介護業界における深刻な人手不足は、多くの施設にとっての課題となっています。厚生労働省のデータでも将来的な介護人材の不足が示されており、その解決策として外国人介護職員の採用・受け入れに注目が集まっています。
しかし、実際に外国人職員を受け入れるにあたり「採用しても、すぐに帰国してしまうのではないか?」「日本語でのコミュニケーションや指導、文化の違いはどうサポートすればいいのか?」といった悩みや不安は尽きません。
採用はゴールではなく、スタートです。せっかく採用した意欲ある外国人スタッフに、どうすれば長く活躍してもらえるのでしょうか。
この記事では、採用した人材が「介護福祉士」を取得し、貴施設で永続的に活躍するための具体的なステップと、成功事例に学ぶ支援のポイントを詳しく解説します。
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外国人介護職員の「介護福祉士」取得の重要性

まず、なぜ外国人職員の「介護福祉士」資格取得が重要なのでしょうか。それは「人手不足の解消」と「人材の定着」という、施設が抱える二大課題を同時に解決する唯一の道筋だからです。
介護業界の深刻な人材不足
ご存知の通り、日本の高齢化は急速に進んでいます。いわゆる2025年問題(団塊の世代が75歳以上の後期高齢者になる)を迎え、介護サービスの需要は爆発的に増加しています。
国内の生産年齢人口が減少する中、日本人だけではこの膨大な需要を到底満たせないことは明らかです。この人材不足を背景に、意欲ある外国人介護職員の力が、日本の介護現場を支える上で不可欠な戦力となっています。
「採用」の次に来る「定着」という壁
しかし、多くの施設が直面するのが「採用」の次の「定着」という壁です。「特定技能」や「技能実習」といった制度で外国人職員を受け入れた場合、原則として在留期間に「通算5年」という上限が設けられています。
現場でようやく仕事を覚え、日本人職員や利用者様との信頼関係も築け、これから中核メンバーとして活躍してほしいというタイミングで、在留期間の満了により帰国せざるを得ないことになります。
これは、施設側にとっても、キャリアアップを目指す本人にとっても、非常にもったいない状況です。これでは、施設は「一時的な労働力」を確保するために、採用と教育のコストを際限なく払い続けることになってしまいます。
解決策は「在留資格『介護』」への移行
この「在留期間の壁」を合法的に、そして恒久的に乗り越える唯一の方法が、介護福祉士の国家資格取得です。
外国人スタッフが日本の「介護福祉士」国家試験に合格し、資格登録を行うと、在留資格を「介護」に変更することができます。この在留資格「介護」には、他の制度と決定的に違う、以下の大きなメリットがあります。
- 在留期間の制限がない
在留資格「介護」は、業務を続ける限り更新が可能です。つまり、特定技能や技能実習のような「5年」という上限がなくなり、本人の意思次第で永続的に日本の介護施設で働き続けることができます。
- 家族の帯同が可能になる
特定技能1号や技能実習では認められていない「家族(配偶者・子)」の帯同が、在留資格「介護」では可能になります。母国に家族を残して単身で働く不安が解消され、日本に生活基盤を築くことができるため、人材の定着率が劇的に向上します。
- 専門職としてのキャリアパス
国家資格を持つ「介護福祉士」となることで、本人のモチベーションと社会的信用が向上します。現場のリーダーや指導役等、より責任ある立場での活躍が期待でき、施設全体のサービス品質向上にも貢献します。
結論として、施設が外国人介護職員に「介護福祉士」の資格取得支援を行うことは、将来にわたって安定した労働力を確保し、施設のサービス品質を維持・向上させるための最も確実な「経営戦略」なのです。

【導入事例】外国人材が介護福祉士に合格!成功施設の取り組み

「特定技能」や「技能実習」で入職した外国人スタッフが、実際に「介護福祉士」の国家資格を取得した2つの施設の事例から、具体的な支援のポイントを見てみましょう。
事例1:株式会社つくばエデュース あいリレー・ケアホームつくば
株式会社つくばエデュース(あいリレー・ケアホームつくば)では、2019年に受け入れた技能実習生のインドネシア人のうち2名が、第35回介護福祉士国家試験に合格しました。
この施設では、計画的な支援がポイントでした。まず、段階的な目標設定として、入国1年目で「N3取得」を目標に文法中心の学習を実施。2〜3年目には「夜勤の申し送り」など、より実践的な日本語訓練(作文・発表)に移行しました。
動機付けも工夫しており、2年目の終わりに受験の意思を確認。「家族を呼べる」「日本人と同じ働き方ができる(訪問介護など)」といった資格取得後の具体的なメリットを伝え、モチベーションを高めました。
試験対策としては、試験3ヶ月前から月2回の集中講座を開始。本番と同じ時間配分で模擬試験と解説を繰り返し、緊張感に慣れる訓練を行いました。
支援の中で直面した最大の壁は、母国にない「介護保険制度」の理解でした。これに対し、施設は独自の対策を講じました。「日常生活自立支援事業」のような複合語や、「必須である」「皆無である」といった試験特有の難解な日本語に対し、それらを母国語や簡単な日本語(例:皆無=ない)に置き換える『本人専用の単語帳』を作成させたのです。これにより、本人の頭の中で「試験の言葉」を「わかる言葉」に変換できるように指導しました。
出典:【地域のモデルケースへ】2023年1月の第35回介護福祉士国家試験で2名が合格!茨城県のケース|国際厚生事業団
【この事例から学べること】
この事例の最大のポイントは、長期的な育成計画と、課題の具体的な解決策です。まず、入国時から「N3取得」「実践日本語」「試験対策」と段階的なカリキュラムを組む計画性が優れています。
さらに、外国人にとって最大の壁である「介護保険制度」や「試験特有の難解な日本語」を指導担当者が正確に把握し、『本人専用の単語帳』を作らせるという、極めて具体的な学習テクニックを指導しています。
ただ「頑張れ」ではなく、「何を・どう学習すれば壁を越えられるか」を具体的に示すことが、合格に不可欠であったことが学べます。
事例2:株式会社シノケングループ
株式会社シノケングループでは、介護施設で働くインドネシア出身の「特定技能1号」人材2名が、第37回介護福祉士国家試験(2025年1月実施)に合格しました。この合格により、スタッフは在留資格が「介護」へ移行可能となり、在留期間の制約(5年の上限)がなくなりました。これにより、専門職として日本で永続的に活躍できるキャリアが開けたのです。
施設側にとっても、専門知識と技術を持つ人材の定着に繋がり、「持続可能な介護サービス提供体制の強化」という大きなメリットになりました。
この成功の背景には、本人の努力と企業の支援体制がありました。合格した2名は、「合格する」という明確な目標を持ち、互いに励まし合いながら学習。先輩の教えをすぐにメモし、翻訳アプリを活用しながらiPadでケア記録を行うなど、意欲的な姿勢が周囲にも良い影響を与えました。
また、同社では個室完備の専用寮を新築するなどの生活支援に加え、定期的な面談を実施。さらに、新たに「介護福祉士合格報奨金制度」を創設するなど、キャリアアップを後押しする体制を整えていました。
【この事例から学べること】
この事例から学べるのは、本人の高い学習意欲を支える、具体的な支援体制の重要性です。資格取得という高い目標に対し、企業側が「個室寮の整備」や「定期面談」といった手厚い生活支援で安心感を醸成し、さらに「合格報奨金制度」という明確な動機付け(インセンティブ)を提供しています。
本人の努力だけに依存するのではなく、企業が「本気で支援する」という姿勢を具体的に示すことが重要なのがわかります。
出典:インドネシア特定技能1号人材2名が介護福祉士国家試験に合格!| PR TIMES

外国人材が介護福祉士を目指す上での2つの壁

この成功事例からもわかるように、「介護福祉士」の取得は可能ですが、そこには外国人特有の大きな壁があります。
実務要件(3年以上の実務経験+実務者研修)
まず、介護福祉士の国家試験を受けるためには、「3年以上の実務経験」に加えて、「実務者研修(450時間)」を修了している必要があります。これは日本人と同様の要件です。
3年間の実務経験は施設で働くことでクリアできますが、問題は「実務者研修」です。これは外部の研修機関で講座を受ける必要があり、当然ながら受講費用(10万円~20万円程度)が発生します。
また、研修は通信教育だけでなく通学(スクーリング)も必要なため、多忙な介護業務のシフトと研修スケジュールを両立させなければなりません。
外国人スタッフ個人に「費用を全額負担し、休日に自分で通学して修了しなさい」と丸投げするだけでは、経済的・時間的な負担が大きすぎ、受験を諦めてしまうケースも少なくありません。
試験の日本語の難しさ
そして、外国人にとって最大の難関が、試験の「日本語」の壁です。
介護福祉士の国家試験は、当然ながらすべて日本語(漢字にはふりがな有り)で出題されます。合格に必要な日本語レベルは、一般的に「JLPT N2(日本語能力試験N2)」程度と言われています。
特定技能や技能実習で来日する際の要件は「N4程度」です。N4が「基本的な日本語を理解できる(簡単な日常会話)」レベルであるのに対し、N2は「日常的な場面に加え、幅広い場面で使われる日本語をある程度理解できる(新聞や雑誌の記事、平易な評論等が読める)」レベルです。
このN4とN2の間には、非常に大きなギャップがあります。
現場での日常会話やコミュニケーション(「おはようございます」「〇〇さん、トイレに行きましょう」)が問題なくできていても、国家試験の専門的な日本語を読み解くことは全く別次元の難しさです。
例えば、以下のような専門用語や、日本人でも迷うような微妙な言い回しが試験問題には頻出します。
- 「尊厳の保持」「QOL(生活の質)」「ノーマライゼーション」
- 「介護保険制度」に関する複雑な法律・制度の理解(例:日常生活自立支援事業等)
- 「~しなければならない(義務)」「~することが望ましい(努力義務)」「~してはならない(禁止)」
- 「皆無である(=全くない)」「必須である(=絶対必要)」
これらは現場のOJTや日常会話だけでは身につかない、「試験のための日本語」です。この対策をどう行うかが、合格の可否を分ける最大のポイントとなります。

介護施設ができる「介護福祉士」合格支援の具体策

では、施設側はこれらの壁を乗り越えるために、具体的にどのような支援を検討すればよいのでしょうか。
ステップ1:実務者研修の受講サポート
まずは「実務要件」の壁を取り除く支援です。
| 金銭的支援 | 実務者研修の受講費用を施設が全額または一部負担する。 あるいは、関連する資格取得支援制度として貸付を行い、合格・一定期間の就労後に返済を免除する、といった方法が考えられます。 |
|---|---|
| 環境的支援 | 研修のスクーリング日に合わせて勤務シフトを調整し、有給休暇の取得を奨励するなど、業務と学習を両立できる環境を整えることが不可欠です。 |
ステップ2:国家試験の日本語対策
次に、最大の難関である「日本語」の壁への対策です。
| 学習時間の確保 | シフトの合間や休日に学習できるよう、負担の重すぎない業務配分を考慮する。 |
|---|---|
| 教材の提供 | 過去問題集や参考書を法人で購入し、自由に閲覧できるようにする。 |
| 勉強会の実施 | 日本人の介護士資格を持つ職員が講師役となり、定期的に勉強会を開催する。 特に「介護保険制度」など、外国人には理解しにくい分野を重点的に解説する。 |
自社だけでの支援には限界がある?
これらの支援は理想的ですが、すべてを自社(施設)のリソースだけで賄うのは現実的に非常に困難な場合が多いです。
「研修費用を全額負担するのは経営的に厳しい…」
「ただでさえ人手不足なのに、勉強のためにシフトを調整するのは難しい…」
こうした「理想」と「現実」のギャップこそが、多くの介護事業を行う事業所が外国人スタッフの資格取得支援に踏み切れない最大の理由です。「本人の努力任せ」になってしまい、結果として合格できず、5年で帰国してしまうという悪循環に陥ってしまいがちです。


効率的な日本語学習と試験対策なら「日本語カフェ」

多忙な介護現場で働く外国人スタッフの日本語教育と資格取得支援を、「自社で抱え込む」のは非効率であり、限界があります。
介護施設特有の悩みを解決し、管理コストを大幅に削減しながら効率的に育成できるのが、オンライン学習サービス「日本語カフェ」です。
なぜオンライン講座なのか?
「日本語カフェ」のオンライン講座が、多忙な介護現場の支援に最適な理由は明確です。
| 施設側(管理者)のメリット | |
|---|---|
| コスト削減 | 日本語講師を直接雇用・管理する莫大な人件費や手間を大幅に削減できます。 |
| 管理の効率化 | 管理者用画面から、スタッフ一人ひとりの学習進捗状況を一目で把握できます。「本人の努力任せ」にならず、適切な声かけや指導が可能です。 |
| スタッフ側(学習者)のメリット | |
|---|---|
| 時間と場所の自由 | スマホやPCがあれば、24時間いつでもどこでも学習可能。 休憩時間や通勤中、夜勤明けなど、不規則なシフト勤務と両立しやすいのが最大の強みです。 |
| 高品質な講義 | 厳しい審査をパスした一流のプロ講師による、合格に特化したわかりやすい動画講義を、理解できるまで何度でも繰り返し視聴できます。 |
「日本語カフェ」では、外国人介護職員のキャリアステップに合わせた2つの講座をご用意しています。

まずは日本語の土台を固める「JLPT合格コース」

介護福祉士試験の土台となる「N2レベル」の日本語力がなければ、試験対策は始まりません。まずはスタッフの日本語レベルを底上げすることが不可欠です。
こんな施設におすすめ

「まずはスタッフの日本語コミュニケーション能力を上げたい」
「日常会話はできても、書類や申し送りが不安…」
「将来的に介護福祉士を目指せる日本語の基礎(N2)を固めさせたい」
- レベル別完全カリキュラム(N5〜N1対応)
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「何を、どの順番で学べば合格できるか」がすべて整理されています。
- 高品質な動画+ドリル
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プロ講師による、わかりやすく丁寧な動画講義と豊富な演習問題で、「わかる」を「使える」に変えます。
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試験合格に直結する「介護福祉士 合格対策集中講座」


日本語の基礎が固まったら、介護福祉士試験に特化した対策が必要です。
こんな施設におすすめ



「試験まで時間がない。効率よく合格ポイントだけ学ばせたい」
「仕事と勉強の両立を強力にサポートしたい」
「『介護保険制度』など、日本人でも教えにくい分野をプロに任せたい」
- 4ヶ月集中カリキュラム
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合格に必要なポイントを凝縮。知識豊富な介護福祉士講師が、わかりやすく徹底サポートします。
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- 日本語学習もサポート
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なんと、講座期間中は、JLPTコースも使い放題。介護の専門知識と日本語(試験特有の言葉)を同時に強化できる、理想的な環境です。
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おすすめの学習ステップ
外国人スタッフの定着と育成には、計画的な支援が不可欠です。まず「JLPT合格コース」でN2レベルの確実な日本語力を身につけ、その後「介護福祉士 合格対策集中講座」で専門知識を学び合格を目指すのが、最も確実なルートです。
このたび、当社支援機関を通じて学習を続けていた外国人介護職の方が、見事「介護福祉士国家試験」に合格されました!
外国人受験者にとっては言語の壁もあり、合格は決して簡単なものではありません。それでもこの方は、目標に向かってコツコツと努力を積み重ね、見事に合格を勝ち取りました!


- ■ 介護福祉士を目指した理由
「日本で安心して長く働き、家族を支えたい」という強い思いから、介護福祉士を目指しました。
資格を取れば、より安定した働き方ができ、将来的なキャリアアップにもつながると考えたからです。
- ■ 1日3時間、仕事と両立しながらの学習
勉強は約1年前からスタート。
本業の合間や休日も使いながら、毎日3時間以上コツコツと学習を積み重ねていきました。
特に役立ったのが、支援機関から紹介された「日本語と介護のビデオ教材」です。
スマホでいつでも見られるため、通勤時間や休憩時間も有効に使え、自分のペースで理解を深めることができました。
ビデオで全体の流れを理解した後に問題集を解き、間違いを丁寧に復習することで、確実に実力がついていくのを実感できました。
- ■ 教材だけでなく、現場からも学ぶ
教科書や試験対策アプリも活用しつつ、職場の先輩に積極的に質問し、現場での経験を通じて実践的な知識も習得していきました。
学習と仕事の両立は決して簡単ではありませんが、「自分を信じて、最後まであきらめないこと」が何より大切だったと振り返っています。
日本語カフェでは、貴社の状況やスタッフのレベルに合わせた最適な学習プランをご提案します。
介護福祉士取得までを見据えた長期的な教育計画についても、お気軽にご相談ください。
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まとめ


本記事では、外国人介護職員の採用と定着について解説しました。採用後の「定着」と「永続的な戦力化」の鍵となるのが、「介護福祉士」の国家資格取得支援です。
この資格取得により、特定技能や技能実習の在留期間5年の上限から、制限のない「在留資格『介護』」へ移行が可能となり、施設と本人双方に大きなメリットが生まれます。
しかし、その合格には最大の壁である日本語(N2レベル)の対策が必要であり、これは現場のOJTや本人の努力任せだけでは極めて困難です。「日本語カフェ」のようなオンライン講座を活用すれば、施設側の管理コストを抑えつつ、スタッフが効率的に「JLPT N2対策」と「介護福祉士試験対策」を進めることが可能になります。
外国人スタッフへの「教育」という投資は、将来の「人手不足解消」と「サービスの質向上」に繋がる、最も確実な未来への投資といえるでしょう。
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