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外国人介護士の日本語教育ガイド|介護福祉士合格に導く方法と支援のポイントを解説

外国人介護士 日本語教育

「外国人スタッフの日本語が、なかなか上達しない…」 「将来、介護福祉士として長く活躍してほしいが、どう教育すれば良いのだろうか?」

少子高齢化が進み、介護業界全体で深刻な人材不足が叫ばれる中、外国人介護士の活躍はもはや施設運営に不可欠な要素となっています。近年、外国人労働者の数は増加傾向にあり、多くの事業所がその受入れを進めています。

しかし、多くの施設で「言語の壁」という大きな課題に直面しているのではないでしょうか。この壁は、単なるコミュニケーションの問題に留まりません。ヒヤリハットの遠因になったり、スタッフが職場に馴染めず早期離職につながったりと、施設の安定運営を揺るがしかねない問題です。

では、どうすればこの壁を乗り越えられるのか。その答えは、計画的で体系的な日本語教育の実施にあります

この記事では、多くの介護施設を支援してきた専門家の視点から、介護現場で必要な日本語レベル、そして最終目標である介護福祉士国家試験の合格までを見据えた、具体的な教育ステップと支援のポイントをわかりやすく網羅的に解説します。

目次

外国人介護士への日本語教育はなぜ重要?3つの理由

紙に書かれたMPORTANTの文字にピンクの入ライターでハイライトを引いている

まず、なぜ日本語教育に時間と労力をかけるべきなのでしょうか。それは、教育への投資が施設の未来にとって何倍にもなって返ってくるからです。その重要な理由を3つ解説します。

1. 介護現場のコミュニケーション円滑化とサービスの質向上

介護の仕事は、利用者様との信頼関係が基礎となります。日本語能力の向上は、単なる介助を「心に寄り添うケア」へと深化させます

「傾聴」や「共感」といった専門的なケアを実践するには、利用者様の言葉の裏にある感情や背景を汲み取る繊細な日本語力が求められます。

また、チームケアの根幹をなす「介護記録」の質も日本語力に大きく左右されます。「誰が、いつ読んでも状況が正確にわかる記録」は、職員間の情報共有をスムーズにし、ケアの継続性を担保します。

日本語教育は、こうした日々の業務の質と安全性を着実に向上させます。

2. 介護福祉士の資格取得と長期的な人材確保

外国人材が日本で長く働く上で、大きな目標となるのが国家資格「介護福祉士」の取得です。この資格を取得することで、在留資格「介護」へ移行できます。

この資格の最大のメリットは、在留期間の更新に上限がなくなることで、本人にとって日本での仕事と生活の安定に繋がる強力な基盤となります

スタッフ側の視点に立つと、「日本語がわからない→仕事で失敗する→自信をなくし孤立する→辞めたい」という負のスパイラルに陥りがちです。

しかし、施設が日本語の学びの機会をサポートすることで、「日本語がわかる→仕事が楽しい→利用者や同僚に頼りにされる→この施設で長く働きたい」という正のスパイラルを生み出すことができます。

資格取得までの道筋を示すことは、優秀な人材の雇用を継続し、定着率を劇的に改善する最も効果的な施策の一つです。

3. 外国人材の受け入れ体制強化と施設の魅力向上

現代では、外国人材もSNSなどを通じてリアルな情報を交換しています。教育体制が整っているという評判は、海外の優秀な人材を惹きつける何よりの広告塔となります

さらに、外国人材の受け入れ体制を強化することは、既存の日本人職員の負担軽減にも繋がります。

外国人スタッフの日本語力が向上すれば、指導にかかる時間や精神的なストレスが減り、チーム全体の業務効率が向上し、職場全体の労働環境改善にも貢献するのです。

【在留資格・レベル別】介護現場で求められる日本語能力の目安

海を背景に吹き出しを手にしている笑顔の女性

スタッフの在留資格や目指すキャリアによって目標レベルは異なります。ここでは、各制度で求められる日本語能力の目安を紹介します。

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対象レベルJLPT目安求められる能力の具体例
技能実習生・特定技能1号N4~N3基本的な指示を理解できる。
介助に必要な基本的な介護用語を理解し、簡単な報連相ができる。
EPA介護福祉士候補者N3以上利用者や家族に安心感を与える会話ができる。
簡単な介護記録であれば、読み書きができる。
介護福祉士(国家資格)N2長文の試験問題を正確に読み解く読解力がある。
カンファレンスで他職種の意見を理解し、自分の意見を述べられる。

技能実習生・特定技能1号

JLPT N4〜N3レベル 

このレベルでは、まず現場での基本的な指示を正確に理解することが最優先です

「〇〇さんを食堂へ誘導してください」といった短い指示は理解できますが、「もし〇〇さんが食堂で食事を拒否したら、その理由を聞いて、私に報告してください」といった複雑な指示の理解は難しいかもしれません。

安全な介助に必要な基本的な介護語彙と、報告・連絡・相談で使う定型文の習得を目指します。

EPA(経済連携協定)介護福祉士候補者

JLPT N3レベル以上 

より専門的なコミュニケーションが求められます。利用者様やご家族との会話で、ただ話を聞くだけでなく、相手を安心させるような相槌を打ったり、簡単な質問を返したりする能力が必要です

介護記録もある程度読み解き、簡単な内容であれば自分で書けるレベルを目指します。

介護福祉士(国家資格)

JLPT N2レベル 

国家試験の合格には、JLPT N2レベルの日本語能力が事実上必須です。なぜなら、試験問題では、介護の専門知識だけでなく、長文で描写された事例の状況や登場人物の心情を正確に読み解く「読解力」が問われるからです

単語の意味がわかるだけでなく、文章全体の文脈や筆者の意図を正しく把握できなければ、正答にたどり着くことはできません。

介護カンファレンスで他の専門職の意見を理解し、自分の意見を論理的に述べるためにも、このレベルの日本語力は不可欠です。

失敗しない!外国人介護士向け日本語教育の4つの方法と課題

デスクの上に置かれたノートやペンなどの勉強道具

では、これらの日本語レベルを目指すために、具体的にどのような教育方法があるのでしょうか。代表的な4つの方法と、それぞれのメリット・課題を詳しく見ていきましょう。

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教育方法メリット課題
①OJT(現場での指導)実践的ですぐに使える言葉を学べる。指導者によって質にムラが出る。
体系的な学習が難しく、応用が効きにくい。
②集合研修まとまった知識を体系的に学べる。コストや時間がかかる。
参加者のレベルが異なると効果が薄れやすい。
③地域の日本語教室無料または安価で参加できる。介護専門用語は学べず、現場の課題解決に直結しにくい。
➃ オンライン学習教材時間や場所を選ばず、自分のペースで学べる。
管理しやすく、コストを抑えやすい。
自己管理が必要で、モチベーション維持に工夫がいる。
①OJT(現場での指導)

OJTは、実践的な言葉を学べる最も基本的な方法です。しかし、OJTだけに頼ると、指導する日本人職員の教え方にバラつきが出てしまう可能性があります。

②集合研修(自社・外部)

外部講師を招いたり、他の教育機関が実施する研修に参加したりする方法です。まとまった知識を体系的に学べるメリットがありますが、コストや時間の確保が必要です。

また、参加者の日本語レベルがバラバラだと、一部のスタッフにとっては内容が簡単すぎたり、逆についていけなかったりして、投資効果が薄れてしまう可能性があります。

③地域の日本語教室や公的支援

無料または安価で参加できるのが最大の魅力です。しかし、その多くは一般的な日常生活の会話習得を目的としており、介護分野で必須の専門用語や、特有の言い回しを学ぶことは困難です。

そのため、現場でのコミュニケーション課題の直接的な解決には結びつきにくい側面があります。

➃オンライン学習教材

時間や場所を選ばずに自分のペースで学習できるのがオンライン教材の強みです。動画講義であれば、理解できるまで何度も繰り返し視聴できますし、シャドーイング機能などを使用して発音の練習も可能です。

最大の課題は「モチベーションの維持」ですが、これについては施設側が進捗を管理し、定期的に声かけをする仕組みを整えることで、大きな効果を発揮します。従来の日本語学校に通うのが難しいスタッフでも、学習を継続しやすい方法です。

日本語教育を成功させ、介護福祉士合格に導く5つのポイント

デスクの上に置かれたパソコンとコーヒーカップとGOALと書かれた木のブロック

どの教育方法を選ぶにせよ、施設側のサポート体制が成功の鍵を握ります。以下の5つのポイントを意識しましょう。

POINT
明確な学習目標の共有

「半年後にJLPT N3に合格しよう」「1年後にはN2の勉強を始めよう」など、本人と施設が具体的な目標とタイムラインを共有します。

POINT
学習時間の確保と環境整備

勤務シフトの中で学習時間を確保したり、静かに勉強できるスペースを提供したりするなど、事業所として学習を奨励する環境を作ることが重要です。

POINT
介護現場で使う「専門用語」と「やさしい日本語」の併用

専門用語は一覧表にするなどして教えつつ、日本人職員側も意識的に簡単な言葉に言い換えて話す「やさしい日本語」を心がけることで、コミュニケーションは円滑になります。

POINT
日本人職員とのコミュニケーション機会の創出

休憩時間やイベントなどを通じて、業務以外での会話の機会を増やすことも、生きた日本語を学ぶ上で非常に効果的です。

POINT
学習の進捗管理と定期的な面談によるモチベーション維持

学習が順調に進んでいるか、困っていることはないかを定期的に確認し、面談の場で本人の頑張りを認め、励ますことが学習意欲の維持に繋がります。

コストを抑え効率的に日本語教育を進めるなら「日本語カフェ」

日本語カフェのJLPT N3合格コースのトップ画面

「ポイントはわかったが、自施設だけでこれら全てを行うのはリソース的に難しい…」
「職員の学習管理まで手が回らない…」

そんな課題を解決するサービスとして、オンライン日本語学習「日本語カフェ」を紹介します。 まずは、介護福祉士受験の土台となる日本語能力試験(JLPT)N2合格を目指す「JLPT合格コース」がおすすめです

<日本語カフェ「JLPT合格コース」の特長>
  1. 一流講師監修の合格特化カリキュラム 「何を、どの順番で学べば合格できるか」が明確なので、迷うことなく最短ルートで学習を進められます。
  2. スマホ一つでいつでもどこでも学習可能 1回10分から学習できるので、忙しい介護業務の通勤時間や休憩時間を有効活用できます。
  3. 施設の管理負担を大幅に削減 管理画面でスタッフ一人ひとりの学習状況が一目でわかるため、教育担当者の進捗管理の手間を大きく削減します。

厳しい審査をパスしたプロの日本語講師が監修した高品質な動画カリキュラムとドリルが使い放題。コストを抑えながら、スタッフの自発的な学習を力強くサポートします。

★合格実績★

ゼロから3ヶ月でJLPT N3に合格

合格実績

「日本語カフェ」で学習したフィリピン人受講者4名は、日本語学習未経験からわずか3ヶ月の学習で、日本語能力試験(JLPT)N3に全員合格しました。2025年4月に学習を開始し、1日平均6時間の自主学習を継続した結果、6月にはN5・N4を突破。そして7月には、通常半年以上かかるといわれるN3レベルに到達しました。

実際の試験結果では、文字語彙・文法読解・聴解のすべての分野で合格点をクリアしており、「日本語カフェ」のカリキュラムが短期間で成果を出せることを証明しています。

一般的に学習効果のばらつきやモチベーション維持に課題がある日本語教育ですが、明確な合格目標と効率的な学習設計により、4人全員が同時にN3合格を果たしました。

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JLPT N2レベルの次は「介護福祉士 受験対策講座」で万全な準備

介護福祉士合格講座

JLPT N2レベルの日本語力が身についたら、次はいよいよ国家試験対策です。

「試験まで時間がない…」
「日本語での専門用語の理解が不安…」

そんな外国人介護士の皆さんを合格へと導くのが、日本語カフェの「介護福祉士 合格対策集中講座」です。約4ヶ月間の集中プログラムで、効率的に合格を目指せます。

<介護福祉士 合格対策集中講座の特長>
  1. 知識豊富な専門講師が徹底サポート
    介護福祉士の講師が、日本語の不安もケアしながら、合格に必要なポイントを効率的に指導します。
  2. 圧倒的な演習量で実践力を養成
    豊富な過去問や模擬試験の解説講義で、本番の試験形式に徹底的に慣れることができます。
  3. 日本語学習も継続サポート
    講座期間中は「JLPTコース」も使い放題。介護の勉強と並行して日本語の復習も万全です。
  4. 24時間いつでもどこでも学習可能
    仕事と勉強の両立が難しい方に最適な、オンライン完結型の学習スタイルです。
合格実績

このたび、当社支援機関を通じて学習を続けていた外国人介護職の方が、見事「介護福祉士国家試験」に合格されました!
外国人受験者にとっては言語の壁もあり、合格は決して簡単なものではありません。それでもこの方は、目標に向かってコツコツと努力を積み重ね、見事に合格を勝ち取りました!

当社支援の外国人介護職の方

■ 介護福祉士を目指した理由

「日本で安心して長く働き、家族を支えたい」という強い思いから、介護福祉士を目指しました。
資格を取れば、より安定した働き方ができ、将来的なキャリアアップにもつながると考えたからです。

■ 1日3時間、仕事と両立しながらの学習

勉強は約1年前からスタート。
本業の合間や休日も使いながら、毎日3時間以上コツコツと学習を積み重ねていきました。
特に役立ったのが、支援機関から紹介された「日本語と介護のビデオ教材」です。
スマホでいつでも見られるため、通勤時間や休憩時間も有効に使え、自分のペースで理解を深めることができました。
ビデオで全体の流れを理解した後に問題集を解き、間違いを丁寧に復習することで、確実に実力がついていくのを実感できました。

■ 教材だけでなく、現場からも学ぶ

教科書や試験対策アプリも活用しつつ、職場の先輩に積極的に質問し、現場での経験を通じて実践的な知識も習得していきました。
学習と仕事の両立は決して簡単ではありませんが、「自分を信じて、最後まであきらめないこと」が何より大切だったと振り返っています。

日本語カフェでは、貴社の状況やスタッフのレベルに合わせた最適な学習プランをご提案します。 介護福祉士取得までを見据えた長期的な教育計画についても、お気軽にご相談ください。

\ ご相談はこちらから /

計画的な日本語教育で、外国人介護士の未来と施設の未来を創る

高齢者の手を握っている介護士

外国人介護士への日本語教育は、目先の業務を教えるためのコストではありません。スタッフのキャリアと生活を豊かにし、施設のサービス品質、人材定着、そして採用力を未来にわたって強化するための、最も効果的な「投資」です

明確な目標設定

最終的なゴールである「介護福祉士」合格から逆算し、まずはJLPT N2レベルの日本語力習得という具体的な中間目標を本人と共有しましょう。

学習方法の組み合わせ

日々のOJTで実践力を養いつつ、文法や語彙といった基礎を固めるための体系的な学習機会(研修や教材の提供など)を組み合わせることが、着実な成長に繋がります。

施設全体の支援体制

最も重要なのは、スタッフが安心して学び続けられる環境です。学習時間の確保や進捗の確認、そして小さな成長を認めて励ますといった施設側の積極的なサポートが、本人のモチベーションを支えます。

計画的な日本語教育を通じてスタッフ一人ひとりの成長を後押しすることが、結果として施設全体の発展に繋がります。ぜひ、できるところから始めてみてください。

\ お問い合わせはお気軽に /

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この記事を書いた人

三木 雅史(Masafumi Miki) 株式会社E-MAN会長
1973年兵庫県たつの市生まれ / 慶応義塾大学法学部法学科卒
・25歳で起業 / デジタルガレージ / 電通の孫請でシステム開発
・web通販事業を手掛ける
・2006年にオンライン英会話を日本で初めて事業化
・2019年外国人の日本語教育を簡単、安価にするため
 日本語eラーニングシステムを開発、1万人超の外国人が日々学習中

日本語教育でお困りの方に役立つ資料をこちらからダウンロード下さい。

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