第二言語習得の勉強時間 2025 1/15 全てのコラム 日本語教育・日本語学習法 日本語能力試験 2020年3月24日2025年1月15日 目次第二言語を習得するために必要な勉強時間とは 第二言語を習得するためには、勉強時間が必要になります。言語間の距離を知ることで、大まかな学習時間を予想することができます。例えば、英語圏の人が日本語を勉強するには、通常2000時間以上が必要です。 一般的に言語間の距離が遠い言語を学習するには勉強時間を多く必要とします。あなたの母国語と学習しようとする言語の距離を把握してください。そのうえで、総学習時間は2000時間以上を必要とすることも多いと理解しておきましょう。以下で単語や文法、会話ができるようになるための勉強時間と時間の使い方を説明します。 内容ごとの勉強時間 第二言語の学習は、単語や文法など内容ごとに分けて学習することが多いです。個人差もありますので、一概に何時間を使えばマスターできると言い切ることは難しいです。しかし、平均的にどの程度学習する必要があるのかを知っておくことは大切です。それぞれについてみていきましょう。 単語を覚えるための勉強時間 学習する言語の単語を全て覚える必要はありませんが、基本的に2000語から4000語程度は暗記する必要があります。文法を学習するための前段階として、単語を学習しましょう。 暗記する際には1つ1つを確実に覚えようとするのではなく、100単語を流し読みする感覚で眺めてください。100個のうち50個程度の単語の意味が理解できることを目指してください。100単語を眺めるように見ると学習時間は5分程度で完了します。 その5分を10回から20回繰り返すと考えましょう。100単語暗記するのに必要な時間は平均すると1時間程度です。 文法をマスターするための勉強時間 第二言語習得のための学習の中で、最も時間がかかるのが文法の勉強です。単純な暗記だけでなく、理解を伴う必要があるため時間がかかります。 学習している言語の文法書を一読してください。ご自身が読む時間を計ることで必要な時間を予想できます。仮に500ページ程度の文法書を使用している場合、1ページ1分で読めれば500分必要になります。 しかし、マスターするためには読むだけではなく暗記したり例題を解く時間も必要になります。そのため、通常マスターするためには読む時間の100倍程度の時間を必要とします。文法書を100回読めばマスターしているというイメージで良いでしょう。 会話をするための勉強時間 単語と文法を学習し、会話練習を行う人は壁にぶつかる可能性が高いです。覚えたはずの単語や文法が頭に浮かばないのです。第二言語を学習している人の多くは、この段階で諦めの気持ちが出てきます。いくら勉強しても会話できないと感じるのです。 しかし、単語や文法で学習したのは、言語の基本であるため会話と比べると明らかに基礎であることを知っておきましょう。会話をマスターするには、インプットとアウトプットの速度を上げる必要があります。 会話能力を上達させるためには、インプット2割に対してアウトプット8割を意識します。暗記している単語や文法を使用する意識を強く持つようにします。 具体的な時間を述べるならば、1日24時間のうち言葉として発するのが18時間です。復習や暗記し直す時間が6時間と考えます。睡眠時間などは省いた例となりますが、そのくらい言語を発する意識が必要ということです。 言語学習に勉強時間は関係ない? 学習が進むにつれて暗記したものを忘れたり、会話が上達しない段階になると勉強時間よりも質を意識するようになります。根本的に第二言語の学習には、母国語との言語距離が関係しています。 あなたがマスターしようとしている第二言語は難しいと感じる可能性はあるのです。しかし、マスターすることが無理なのではなく、質を意識した学習が必要になる段階があると理解しておきましょう。 質を意識することをわかりやすく例えると、日常生活です。貧乏な人が食べるものは、パンや米などが多いでしょう。しかし、豊かな人の生活では、肉や魚を多く食べます。人間の生活にも質があるように、第二言語を習得する際の学習にも、量より質が必要になるのです。 多くの人は単語や文法の暗記段階ではなく、実際に言語を発する段階に質を意識します。いくら言語を発しようと試みても言語を発する前に母国語が頭をよぎり、第二言語を使用することができないという段階です。 この段階になると、第二言語習得が難しいと感じます。完全にマスターすることはできないのだと感じる人も少なくない段階です。ただ、第二言語をマスターするためには、2000時間以上の時間を必要とします。 上記で述べた単語の勉強時間と文法の勉強時間は、合わせてみても1000時間程度で終了します。ですので、実際に第二言語を使用しながらマスターしていく時間が残り1000時間は必要になります。 アウトプット1000時間を考えると未来が開ける 単語の学習と文法の学習を繰り返し、実際に言語を発する段階になった人は1000時間使用する必要があります。単純に日数に換算すると40日程度です。24時間をフルタイムで使用したとして40日必要だと理解しておきましょう。 実生活では、睡眠時間も必要であることは言うまでもなく、言語学習に充てる時間が24時間になることはありません。そのため、最短でも2カ月から3カ月は必要になります。単語や文法を学習する時間を含めると最低4カ月以上が必要ということが理解できます。 平均的に、1日あたり2時間から3時間を第二言語習得のための学習時間に充てている人が多く、1000時間をクリアするために300日から500日程度必要とします。そのため、単語や文法学習を含めた学習時間が2年となります。平均的には2年程度で会話する能力が身につくのです。 第二言語習得には2000時間を使用する 学習を進めるには、マスターした時のイメージを持つことが大切です。終わりの姿がイメージできると、進捗を確認しやすくなるためです。単語から始まる第二言語習得には通常2000時間必要だと知っておいてください。 終わりの姿がイメージしにくい場合は、日本語検定などの言語検定を考えてみましょう。多くの検定は、レベル別に能力分けされています。それぞれのレベルに合格していくイメージは、とても掴みやすいイメージです。 平均的な学習時間を確保している人の場合、全てのレベルの検定を合格するには、2年以上が必要です。 毎日の生活の中で、飽きることもあります。他のことを行わなければならないときもあります。しかし、言語をマスターするためにはどのような生活をしていたとしても、2000時間以上の学習を乗り越える必要があるのです。 未来のご自身をイメージし、2000時間の学習を行った自分を考えてください。当然、話すことができるようになります。具体的な数字で学習時間を知り、行動をしてください。あなたが想像する未来が手に入るのは、2000時間先の未来なのです。 全てのコラム 日本語教育・日本語学習法 日本語能力試験 よかったらシェアしてね! URLをコピーしました! URLをコピーしました! 日本語がうまいアジア人はどうやって日本語を覚えたのか。 第二言語のライティングができるようになるために この記事を書いた人 三木 雅史 三木 雅史(Masafumi Miki) 株式会社E-MAN会長 1973年兵庫県たつの市生まれ / 慶応義塾大学法学部法学科卒 ・25歳で起業 / デジタルガレージ / 電通の孫請でシステム開発 ・web通販事業を手掛ける ・2006年にオンライン英会話を日本で初めて事業化 ・2019年外国人の日本語教育を簡単、安価にするため 日本語eラーニングシステムを開発、1万人超の外国人が日々学習中 日本語教育でお困りの方に役立つ資料をこちらからダウンロード下さい。 無料トライアルで実際のシステムをお試し頂く事も可能です。 日本語カフェが分かる資料3点セットをご案内します 資料を請求する 実際に日本語カフェの機能がどのようなものか、お試し下さい 試してみる 関連記事 特定技能2号の対象業種は?対象分野の拡大と外国人を採用するメリット 2025年5月19日 特定技能の自社支援とは?必要な6つの要件と対応業務・メリットを解説 2025年5月17日 日本語検定JLPTを受けるべき5つのメリットを詳しく紹介 2025年5月16日 特定技能2号は支援義務がない?支援不要のメリットと誤解してはいけないポイントを解説 2025年5月15日 特定技能制度における受入れ機関とは?役割や条件・申請手続きを解説 2025年5月13日 外国人労働者に税金はかかる?条件や免除されるケースについて解説 2025年5月12日 特定技能2号から永住権を取得するには?必要な条件・申請方法・特例までくわしく解説 2025年5月10日 特定技能2号で日本語能力試験N3が必要な分野は?N3の日本語レベルも解説 2025年5月5日