第二言語のライティングができるようになるために

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第二言語を習得するときに、話すだけでなく書く力を伸ばしたいと考えることは少なくありません。書く力は、話す力と比べると容易に習得することができます。理由は単語と文法を知っていれば可能だからです。

話す能力には、発音能力やリスニング能力が伴います。比較するとライティングのほうが容易に習得できるのです。ライティング習得のために知っておくべきことをまとめました。

目次

ライティングとは

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言うまでもなく、ライティングとは書く力です。ただ、一言で書く力と言っても単語や分報を並べるだけでは、細かなニュアンスが伝わらずに困ることがあります。

言いたいことを書くことができ、例え話や比喩を交えた表現ができるようになることが本来のライティングです。書く力は根本的に表現力と言い換えることができるのです。表現するためにどのような学習をすればよいのか見ていきましょう。

 ライティングで困ること

第二言語を学び、文や文章を書こうとすると困ることが多いです。単語や文法を学習している人ですら、書くことは難しいのです。覚えた文法例文に単語を当てはめてみたり、単語だけを羅列してみます。

ある程度の文を書くことはできますが、言いたいことを表現することができません。そのため、読み手に勘違いを起こしたり、書いた本人ですら何を書いたのか忘れてしまうなどの現象が起こります。

ライティングが難しいと感じる原因は、書くことと表現することには差があるからなのです。例えば、「こちら」という表現は、書くだけでは意味が伝わらないようなものです。

また、単語学習や文法学習が進んでいない人がライティングを試みると、書くことすらできないということがあります。知らない単語を書くことはできませんし、知らない文法を使用することはできないのです。ライティングを習得するために必要なのは、インプットだということを知っておかなければいけません。

 ライティングするためのインプット

インプットとは、簡単に言うと暗記しているということです。知っている単語を使用することはできても、知らない単語を使用することはできません。そのため、ライティングをするためには、確実なインプットが必要となります。

第二言語のライティングができるようになるには、母国語と第二言語の差を理解したうえでのインプットが大切です。母国語が頭の中にある状態で、第二言語を習得しようとすると誰もが中間言語を通過します。

中間言語とは、第二言語を習得する過程でしようされる曖昧さを含む不完全な言語のことです。例えば、道を聞きたい人が「どこ道」と聞くようなものです。意味自体は通じるものの、言語を習得しているとは言い難いものです。ライティングを行う時には、中間言語を突破している必要があります。

 インプットの重要性

ライティングだけでなく、第二言語を習得するときにはインプットが大切です。クラッツェンが提唱したインプット仮説では、アウトプットできるまでに通過する段階があるとしています。インプットからアウトプットまでの段階は以下のとおりです。

  • ・インプット
  • ・気づき
  • ・理解
  • ・内在化
  • ・統合
  • ・アウトプット

インプット仮説の細かな説明は省略しますが、詳しく知りたい方は以下の記事もお読みください。

https://englishhub.jp/sla/input-importance

最近では、クラッツェンのインプット仮説に対して批判や反論も存在しています。しかし、ライティングができるようになるには、インプットが重要であるのは誰もが経験則で理解できるものです。知らないものは書けないのです。

インプット仮説において、アウトプットまでの道のりは長いものですが、ライティングができるようになるには少なくとも理解の段階になる必要があるのです。理解にも二段階があります。一段階目は、単に情報の意味を理解しているだけの状態です。二段階目は、その情報の形式や機能といった構造までしっかりと理解している状態です。

ライティングを正確に行えるようになるには、二段階目の理解に到達している必要があり、理解しているから使えるという状態です。この状態では、すらすらとライティングすることはできず、考えながら書くという状態になります。しかし、相手に意図を伝えることができるのです。

 ライティングするために覚えよう

二段階目の理解に到達した言語は、書くことができます。時間をかけながらじっくりと書いてみてください。書いた文を誰かに読んでもらい、意味が通じるという経験を積みましょう。意味が伝わるようになれば、書くことが楽しくなります。

楽しみながら多くの文を書いてください。書くことを繰り返すことで、文章が書ける状態になります。ここまでくればライティングができる状態と言えます。母国語でも、文章を書くのは簡単なことではありません。

第二言語でライティングができるようになるには、母国語でも難しいことをすると理解しておき、チャレンジする気持ちが大切になります。とにかく覚え、とにかく書いてみるという感覚です。

具体的に成長度を確認したいときには、日本語能力検定などを受検することをおすすめします。受検してどのレベルの問題が解けるかを見ると、ご自身がどの段階の理解ができているのかを把握しやすくなります。

さらにライティング能力を伸ばすには

少しでも文章を書くことができるようになれば、様々な文を書くことにチャレンジしていきましょう。文法書を開き、例文を真似するのです。

インプット仮説における二段階目の理解を増やしていきます。例文を真似するだけでは一段階目の理解です。単語と文法を深く学び、例文の中で使用方法を理解していきましょう。できる限り多くの例文を使用できるようになれば、ライティング能力はさらに向上します。

一般的に理解しておく必要がある例文の数は、500文程度です。500文を理解しライティングできるようになれば、日常生活に支障がない程度の文章力になります。例え会話する力が未熟だとしても、ライティングすることで相手に意志を示すことができ、疑問を解決できる状態になります。疑問になることを解決できる状態になれば、生活はできるのです。

しかし、緊急時にライティングする時間はありません。第二言語をマスターするためには、ライティングだけでなくスピーキングも必要であることは忘れないよう努力を続けていくよう心がけてください。あなたの第二言語習得の糧になれば幸いです。

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この記事を書いた人

三木 雅史(Masafumi Miki) 株式会社E-MAN会長
1973年兵庫県たつの市生まれ / 慶応義塾大学法学部法学科卒
・25歳で起業 / デジタルガレージ / 電通の孫請でシステム開発
・web通販事業を手掛ける
・2006年にオンライン英会話を日本で初めて事業化
・2019年外国人の日本語教育を簡単、安価にするため
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