【企業向け】日本語の教え方ガイド|初心者の外国人スタッフに教えるコツ 2025 8/13 全てのコラム 日本語教育・日本語学習法 未分類 2025年8月14日 外国人スタッフにどう日本語を教えるか悩んでいませんか? 日本語を教えようにも、日々の業務に追われて十分な時間を確保できなかったり、良かれと思って教えたことが、かえって学習者を混乱させてしまったり…。「自分の教え方は本当に正しいのだろうか」という不安を抱えながら、試行錯誤している方も少なくないはずです。 大切なのは、闇雲に教えるのではなく、学習者が日本語を学ぶ際の「つまずきポイント」を理解し、正しいステップで導いてあげること。そして、教える側が学習者の心に寄り添う、ちょっとしたコツを知ることです。 本記事では、入門レベルのスタッフを対象とした具体的な4ステップの指導法や、教える側の心構え、時間とコストを削減する方法をご紹介します。 あわせて読みたい 外国人労働者の日本語習得はなぜ難しい?雇用主が知るべき日本語教育のポイントとサポート方法 近年、日本の労働市場では外国人労働者の存在がますます重要になっています。 特に介護、農業、建設などの業界では人手不足が深刻化しており、外国人労働者を採用するこ… 目次なぜ外国人スタッフへの日本語教育が必要なのか? 外国人スタッフへの日本語教育は、単なる福利厚生ではなく、企業の競争力と持続的な成長に直結する重要な経営課題です。その理由は多岐にわたります。 理由 業務の円滑化と生産性向上 日本語でのコミュニケーションがスムーズになることで、指示の理解度が格段に上がり、確認や手戻りの時間が減少します。これにより、チーム全体の業務効率や生産性の向上に直接つながります。 コミュニケーションエラーによる事故やトラブルの防止 特に製造現場や建設現場などでは、言葉の壁が重大な事故を引き起こす可能性があります。重要な指示が正確に伝わらなければ、会社全体のリスクになりかねません。日本語教育は、こうしたリスクを管理する上でも重要です。 外国人スタッフの定着率アップとエンゲージメント向上 職場に早く馴染み、日本人スタッフと円滑な人間関係を築けることは、外国人スタッフにとって大きな安心材料です。孤独感や疎外感が軽減されることで仕事への満足度が高まり、貴重な人材の長期的な定着につながります。 あわせて読みたい 外国人労働者の日本語教育の現状と課題|職場でできる実践的なアプローチ 近年、様々な現場で、特定技能をはじめとする在留資格を持つ外国人労働者の数が増えています。 海外からの外国人労働者は日本の産業を支える貴重な人材ですが、円滑な業… 入門レベルの学習者に教える上での3つの心構え 効果的な指導を行うには、テクニック以前に、教える側の姿勢が非常に重要です。以下の3つの心構えを持つだけで、学習者の「学びたい」という意欲を引き出し、学習効果を大きく高めることができます。 ポイント1:完璧を求めず、具体的に褒めて伸ばす 学習者が最も恐れるのは「間違うこと」です。間違いを指摘されることを恐れて口数が少なくなってしまっては、上達の機会を失ってしまいます。 多少の文法の間違いは気にせず、まずは日本語で伝えようとする姿勢そのものを認めましょう。 さらに、「今の『ありがとうございます』の発音、とてもきれいでしたよ」「その単語を知っているんですね、すごいです!」のように、具体的にどこが良かったかを伝えることで、学習者の自信となり、次の挑戦へのモチベーションに繋がります。 ポイント2:「やさしい日本語」で意識的に説明する 私たちが無意識に使っている言葉には、外国人にとって難しい専門用語やカタカナ語、慣用句が溢れています。指導の際は、意識して簡単な言葉に言い換える「やさしい日本語」を使いましょう。 例 遵守する → 守る コンセプト → 考え方、基本的なアイディア アサインする → 担当を決める、仕事を任せる 可及的速やかに → できるだけ早く このように、抽象的な表現よりも具体的な行動を示す言葉を選ぶのがコツです。 ポイント3:教える内容を絞り、一つのゴールを明確にする 教える側は、つい熱心になるあまり、一度にたくさんの文法や単語を教えようとしてしまいがちです。しかし、人間の脳は一度に多くの新しいことを記憶できません。 1回のレッスンや会話練習で教える内容は、「今日は助詞の『を』の使い方だけ」「今日は『〇〇をください』という依頼の形だけ」のように、明確なゴールを一つか二つに絞り込みましょう。 欲張らず、一つのことを確実に定着させることが、結果的に上達への一番の近道です。 あわせて読みたい 日本語文法の基礎知識と企業ができる効果的な学習支援 日本語の文法は、単に言葉を並べるだけでなく、正確な意味を伝え、誤解を防ぐための基盤となります。 ビジネスシーンにおいては、些細な文法の間違いが、相手に不信感を… 【4ステップで解説】入門レベルから伸ばす日本語の教え方ロードマップ それでは、いよいよ具体的な教え方のステップです。学習者を、自信を持って会話できるレベルへ引き上げるためのロードマップを詳しく解説します。 ステップ1:知識の再確認と「基本の文型」の徹底 まずは学習者の現在の状況を正確に把握し、日本語の基礎となる「文の骨格」を固めます。 【教える内容】 ひらがな・カタカナの読み書きは、単語カードなどを見せて瞬時に読めるかテストしてみましょう。簡単な自己紹介(「はじめまして、〇〇です。どうぞよろしくおねがいします」)がスムーズに言えるかも確認します。 その上で、「AはBです」という基本文型を徹底的に練習します。肯定文(「これはペンです」)、否定文(「あれはペンではありません」)、疑問文(「それはペンですか?」)をセットで使い、身の回りの物や人について話す練習を繰り返します。 【教え方のコツ】 この段階で、仕事で頻出する簡単な漢字(例:上, 下, 右, 左, 中, 大, 小, 入, 出, 口)を紹介し始めると、職場の掲示物などを読む助けになります。 形が似ている漢字(例:「人」と「入」)の違いを丁寧に説明したり、漢字の成り立ち(例:「木」という漢字は木の形から来ている)を簡単に紹介したりすると、興味を持って覚えやすくなります。 ステップ2:簡単な動詞と助詞の使い方をマスター 文の骨格ができたら、次に行動を表す「動詞」と、文の意味を決定づける「助詞」を導入します。ここが初心者の日本語学習における最大の山場です。 【教える内容】 「行きます」「食べます」「見ます」「休みます」など、使用頻度の高い動詞の「ます形」を覚えます。 特に重要な助詞「を」「で」「に」「へ」の使い分けを、動詞とセットで集中的に学びます。 【教え方のコツ】 助詞は理屈でなく、イメージで教えるのが効果的です。 「を」 動作の対象を示す。「(私が)パン を 食べます」「(あなたが)メール を 読みます」 「で」 動作が行われる場所を示す。「会議室 で 会議をします」「食堂 で 昼ごはんを食べます」 「に」 人や物が存在する場所、時間、目的を示す。「事務所 に 田中さんがいます」「3時 に 休憩します」「買い物 に 行きます」 「へ」 移動の方向を示す。「大阪 へ 出張します」「あちらの席 へ どうぞ」 「駅に行きます(目的・到着点)」と「駅で待ち合わせます(動作の場所)」の違いのように、具体的な例文を使い分けながら、違いのイメージを掴んでもらいましょう。 ステップ3:身の回りのことを質問・説明する会話練習 インプットした知識を、実際の双方向のコミュニケーションで使えるように練習します。 【教える内容】 5W1H(いつ・どこで・だれが・何を・どうする)を使った質問と、それに対する応答の練習をします。 学習者自身のプライベートなこと(趣味、家族、出身国、日本に来て驚いたことなど)や、仕事の内容について、簡単な日本語で説明する練習を行います。 【練習のポイント】 ロールプレイングが非常に効果的です。「お店の客と店員」「道を聞く人と教える人」「電話でアポイントを取る」など、具体的な場面を設定して会話練習を行いましょう。 また、教える側が聞き役に徹するだけでなく、自分自身の週末の出来事などを話してあげることで、学習者は生きた会話表現をインプットすることができます。 ステップ4:仕事で使う実践的な日本語表現 最後のステップとして、よりビジネスシーンに特化した、丁寧で正確な日本語表現を学びます。 【教える内容】 報告・連絡・相談(報連相) 「〇〇の件、完了しました」「明日の会議ですが、〇〇に変更になりました」「このやり方がわからないので、教えていただけますか?」 依頼 「お手数ですが、この書類にサインをいただけますか?」 感謝 「先日はサポートしていただき、ありがとうございました」 断り方 「申し訳ありませんが、その日は別の予定が入っております」(クッション言葉の重要性) 【指導のポイント】 「です・ます形」が完璧に使えるようになったら、より丁寧な尊敬語・謙譲語の初歩(例:「いらっしゃいます」「申します」)を少しずつ紹介します。 また、各職場に特有の専門用語や略語のリストを作成し、意味を共有しておくと、日々の業務が格段にスムーズになります。 あわせて読みたい 日本語の敬語のわかりやすい教え方は?外国人に教えるコツを解説 多様なバックグラウンドを持つ人材が組織に新たな視点や活力を与えてくれる一方で、異文化間のコミュニケーションにおける課題も存在します。 その中でも、特にビジネス… 自社で日本語教育を行う際の課題と限界 ここまで具体的なステップを紹介しましたが、実際に社内でこれらをすべて実践しようとすると、多くの企業担当者様が共通の課題に直面します。 課題1:圧倒的な時間と労力の不足 通常業務をこなしながら、効果的な教材を探し、指導計画を立て、個別の学習進捗を管理するのは、並大抵のことではありません。「自分の教え方は本当に正しいのだろうか」という不安も常につきまといます。 課題2:指導にばらつきが出る、継続できない 特定の社員の善意やスキルに頼った教育は、その人が異動や退職をすると途端に機能しなくなります。指導内容にばらつきが出て、学習者が混乱する原因にもなります。 課題3:学習の進捗が可視化できない 「誰が」「どこまで」理解しているのかを正確に把握するのは非常に困難です。そのため、次の指導計画を感覚で立てるしかなく、非効率な学習に陥りがちです。 このような課題を放置すると、せっかくの教育が中途半端に終わり、担当者と学習者の双方に疲弊だけが残る結果になりかねません。 あわせて読みたい 日本語学習を成功させる!外国人社員におすすめの教材厳選ガイド グローバル化が加速する現代において、外国人社員の活躍は企業にとって不可欠な存在となっています。 しかし、言葉の壁は、外国人社員が能力を十分に発揮するための大き… 効率的な日本語教育なら「日本語カフェ」がおすすめ 「日本人講師の採用や管理は大変…」 「毎月の教育コストを抑えたい…」 「スタッフに自発的に学習を進めてほしい…」 もし、外国人スタッフの日本語教育をもっとシンプルに、効率的に、かつコストを抑えて実現したいとお考えなら、オンライン学習教材『JLPT 合格コース』の活用がおすすめです。 なぜ「日本語カフェ」が選ばれるのか? ①レベル別に最適化された完全カリキュラム(N5〜N1対応) プロの日本語教師が、長年の知見を基に「合格への最短ルート」を体系化。何を、どの順番で学べば良いかが明確なので、学習者は迷いません。つまり、貴社でカリキュラムをゼロから作成する必要は一切ないのです。 ②高品質な動画+ドリルで「わかる」を「使える」に スマホやPCがあれば、いつでもどこでも自分のペースで学習可能。スタッフは一度で理解できなかった部分も、周囲の目を気にせず何度でも繰り返し復習できます。インプット(動画)とアウトプット(演習ドリル)をセットで行うことで、知識が確実に実践力へと変わります。 ③企業の管理負担を大幅に削減 専用の管理画面から、スタッフ一人ひとりの学習時間や進捗状況を一目で把握できます。これまで進捗確認の面談などに費やしていた貴重な時間を、他のコア業務に充てることが可能になります。 ④実績が品質の証 全くの初心者からスタートし、2ヶ月で日本語能力試験N4合格、3ヶ月でN3レベル達成という驚異的な実績があります。これは、プロによる無駄のないカリキュラムだからこそ実現できるスピードです。 【日本語カフェがおすすめする学習方法】 移動時間や休憩時間などを活用し、アプリの動画を1日2時間程度「聞き流す」だけでも、リスニング能力の向上に絶大な効果があります。ストレスなく、自然に正しい日本語の発音や表現をインプットできます。 貴社の貴重なリソースを、より重要な業務に集中させませんか? 「日本語カフェ」が、貴社の日本語教育を強力にサポートします。 \お気軽にご相談ください/ 日本語カフェ あわせて読みたい 【導入事例インタビュー】顧客満足と人材育成を両立する現場主導の取り組み ― K社様(匿名希望)× 日本… 外国人材の受け入れが当たり前になりつつあり、単なる人手ではなくチームの一員として活躍できるようサポートする体制が企業に求められています。 実際に日本語教育を現… 初心者向け日本語の教え方 まとめ この記事では、入門レベルの外国人スタッフへの日本語の教え方について、具体的な4つのステップと、指導する上での心構えを詳しく解説しました。 心構えの要点 間違いを恐れさせず、具体的に褒める。やさしい日本語を使い、一度に教えすぎない。 指導の4ステップ ①基本文型の徹底 → ②動詞と助詞のマスター → ③会話練習 → ④仕事の日本語。 外国人スタッフへの日本語教育は、会社の多様性と生産性を高める未来への投資です。その重要な一歩を、担当者が一人で抱え込む必要はありません。 「日本語カフェ」では、貴社の状況に合わせた最適な日本語教育のプランについて、無料相談も受け付けております。まずはお気軽に、以下のページからお問い合わせください。 \お問い合わせはこちらから/ 日本語カフェ あわせて読みたい ミャンマー人の日本語学習を支援する方法は?つまづきやすいポイントとおすすめ教材 日本で働くミャンマー人が増える中、日本語学習のサポートはますます重要になっています。 特定技能や技能実習制度などにより、日本で働きながら日本語を学ぶミャンマー… 全てのコラム 日本語教育・日本語学習法 未分類 よかったらシェアしてね! URLをコピーしました! URLをコピーしました! 特定技能の教育ガイド|1号・2号の育成と試験対策で押さえるべき3つのポイント 【2025年最新】外国人介護士の採用ガイド|4つの在留資格を徹底比較 この記事を書いた人 三木 雅史 三木 雅史(Masafumi Miki) 株式会社E-MAN会長 1973年兵庫県たつの市生まれ / 慶応義塾大学法学部法学科卒 ・25歳で起業 / デジタルガレージ / 電通の孫請でシステム開発 ・web通販事業を手掛ける ・2006年にオンライン英会話を日本で初めて事業化 ・2019年外国人の日本語教育を簡単、安価にするため 日本語eラーニングシステムを開発、1万人超の外国人が日々学習中 日本語教育でお困りの方に役立つ資料をこちらからダウンロード下さい。 無料トライアルで実際のシステムをお試し頂く事も可能です。 日本語カフェが分かる資料3点セットをご案内します 資料を請求する 実際に日本語カフェの機能がどのようなものか、お試し下さい 試してみる 関連記事 【2025年最新】外国人介護士の採用ガイド|4つの在留資格を徹底比較 2025年8月16日 特定技能の教育ガイド|1号・2号の育成と試験対策で押さえるべき3つのポイント 2025年8月13日 特定技能の支援とは?義務内容から費用、2号移行まで企業が知っておくべきこと 2025年8月12日 介護福祉士の試験内容は?外国人の合格を支援するための知識 2025年8月11日 外国人の日本語教育はeラーニングが最適!自宅学習のメリットとおすすめサービスを解説 2025年8月9日 宿泊業のための特定技能|制度理解から試験対策まで解説 2025年8月8日 【導入事例インタビュー】顧客満足と人材育成を両立する現場主導の取り組み ― K社様(匿名希望)× 日本語カフェ ― 2025年8月7日 介護の外国人労働者|採用から定着までの完全ガイド|4つの在留資格を徹底比較 2025年8月6日