JFT-Basic(国際交流基金日本語基礎テスト)は、日本で働くことを希望する外国人のための日本語能力テストです。
特に特定技能1号の在留資格を申請する際に、日本語の基礎能力を証明する手段として活用されます。
本記事では、JFT-Basicの試験内容や出題形式、受験方法などについて詳しく解説します。
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JFT-Basicとは?
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JFT-Basicは国際交流基金日本語基礎テストのことで、主に日本で働く外国人が日常生活で必要な日本語能力を測定するテストです。
そのため、日本で働きたい外国人にとって重要な試験となっています。
以下のような人がJFT-Basicを受験するケースが多く見られます。
- 特定技能1号の在留資格を申請したい外国人
- 日本での就労を希望しているが、日本語能力試験(JLPT)を受験していない人
- 日本での生活や仕事に必要な日本語の基礎を証明したい人
JFT-Basicの試験問題の特徴
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試験は4つのセクションに分かれており、それぞれ異なる観点から日本語の理解力を評価します。
試験問題は約50問出題され、受験時間は60分となっています。
1. 文字と語彙(約12問)
このセクションでは、日常生活で使用される日本語の文字や語彙の理解度を測ります。
次のような項目が含まれます。
- 語の意味
-
日本語の単語の意味を理解できるかを問います。
- 語の用法
-
単語がどのように使われるかを問う問題が出題されます。
- 漢字の読み
-
漢字の読み方を問います。
- 漢字の意味と用法
-
漢字が持つ意味や、その使い方を正しく理解しているかを測ります。
「文字と語彙」サンプル問題
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2. 会話と表現(約12問)
このセクションでは、日常会話で必要な文法や表現が正しく使えるかを測定します。
主に以下のようなポイントが問われます。
- 文法
-
会話の文脈に適した正しい文法を選ぶ問題が出題されます。
- 表現
-
適切な表現ができるかを問う問題が含まれます。
例えば、場面に応じた適切な言葉遣いやフレーズを選択する形式の問題が出題されます。
「会話と表現」サンプル問題
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3. 聴解(約12問)
このセクションでは、会話や指示を聞いて、それを正しく理解できるかを測ります。
試験には以下のような内容が含まれます。
- 内容理解(社交的なやりとり)
-
日常生活の中でよくある会話を聞き、それを理解できるかを評価します。
- 内容理解(店や公共機関でのやりとり)
-
買い物や役所、交通機関などでのやり取りを聞き、正しく理解できるかを評価します。
- 内容理解(指示、アナウンス)
-
指示やアナウンス、音声メディアなどを聞き、その内容を正しく理解できるかを評価します。
「聴解」サンプル問題
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4. 読解(約12問)
このセクションでは、日常生活において必要な情報を文字で読み取り、理解できるかを評価します。
出題される問題は以下のようなものです。
- 内容理解
-
手紙やメッセージなどの短い文章を読んで、その内容を理解できるかを問います。
- 情報検索
-
看板や掲示、資料などを読み、必要な情報を見つけられるかを問います。
「読解」サンプル問題
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各セクションには解答制限時間が設けられていません。同じセクション内であれば、解答の見直しや再解答が可能です。
ただし、一度次のセクションへ進むと、前のセクションに戻って解答を変更することはできません。
また、聴解セクションでは、前後の問題に移動して見直しや再解答を行うことはできません。
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JFT-Basicにおける日本語レベルの基準
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JFT-Basicには細かいレベル区分はありませんが、試験内容はCEFR(ヨーロッパ言語共通参照枠)のレベルに基づいた問題で構成されています。
試験の得点が250点満点中200点以上なら、ある程度日常会話ができ、日本での生活に支障がないA2レベルと判断され、特定技能の申請に利用できます。
200点以上(A2レベル)の目安は?
JFT-Basicでは、A2レベルに達しているかどうかが重要な評価基準となります。
JFT-BasicでA2レベルの基準を満たすためには、日常生活や仕事に関する基本的な会話や情報交換ができるように準備することが重要です。
- ごく基本的な個人的情報や家族情報、買い物、近所、仕事など、直接的関係がある領域に関する、よく使われる文や表現が理解できる。
- 簡単で日常的な範囲なら、身近で日常の事柄についての情報交換に応ずることができる。
- 自分の背景や身の回りの状況や、直接的な必要性のある領域の事柄を簡単な言葉で説明できる。
JFT-Basicの申し込みと試験結果の確認方法
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JFT-Basicは、試験の予約から結果の確認までの流れを詳しく説明します。
JFT-Basicは、コンピュータベーステスト(CBT)方式で実施され、指定のテストセンターで受験します。
受験予約
受験予約は、オンラインで行います。
- 公式サイトで最新の試験日程と受験可能な国・地域を確認
- 受験申込サイトからアカウントを作成し、試験を予約
- 希望する試験会場と日時を選択し、受験料を支払う
受験方法は国や地域によって異なるため、公式サイトの情報を確認した上で、早めに予約しましょう。
試験結果の確認方法
JFT-Basicは、試験終了後すぐに結果を確認できるのが特徴です。
試験が終わると、画面にスコアが表示されるため、その場で自分の得点を確認できます。
受験後5営業日以内に、Webサイト上に判定結果通知書が発行されます。
必要に応じてダウンロードや印刷が可能です。
なお、200点以上のスコアを取得するとA2レベルと判定され、特定技能1号の在留資格申請に活用できます。
※試験結果の通知方法や認定の有効期間については、受験した国や地域によって異なることがあるため、事前に確認しておきましょう。
JFT-BasicとJLPTの違い
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日本語の能力を測る試験にはいくつかの種類がありますが、JFT-Basicと日本語能力試験(JLPT)は、目的や評価基準が異なります。
どちらの試験を受けるべきかを判断するために、それぞれの特徴を比較してみましょう。
JFT-BasicとJLPTの比較
項目 | JFT-Basic | JLPT |
---|---|---|
試験の目的の違い | 主に「特定技能1号」の在留資格取得を目的とした試験であり、日本で働く外国人が日常生活や職場で必要な日本語を使えるかどうかを評価します。 特に、基本的な会話や情報交換ができるかが重視されます。 | 日本語を学ぶ人の総合的な言語能力を評価する試験で、就職や進学、日本国内外のさまざまな場面での日本語力の証明として活用されます。 特定技能以外の在留資格申請や企業の採用基準として使われることもあります。 |
試験のレベルと評価基準 | 細かいレベル分けはなく、基礎的な日本語運用能力が求められます。 200点以上(250点満点)であれば、CEFR(ヨーロッパ言語共通参照枠)のA2レベルに相当すると判断され、特定技能1号の申請に利用できます。 | N5(初級)からN1(最上級)まで5つのレベルがあり、それぞれのレベルで異なる試験内容が出題されます。 JLPTはJFT-Basicよりも高いレベルの日本語能力を測ることができます。 |
試験形式の違い | コンピュータベーステスト(CBT)方式で行われ、試験後すぐにスコアを確認できます。 | 筆記試験の形式で行われます。試験は年2回実施され、結果が出るまでに時間がかかります。 |
JFT-BasicとJLPTどちらを受けるべき?
- 特定技能1号の在留資格を申請したい人
- 日本語能力試験(JLPT)を受けていないが、基礎的な日本語力を証明したい人
- できるだけ早く試験結果を知りたい人
- 日本の企業や学校で広く認知されている資格がほしい人
- 日本語の総合的な能力を評価したい人
- N3以上のレベルを取得し、就職や進学で有利になりたい人
JFT-Basicは、日本で働くために必要な基礎的な日本語能力を測る試験で、特定技能1号の在留資格申請に適しています。
一方、JLPTはより広範な目的で活用され、細かいレベル分けがあるため、自分の日本語力を段階的に証明することができます。
目的に応じて、どちらの試験を受験するかを選びましょう。
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JFT-Basicのまとめ
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JFT-Basicは、日本で働く外国人向けに、日本語の基礎的な運用能力を測る試験です。
試験は「文字と語彙」「会話と表現」「聴解」「読解」の4つのセクションに分かれ、60分間で約50問が出題されます。
200点以上(A2レベル)を取得すると、特定技能1号の在留資格申請に活用できます。
試験はオンラインで予約し、CBT方式で受験するため、試験終了後すぐに結果を確認できるのも特徴です。
日本での就労や生活を考えている人は、JFT-Basicを受験することで、必要な日本語能力を証明することができます。