介護福祉士合格講座

「試験まで時間がない、仕事と勉強の両立が難しい、日本語にも不安がある…」

そんな外国人介護士の悩みに応えるために、4ヶ月で介護福祉士試験合格を目指す集中講座を開講します。

この講座では、介護福祉士の資格を持つ講師によるきめ細かいサポートのもと、試験の合格に必要な内容を動画と演習で効率的に学べます

主な特徴は以下の通りです。

  • 知識豊富な講師が重点項目を効率的に指導し、疑問点もその場で解決できる
  • 模擬試験と過去問が充実しており、時間配分や解き方のコツを習得しながら本番を徹底シミュレーション。時間配分や解き方のコツを学べる。
  • 講座期間中は、日本語カフェのJLPTコースと介護福祉士コースが使い放題。日本語力の向上と資格対策を同時進行できます。
  • 講義動画、演習問題、模擬試験がすべて、スマホで完結するeラーニングシステム。24時間いつでもどこでも学習できるので、通勤や休憩時間も有効活用できます。

講師と二人三脚で進める安心の体制で、仲間がいなくても継続しやすい環境が整っています。働きながらでも、介護福祉士資格の取得を目指せる実践的な講座です。

講座の詳細について無料でご相談を承っております。お気軽にお問い合わせください。

\ 無料相談はこちらから /

介護福祉士に合格した人の学習方法の例を紹介

高齢者の座った車いすを押している介護士

ここでは、介護福祉士に合格した人の学習方法の事例をご紹介します。

トリアナさんの勉強法と合格への道のり

インドネシア出身の介護スタッフ、トリアナ・ラフマワティさんは、介護技能実習生として来日しました。日本語に不安を抱えながらのスタートでしたが、現場の業務を通じて少しずつ語彙や会話力を身につけ、やがて介護福祉士国家試験への挑戦を決意しました。

国家試験に向けては、まず日本語能力試験のN2レベルを目安に語学の勉強を進め、日本語の基礎力を高めることから始めました。そのうえで、実務経験を重ねながら市販のテキストを使った独学にも取り組み、特に過去問を何度も解いて出題傾向に慣れるという方法を重視して学習を続けました。介護保険制度や社会の仕組みといった内容は特に難しく感じたそうですが、ノートにまとめ、繰り返し読み返しながら知識を定着させていきました。

こうした学習の過程では、施設側の支援も大きな力になりました。実務者研修の受講にあたっては、施設が早い段階で手続きのサポートをしてくれ、スムーズに受講できるように配慮されていました。また、国家試験の申し込みや関連書類の準備についても、上司や同僚が丁寧に助けてくれたため、初めての受験にも安心して臨むことができました。

日々の業務で忙しい中でも、「毎日少しでもいいから続けること」を意識して学びを継続し、わからない言葉や制度はその都度日本人スタッフに尋ねて理解を深めていきました。周囲の職員たちも、トリアナさんの努力をあたたかく見守り、励ましの言葉をかけながら応援していました。

このように、語学力の向上、過去問を中心とした反復学習、そして現場での実践と支援体制が合わさったことで、トリアナさんは介護福祉士国家試験に合格。今では有資格者として現場で信頼される存在となり、後輩の外国人スタッフにも積極的に学び方のアドバイスを送っています。

出典:【専門性の高い介護職員へ】法人で初めて外国人職員が介護福祉士国家試験に合格した徳島県のケース|国際厚生事業団

N1合格、そして国家試験へ。プトリさんの学習方法

インドネシア出身の介護スタッフ、プトリ・ウリヤさんは、来日当初から「日本語をもっと話せるようになりたい」という思いを持って介護の仕事を選びました。実際の業務では、利用者や日本人職員とのやり取りを通じて、日本語で話す・聞く力を少しずつ伸ばしていきました。

来日して2年目、プトリさんは日本語能力試験N2に合格し、その半年後にはN1にも挑戦して見事合格を果たしました。高い語学力を身につけたことで、介護福祉士の国家試験にも関心が高まり、今度は介護分野の勉強に本格的に取り組むようになります。

介護に関する専門用語や制度、漢字の読み方、過去の出題傾向などを丁寧に読み込みました。特に「社会の理解」や「介護保険制度」といった分野では、単に言葉を覚えるだけでなく、その背景にある仕組みを理解することが求められたため、時間をかけて何度も読み返しながら学習しました。

また、勉強の中で分からないことが出てきたときには、日本人職員に質問し、その回答をメモして整理し直すことで、自分なりに理解を深める工夫もしていました。常に「分かったふりをしない」ことを意識し、質問することをためらわず、自分の言葉で説明できるようになるまで学び続けました。

こうした取り組みを通じて、プトリさんは介護福祉士試験に合格し、現在は資格を持つ職員として現場で活躍しています。語学の壁や制度理解の難しさに直面しながらも、仕事と勉強を両立させ、自らの努力で乗り越えてきた彼女の姿は、同じ道を目指す外国人スタッフにとって大きな励みとなっています。

出典:【地域のモデルケースへ】2023年1月の第35回介護福祉士国家試験で2名が合格!茨城県のケース|国際厚生事業団

企業の支援で介護福祉士資格取得を実現しよう

介護福祉士の試験に合格しかんきしている外国人

介護福祉士は国家資格として、外国人スタッフが日本で長く働くための重要なステップとなっています。難易度の高い国家試験に挑むためには、形式に慣れ、出題傾向を把握するなど、しっかりとした準備が必要です。毎年更新される試験の特徴や合格基準を理解し、重点的に取り組むべき項目を押さえておくことが合格への近道となります。

また、学習を継続するには、無理のないスケジュールで進められるオンライン講座など、学習しやすい環境を整えることが重要です。自分の生活や体調に合わせて学習時間を確保し、通学の負担なく学べる仕組みは、多忙な介護現場で働く外国人スタッフにとって勉強しやすい学習方法です。1日1時間の積み重ねでも、実力は着実に身についていきます。

企業としては、スタッフが安心して学べる体制を整えることが求められます。教育ノウハウや学習管理の負担を外部の専門スクールに委ねることで、現場に負担をかけることなく合格までサポートすることが可能になります。

介護福祉士の合格は本人だけでなく、職場全体のモチベーション向上やサービスの質の底上げ、そして報酬加算による経営改善にもつながります。外国人スタッフにとっても、転職や将来の選択肢を広げる大きな一歩になります。

費用面や時間のやりくりといった課題もありますが、外部サービスを上手に活用すれば、企業にとってもスタッフにとっても良い結果を生み出すことができます。それぞれの状況に応じた最適な学習ルートを見つけ、合格を目指す取り組みをぜひ始めてみてください。

\ 無料相談はこちらから /

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

三木 雅史(Masafumi Miki) 株式会社E-MAN会長
1973年兵庫県たつの市生まれ / 慶応義塾大学法学部法学科卒
・25歳で起業 / デジタルガレージ / 電通の孫請でシステム開発
・web通販事業を手掛ける
・2006年にオンライン英会話を日本で初めて事業化
・2019年外国人の日本語教育を簡単、安価にするため
 日本語eラーニングシステムを開発、1万人超の外国人が日々学習中

日本語教育でお困りの方に役立つ資料をこちらからダウンロード下さい。

無料トライアルで実際のシステムをお試し頂く事も可能です。

日本語カフェが分かる資料3点セットを
ご案内します

実際に日本語カフェの機能が
どのようなものか、お試し下さい

目次