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外国人介護士のデメリットとは?採用前に知るべき4つの課題と対策

外国人介護士 デメリット

介護業界の深刻な人手不足の解決策として、意欲あふれる外国人介護士の採用に注目が集まっています。しかし、実際に受け入れを検討する段階になると、「利用者様とのコミュニケーションは大丈夫だろうか」「文化の違いによるトラブルは起きないか」といった、様々な不安が頭をよぎるのではないでしょうか。

デメリットやリスクを事前に把握しておきたい、と考えるのは当然のことです。外国人介護士の採用には、主に4つのデメリットが考えられます。しかし、それらは事前に内容を理解し、一つひとつ適切な対策を講じることで、十分に乗り越えることが可能な課題です。

この記事では、多くの介護施設が直面する具体的なデメリットとその対策を徹底的に解説します。漠然とした不安が具体的な課題として整理され、現場で実践できること、そして採用した人材を施設の未来を支える力へと育てていく道筋が見えてくるはずです。

目次

外国人介護士4つのデメリットと具体的な対策

ミスコミュニケーションに悩む外国人女性

それでは、外国人介護士の受け入れにおいて、具体的にどのような課題が考えられるのか、そしてそれらにどう対処していけばよいのかを詳しく見ていきましょう。

デメリット1:コミュニケーションの壁と言葉の問題

最も多くの施設が直面するのが、コミュニケーションの壁です。これは単に「日本語が話せるか」という問題だけではありません。例えば、認知症の利用者様との対話では、教科書通りの日本語だけでは意図を汲み取ることが難しい場面が多々あります。

また、日本人職員同士が方言や略語で交わすスピーディーな情報共有に、外国人スタッフがついていけず、業務連携にミスが生じる可能性も考えられます。介護記録で使われる専門的な言葉の理解と記述も、大きなハードルとなるでしょう。

この課題に対しては、まず施設全体で「やさしい日本語」を使う意識を持つことが大切です。「お看取り」を「ご家族と静かにお別れをすること」のように、専門用語を簡単な言葉に言い換えるリストを作成し、施設内で共有するのも効果的です。

また、言葉だけに頼らず、図やイラストを多用した指示書や業務マニュアルを作成することで、認識のズレを大幅に減らすことができます。

デメリット2:文化・習慣・宗教の違いによる摩擦

次に考えられるのが、生まれ育った環境の違いから生じる、文化・習慣、そして宗教の違いによる摩擦です。例えば、利用者様の身体に触れるケアに対して、文化的な背景から抵抗を感じるスタッフもいるかもしれません。

また、時間に対する感覚の違いや、イスラム教のハラル(豚肉やアルコールを避ける食事)や礼拝への配慮など、日本人職員だけでは想定しきれない事柄も存在します。

これらの違いを乗り越える鍵は、「相互理解」に尽きます。受け入れる施設側が、採用前にスタッフの母国の文化や宗教について学ぶ研修を実施することが重要です。同時に、外国人スタッフにも日本の介護現場の文化や価値観を丁寧に伝える機会を設けましょう。

気軽に悩みを相談できる日本人メンターをつけたり、お互いの国の料理を紹介しあう交流会を開いたりするなど、個人対個人の関係性を築く取り組みが、文化の壁を溶かしていきます。

デメリット3:教育・研修にかかる時間とコストの増大

三つ目のデメリットは、教育・研修にかかる負担の増大です。日本人の中途採用者であれば、介護技術の指導が中心となりますが、外国人スタッフの場合はそれだけでは不十分です。

日本の介護保険制度の仕組みや介護理念、ビジネスマナー、そして何よりも業務に必要な日本語教育など、教えるべき内容は多岐にわたります。これら全てを現場のOJTだけでカバーしようとすると、指導役の職員に大きな負担がかかり、現場全体の疲弊につながりかねません。

この対策としては、受け入れ体制の整備が不可欠です。入職後の初期研修プログラムを体系化・マニュアル化し、誰が何を教えるのかを明確にしておきましょう。指導役の職員には別途手当を支給するなど、負担に見合った評価をすることも大切です。

また、専門的な知識や日本語教育については、無理に自社だけで抱え込まず、外部の研修サービスを効果的に活用することも検討すべきです。

デメリット4:在留資格の手続きと就労期間の制限

そして、多くの経営者様が懸念するのが、在留資格に関する問題です。外国人材を受け入れるためには、複雑な申請書類を準備する必要があり、その手続きは煩雑です。さらに大きな課題が、在留資格によって定められた就労期間の制限です。

例えば、介護分野で多くの外国人材が取得する「特定技能1号」という在留資格は、日本で働ける期間が最長で5年と決められています。

「せっかく時間とコストをかけて育成し、ようやく現場の中核を担えるようになったのに、5年で帰国しなくてはならない」というのは、人手不足に悩む施設にとって計り知れない損失です。

しかし、この「5年の壁」を乗り越える、究極の対策が存在します。それが、国家資格である「介護福祉士」の取得を支援することです

外国人スタッフが実務経験を積み、介護福祉士の国家試験に合格すると、在留資格を「介護」に変更できます。この「介護」ビザには就労期間の上限がなく、更新を続けることで永続的に日本で働き続けることが可能になります。

これは、スタッフ本人にとっても日本で安定した生活を築くための大きな目標となり、学習意欲や仕事へのモチベーション、そして施設への定着率を飛躍的に向上させます。施設にとっては、日本の介護を深く理解した専門人材を、未来のリーダー候補として長期的に確保できるという、計り知れないメリットがあるのです。

デメリットだけじゃない!外国人介護士がもたらす大きなメリット

介護施設の外を見る介護士とシニア

デメリットへの対策に目が行きがちですが、リスクを理解し、適切な受け入れ体制を整えることで、外国人介護士の採用はデメリットをはるかに上回る恩恵を施設にもたらします。具体的にどのようなメリットがあるのか、詳しく見ていきましょう。

メリット1:深刻な人手不足の解消と若手人材の確保

日本の介護業界が直面する最も深刻な課題は、言うまでもなく人手不足です。日本人職員の高齢化も進む中で、若く、意欲的な人材の確保は多くの施設にとって死活問題となっています。外国人介護士は、この課題に対する直接的かつ効果的な解決策となります。

海外から来日する介護人材の多くは20代から30代の若者です。彼らは介護という仕事への高い目的意識と学習意欲を持っており、その熱意は職場全体に活気をもたらします。

体力的な負担が大きい介護現場において、若くエネルギッシュな人材が加わることは、既存の職員の負担軽減にも繋がり、施設全体のケア提供能力を底上げする大きな力となります

メリット2:職場環境の活性化と多様性の促進

単一文化の組織は、時として業務の進め方や考え方が固定化し、新しい発想が生まれにくい環境に陥りがちです。そこに異なる文化背景を持つ外国人スタッフが加わることは、組織にとって多様性を生むきっかけとなります

彼らの真面目でひたむきな仕事への姿勢は、日本人職員にとっても良い刺激となり、「当たり前」だと思っていた業務を改めて見直す機会を与えてくれます。また、日本人職員が「やさしい日本語」で伝えようと意識することで、施設全体のコミュニケーション能力が向上します。

これは、外国人スタッフのためだけでなく、利用者様やそのご家族との対話においても、より丁寧で分かりやすいコミュニケーションを促すという副次的な効果も期待できます。異文化への理解が深まることで、組織全体がよりオープンで風通しの良い環境へと変わっていくでしょう。

メリット3:施設のイメージアップと国際貢献

外国人材を積極的に受け入れ、彼らが生き生きと活躍できる環境を整備していることは、社会に対して非常にポジティブなメッセージを発信します。人権や多様性を尊重する先進的な取り組みを行っている施設として、利用者様やそのご家族からの信頼が高まるだけでなく、採用活動においても「国際的で働きがいのある職場」として、優秀な日本人材からも選ばれやすくなります

さらに、外国人介護士を育成し、専門職として活躍する機会を提供することは、日本が持つ高度な介護技術や知識を世界に広める「国際貢献」の一環でもあります。地域社会の一員として、またグローバルな視点を持つ事業者として、施設の社会的価値を高めることにも繋がるのです。

すべての課題解決の土台となる「計画的な日本語教育」

日本語能力試験の勉強

ここまでご紹介してきた4つのデメリット、すなわち「コミュニケーション」「文化摩擦」「教育コスト」「在留期間」という課題の根底には、実は共通する一つの要素があります。それが「日本語能力」です

利用者様や職員との円滑な対話はもちろんのこと、日本の介護理念や文化を深く理解するためにも、日本語力は不可欠な土台となります。また、将来的に介護福祉士の資格取得を目指す上では、専門用語が並ぶ試験問題を読解できるだけの高度な日本語能力が求められます。

しかし、日々の忙しい業務をこなしながら、外国人スタッフが独力で日本語を習得し続けるのは、極めて困難です。現場の職員が片手間で教えるにも限界があり、非効率的であるだけでなく、かえって間違った日本語を教えてしまうリスクすらあります。

だからこそ、日本語教育は、その道のプロフェッショナルによる、体系化されたプログラムに任せるのが最も確実で効率的な方法と言えるでしょう

オンラインで実現する効率的な日本語学習サポート「日本語カフェ」

日本語カフェのJLPT N2合格コースのトップ画面

日々の業務に追われる中で、施設が自力で質の高い日本語教育を提供し続けるのは現実的ではありません。「教える時間がない」「何から教えればいいか分からない」「教育担当者の負担が大きい」といった新たな課題も生まれてしまいます。

そこで有効なのが、オンラインで完結する専門的な学習プログラムの導入です。オンライン日本語教育サービスの「日本語カフェ」が提供する「JLPT合格コース」は、まさにそうした介護施設の課題を解決できる講座です

JLPT合格コース
専門家監修のカリキュラム

厳しい審査をパスした一流の日本語講師が監修しており、「何を、どの順番で学べば合格できるか」が明確です。介護現場でのコミュニケーションの基礎となる日本語能力試験(JLPT)の合格を最短ルートで目指せます。

時間と場所を選ばない柔軟な学習

スマートフォンやPCがあれば、1回10分からのスキマ学習も可能。夜勤や不規則なシフトがある介護スタッフでも、一人ひとりが自分のペースで無理なく学習を続けられます。

教育担当者の負担を大幅に削減

管理者は専用画面でスタッフ一人ひとりの学習状況を一目で確認できます。誰が、いつ、どのくらい学習しているかがすぐに分かるため、進捗管理にかかる手間と時間を大幅に削減することが可能です。

プロ講師による分かりやすい動画講義と、豊富な演習ドリルでインプットとアウトプットを繰り返すことで、「わかる」だけでなく、現場で「使える」日本語力が身につきます。施設全体の日本語レベルを底上げするための最適なソリューションです。

ご相談はお気軽にこちらから/

まとめ:デメリットへの対策が、施設の未来を創る

外国人による介護の様子

本記事では、外国人介護士の採用における4つのデメリットと、それらに対する具体的な対策について解説してきました。

外国人介護士の採用には、コミュニケーションの壁や文化の違いなど、確かに乗り越えるべき課題が存在します。しかし、それらは一つひとつ対策可能なものであり、むしろその過程で、施設全体のコミュニケーションや教育体制が見直され、より良い職場環境が育まれるきっかけにもなり得ます。

特に、在留期間の制限という大きなデメリットは、「介護福祉士」へのキャリアパス支援によって乗り越えることができます。そして、その土台となるのが、計画的で質の高い日本語教育です。デメリットを恐れるのではなく、一つひとつ対策を講じ、受け入れ体制を整備することが、採用成功の鍵となります。

外国人介護士の教育は、単なる「コスト」ではなく、未来の施設を支える人財への大切な「投資」です。この記事が、貴施設が新たな一歩を踏み出すきっかけとなれば幸いです。

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この記事を書いた人

三木 雅史(Masafumi Miki) 株式会社E-MAN会長
1973年兵庫県たつの市生まれ / 慶応義塾大学法学部法学科卒
・25歳で起業 / デジタルガレージ / 電通の孫請でシステム開発
・web通販事業を手掛ける
・2006年にオンライン英会話を日本で初めて事業化
・2019年外国人の日本語教育を簡単、安価にするため
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