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外国人介護職員の定着は「介護福祉士」で決まる!受け入れ制度の違いと合格支援のポイント

外国人 介護職

介護業界では、深刻な人手不足が長年の課題となっています。その解決策として、今や外国人材の存在は欠かせません。多くの介護施設で、技能実習や特定技能制度を活用し、熱心に仕事に取り組む外国人職員が活躍しています。

しかし、同時に多くの施設長や採用担当者の方が、共通の悩みを抱えているのではないでしょうか。それは、「せっかく採用し、仕事を覚えて戦力になってくれた優秀な外国人職員が、在留期間の制限によって数年で帰国してしまう」という問題です。

その悩みを解決し、外国人介護職員に長く定着してもらうための最も有効な方法は、国家資格である「介護福祉士」の取得を支援し、永続的に日本で働ける在留資格へ切り替えることです。

この記事では、外国人材の受け入れ制度の基本から、なぜ介護福祉士資格が重要なのか、そして施設として具体的に何をすべきを詳しく解説します

目次

まずは現状を理解!外国人介護人材を受け入れる4つの在留資格

介護施設の外を見る介護士とシニア

外国人介護職員の受け入れを考える上で、まず理解すべきなのが在留資格の制度です。それぞれに目的やルールが異なり、施設の状況によって最適な選択肢は変わります。

ここでは、介護分野で活用される代表的な4つの在留資格について、その違いを比較してみましょう。

スクロールできます
項目特定技能1号技能実習在留資格「介護」EPA(経済連携協定)
在留期間
(最長)
通算5年最長5年更新の上限なし4年
(介護福祉士合格後は「介護」へ移行)
業務内容の制限あり
(身体介護、支援業務等)
あり(技能移転計画に基づく業務)なしあり
(介護業務全般)
転職の可否同一分野内で可能原則不可可能原則不可
介護福祉士の受験資格あり
(実務経験ルート)
あり
(実務経験ルート)
あり
(EPAルート)
家族帯同の可否不可不可可能不可

この表からもわかるように、「特定技能」や「技能実習」は最長5年という期限がありますが、「在留資格『介護』」には更新の上限がありません。

つまり、介護福祉士の国家資格を取得することこそが、外国人職員が腰を据えて長く日本で働き続けるためのパスポートになるのです

それぞれの制度は、人材不足の解消や国際貢献という目的を持っていますが、施設の長期的な安定運営を考えるなら、「在留資格『介護』」への移行を見据えた人材育成が極めて重要となります。

なぜ続かない?外国人材の受け入れで施設が直面する「定着の壁」

目の前に立ちはだかる壁の前に立つビジネスマン

多くの施設が熱意をもって外国人材を受け入れていますが、残念ながら全員が長く定着してくれるわけではありません。そこには、多くの施設が共通して直面する「壁」が存在します。

① 制度の壁:在留期間の制限

特定技能や技能実習といった在留資格は、人手不足解消に大きく貢献する一方で、「最長5年」という在留期間の上限があります

どんなに優秀で、職場に不可欠な存在になったとしても、制度上、帰国せざるを得ないケースが出てきます。これは、本人にとっても施設にとっても非常につらい現実です。

② モチベーションの壁:キャリアパスの不在

「この職場で働き続けても、自分の将来はどうなるのだろう?」という不安は、働く上での意欲を大きく左右します。

明確なキャリアパスや目標が見えないままだと、日々の業務へのモチベーションを維持することが難しくなり、より良い条件を求めての転職や、帰国を考えるきっかけになってしまいます

③ コミュニケーションの壁:言語と文化の違い

日々の業務における言葉の壁はもちろん、文化や価値観の違いからくる孤独感も、離職の大きな原因となり得ます。

悩みを相談できる相手がおらず、職場で孤立してしまうと、日本で働き続ける意欲そのものが失われてしまうのです

「介護福祉士」の資格取得を支援する3つの大きなメリット

本に囲まれてサムズアップをしている外国人女性

施設にとって、職員の資格取得を支援することは、時間や費用の面で負担に感じるかもしれません。しかし、それは単なるコストではなく、施設の未来を創るための重要な「投資」です。

ここでは、外国人職員の介護福祉士取得を支援することで得られる、3つの大きなメリットを解説します。

メリット1:永続的な雇用が可能になり、人材不足が解消される

最大のメリットは、やはり人材の安定確保です。在留期間が最長5年と定められている特定技能職員の場合、5年後には帰国を考えなければなりません。

しかし、介護福祉士の資格を取得し、在留資格「介護」へ変更すれば、在留期間の更新に上限がなくなります。これにより、施設は腰を据えた人員計画を立てることができ、常に採用活動に追われる状況から脱却し、慢性的な人手不足の解消へと繋がります。

メリット2:職員の専門性が高まり、介護サービスの質が向上する

介護福祉士は、介護分野における唯一の国家資格です。その取得過程では、介護に関する体系的な知識や高度な技術を学ぶことになります。

資格を持つ職員が増えることは、職員個人のスキルアップに留まりません。彼らが持つ専門的な知識や視点が、施設全体のサービス品質を底上げし、他の日本人職員にとっても良い刺激となります

結果として、利用者様へのサービスの質が向上し、施設全体の評価にも繋がるでしょう。

メリット3:長期的な採用・教育コストを大幅に削減できる

新たな人材を採用し、一人前の介護職員に育てるまでには、募集広告費や紹介手数料、そして現場での教育に多くの時間とコストがかかります。

数年で人材が入れ替わるサイクルを繰り返すよりも、今いる優秀な職員に投資し、長く働いてもらう方が、長期的な視点で見れば遥かに効率的です

定着率が向上すれば、採用と教育の繰り返しにかかっていたコストを削減でき、その分を職員の待遇改善や新たな設備投資に回すことも可能になります。

介護福祉士になるには?実務経験ルートの3ステップ

黒板に書かれた人のイラストが階段を登っていく様子

それでは、特定技能や技能実習で働く外国人職員が、介護福祉士になるにはどうすればよいのでしょうか。最も一般的な「実務経験ルート」では、大きく分けて以下の3つのステップをクリアする必要があります。

STEP

3年以上の実務経験を積む

まず、介護等の業務に3年以上(在職期間1,095日以上、かつ従事日数540日以上)従事することが必要です。

特定技能1号や技能実習生として介護現場で働いた経験は、この実務経験に含まれます。日々の業務そのものが、国家資格への第一歩となるのです。

STEP

実務者研修を修了する

実務経験の要件と並行して、「実務者研修」を修了しなければなりません。これは、より専門的な介護の知識と技術を学ぶための研修で、合計450時間のカリキュラムが組まれています

働きながらこの研修時間を確保するのは簡単ではありませんが、受験のためには必須のステップです。

STEP

介護福祉士国家試験に合格する

上記2つの受験資格を満たした上で、年に一度実施される「介護福祉士国家試験」に合格する必要があります

試験は毎年1月下旬に筆記試験が行われ、これに合格することで介護福祉士となる資格が得られます(実務者研修修了者は実技試験が免除されます)。

近年の全体の合格率は80%前後と比較的高く見えますが、試験はすべて日本語で行われるため、特に外国人受験者にとっては決して簡単なものではありません。

この3つのステップをすべてクリアして初めて、介護福祉士として登録し、在留資格「介護」への道が開かれるのです。

資格取得を成功させる3つの支援ポイント

試験合格のための社内支援をイメージした円陣

外国人職員が自力だけで介護福祉士に合格するのは、極めて困難です。本人の努力はもちろんですが、受け入れ施設側の計画的で手厚いサポートが合格の確率を大きく左右します。

ここでは、施設として取り組むべき3つの支援ポイントをご紹介します。

ポイント1:日本語学習のサポート体制を構築する

介護福祉士試験の最大の壁は、介護の専門知識以上に「日本語」です。

試験問題は、複雑な漢字や専門用語が多用された長文で構成されており、その内容を正確に読み解くには、日本語能力試験(JLPT)のN2レベルに相当する読解力が必要とされています。

日々のコミュニケーションが取れていても、試験問題を解く能力は別次元です。施設として、この日本語の壁を乗り越えるための学習支援をどう構築するかが、最も重要なポイントになります

ポイント2:実務者研修の受講を全面的にバックアップする

合計450時間にも及ぶ実務者研修は、受講費用も決して安くはありません。また、研修に参加するためには、勤務シフトの調整が不可欠です。

施設として、研修費用の一部を補助したり、資格取得支援制度を設けたりすることや、職員が気兼ねなく研修に参加できるようシフト作成で配慮するなど、全面的にバックアップする姿勢が本人の安心感とモチベーションに繋がります

ポイント3:合格後のキャリアパスを明確に示す

「なぜ、大変な思いをしてまで資格を取る必要があるのか」その答えを明確に示してあげることも重要です

資格取得後の給与(資格手当など)や役職、任せる仕事の範囲といったキャリアパスを事前に提示しましょう。

「合格すれば、このように評価され、活躍の場が広がる」という具体的な目標が見えることで、困難な勉強にも意欲的に取り組むことができるのです。

介護福祉士を目指すなら「日本語カフェ」のオンライン講座がおすすめ

日本語カフェの介護福祉士合格講座

ここまでお読みになり、「日本語学習の重要性はわかったが、施設内で専門的な日本語教育を行う時間もノウハウもない…」と感じられた方も多いのではないでしょうか。

そこでおすすめしたいのが、オンライン講座の活用です。介護福祉士合格への最短ルートは、まず日本語の基礎能力をJLPT N2レベルまで引き上げ、その上で介護福祉士試験に特化した専門知識を学ぶというステップです

「日本語カフェ」では、この2つのステップに完全対応したオンライン講座をご提供しています。

STEP

まずは日本語の基礎固め!「日本語カフェ JLPT合格コース」

企業の現場で日本語教育を行うのは多大なコストと手間がかかります。

日本語カフェの「JLPT合格コース」なら、厳しい審査をパスしたプロの日本語講師が監修した、合格に特化した動画カリキュラムが使い放題。スマホやPCがあればいつでもどこでも学習でき、職員一人ひとりの学習状況も管理画面で簡単に把握できます。

STEP

日本語の土台ができたら「日本語カフェ 介護福祉士 受験対策講座」

日本語能力の基礎が固まったら、次はいよいよ試験対策です。「介護福祉士 合格対策集中講座」は、仕事と勉強の両立に悩む外国人介護士のために開発されました。知識豊富な講師による動画講義や、豊富な過去問解説で、4ヶ月での短期合格を目指します。

さらに、この講座の期間中は「JLPTコース」も使い放題になるため、日本語に不安がある部分を復習しながら、安心して試験対策に取り組めます。

合格実績

このたび、当社支援機関を通じて学習を続けていた外国人介護職の方が、見事「介護福祉士国家試験」に合格されました!
外国人受験者にとっては言語の壁もあり、合格は決して簡単なものではありません。それでもこの方は、目標に向かってコツコツと努力を積み重ね、見事に合格を勝ち取りました!

当社支援の外国人介護職の方
■ 介護福祉士を目指した理由

「日本で安心して長く働き、家族を支えたい」という強い思いから、介護福祉士を目指しました。
資格を取れば、より安定した働き方ができ、将来的なキャリアアップにもつながると考えたからです。

■ 1日3時間、仕事と両立しながらの学習

勉強は約1年前からスタート。
本業の合間や休日も使いながら、毎日3時間以上コツコツと学習を積み重ねていきました。
特に役立ったのが、支援機関から紹介された「日本語と介護のビデオ教材」です。
スマホでいつでも見られるため、通勤時間や休憩時間も有効に使え、自分のペースで理解を深めることができました。
ビデオで全体の流れを理解した後に問題集を解き、間違いを丁寧に復習することで、確実に実力がついていくのを実感できました。

■ 教材だけでなく、現場からも学ぶ

教科書や試験対策アプリも活用しつつ、職場の先輩に積極的に質問し、現場での経験を通じて実践的な知識も習得していきました。
学習と仕事の両立は決して簡単ではありませんが、「自分を信じて、最後まであきらめないこと」が何より大切だったと振り返っています。

\ お問い合わせはお気軽に/

計画的な支援で、外国人人材と共に成長する施設を目指そう

高齢者と話すヘ介護士

今回は、外国人介護職員の定着率を上げるための鍵となる「介護福祉士」資格について解説しました。

この記事でお伝えしてきた要点を改めて整理しますと、外国人介護職員に長く活躍してもらうためには、「介護福祉士」の資格を取得してもらうことが最も確実な道筋となります。

そして、その合格の成否を分けるポイントは、JLPT N2レベルを目安とした計画的な日本語学習支援と受験対策です。もし施設内での教育体制を整えるのが難しいと感じられる場合でも、専門的なオンライン講座などを活用すれば、この重要な課題を効率的に解決することが可能です

外国人材の成長は、そのまま施設の成長に直結します。計画的な育成と支援を行うことで、彼らはかけがえのないパートナーとなり、施設の未来を共に支える存在となってくれるはずです。

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この記事を書いた人

三木 雅史(Masafumi Miki) 株式会社E-MAN会長
1973年兵庫県たつの市生まれ / 慶応義塾大学法学部法学科卒
・25歳で起業 / デジタルガレージ / 電通の孫請でシステム開発
・web通販事業を手掛ける
・2006年にオンライン英会話を日本で初めて事業化
・2019年外国人の日本語教育を簡単、安価にするため
 日本語eラーニングシステムを開発、1万人超の外国人が日々学習中

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