外国人スタッフに長く活躍してほしいと願う介護施設にとって、彼らのキャリアアップ支援は非常に重要な課題です。特に、国家資格である「介護福祉士」の取得は、スタッフ本人の定着率向上と、施設全体の介護サービスの質向上に直結します。
しかし、「日本語での学習サポートはどうすれば?」「試験問題は外国人にとって難しくないだろうか?」といった不安や疑問を感じている施設担当者の方も多いのではないでしょうか。
この記事では、外国人スタッフが介護福祉士国家試験に合格するためのポイントを、試験の基本情報から、施設としてできる具体的なサポート方法まで、くわしく解説します。
試験問題のすべての漢字には「ふりがな」が付きますが、合格するためにはJLPT N2レベル相当の日本語力と、それを土台とした計画的な学習が必要です。この記事を最後まで読めば、外国人スタッフの合格を後押しするための具体的な道筋が見えてくるはずです。
介護福祉士国家試験とは?外国人受験者のための基本情報

まずは、介護福祉士国家試験がどのようなものか、基本的な情報から確認していきましょう。ここでは、資格の重要性から最新の試験概要を解説します。
介護福祉士が日本の介護現場で重要な理由
介護福祉士は、介護に関する専門的な知識と技術を持つことを証明する国家資格です。この資格を持つことで、スタッフは専門職としての自信と誇りを持って業務にあたることができ、より質の高いケアの提供が可能になります。
また、在留資格「介護」を申請できるようになり、日本での就業が無期限に可能になるため、日本での生活をより安定させることができます。
施設にとっては、資格保有者が増えることで、利用者やその家族からの信頼性が高まり、安定した人材確保、つまりスタッフの長期的な定着へと繋がります。
試験の概要:日程・科目・合格基準
介護福祉士国家試験は、年に一度、筆記試験が1月下旬、実技試験が3月上旬に実施されます。
| 第38回 介護福祉士国家試験の概要 | |
|---|---|
| 筆記試験日 | 2026年1月下旬(予定) |
| 実技試験日 | 2026年3月上旬(予定) |
| 受験申込期間 | 2025年8月上旬~9月上旬(予定) |
| 試験形式 | マークシート方式による筆記試験 |
| 出題科目 | 11科目群(人間の尊厳と自立、人間関係とコミュニケーション、社会の理解、介護の基本、コミュニケーション技術、生活支援技術、介護過程、こころとからだのしくみ、発達と老化の理解、認知症の理解、障害の理解、医療的ケア) |
| 合格基準 | 総得点の60%程度を基準とし、問題の難易度で補正。かつ、11科目群すべてにおいて得点があること。 |
外国人スタッフが介護福祉士試験を受けるための「受験資格」を確認

介護福祉士国家試験を受験するには、定められた要件を満たす必要があります。自社のスタッフがどのルートに該当するのか、事前にしっかりと確認しましょう。
| 受験資格ルート | 主な要件 |
|---|---|
| 実務経験ルート | 介護現場での3年以上の実務経験 + 実務者研修の修了 |
| 養成施設ルート | 介護福祉士養成施設(専門学校など)を卒業 |
| EPAルート | EPA介護福祉士候補者として来日し、研修・就労 |
受験資格の各ルートと詳細
- 実務経験ルート
-
すでに介護現場で働いている外国人スタッフにとって最も一般的なルートです。介護などの業務に3年以上(従業期間1,095日以上かつ実働日数540日以上)従事し、さらに国が定めた「実務者研修(450時間)」を修了することで受験資格が得られます。日々の業務経験を活かしながら資格取得を目指せるのが特徴です。
- 養成施設ルート
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日本の介護福祉士養成施設(2年制の専門学校など)を卒業することで受験資格が得られるルートです。介護の知識や技術を体系的に学んでから現場に出たいと考える留学生などがこのルートを選択します。
- EPA(経済連携協定)ルート
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インドネシア、フィリピン、ベトナムとの経済連携協定に基づき、介護福祉士候補者として来日した方が対象となる特別なルートです。日本の介護施設で働きながら研修を受け、介護福祉士の資格取得を目指します。


全ての漢字に「ふりがな」付き!でも合格には日本語のが必要

外国人受験者にとって最も気になるのが、試験の「言葉の壁」ではないでしょうか。ここでは、試験問題のふりがなの実例と、ふりがなだけでは合格が難しい理由を解説します。
試験問題の「ふりがな」はどうなってる?
試験対策において、多くの外国人受験者やその支援者が最も気にするのが、言葉の壁です。この点において、介護福祉士国家試験の最大の特徴として、問題用紙に記載されているすべての漢字にふりがなが振られています。
これにより、漢字の読み方がわからないという理由で問題が解けない、という事態を避けることができます。この配慮は、外国人受験者にとって非常に大きな安心材料となるでしょう。
過去のふりがな付きの問題例


なぜ「JLPT N2レベル」の日本語力が必要?
しかし、ふりがながあるからといって、日本語の学習が不要になるわけではありません。むしろ、合格のためにはJLPT(日本語能力試験)N2レベルに相当する、高いレベルの読解力が不可欠です。
なぜなら、試験問題は、利用者の生活背景や心身の状態が詳細に記述された長い文章で構成されているからです。ふりがなを頼りに一語ずつ読んでいては、時間内にすべての問題を解き終えることは困難です。
さらに、選択肢の中には非常に紛わしい表現や、微妙なニュアンスの違いで正誤が分かれるものが多く含まれています。文章全体の文脈や登場人物の感情を正確に読み解く「理解力」がなければ、正答にたどり着くことはできません。
介護の専門用語は、現場の場面と結びつけて覚えよう
試験には「臥床(がしょう)」や「嚥下(えんげ)」といった専門用語が数多く登場します。これらの言葉は、ふりがながあっても、言葉自体の意味を知らなければ理解できません。
大切なのは、言葉と意味をセットで丸暗記するのではなく、普段の仕事の場面と結びつけて覚えることです。
例えば「嚥下」という言葉を学ぶとき、「食事の介助で、Aさんがしっかり飲み込めているか確認する、あの場面のことだ」と具体的な光景を思い浮かべます。
このように、実際の業務と関連付けて言葉を覚えることで、知識が定着しやすくなり、試験の事例問題にも対応できる応用力が身につきます。

合格を後押しする!効果的な学習方法と施設のサポート

外国人スタッフが介護福祉士国家試験という高い壁を乗り越えるためには、本人のたゆまぬ努力が不可欠です。しかし、それと同時に、働く施設側の組織的かつ計画的なサポートが重要です。ここでは、個人の効果的な学習戦略と、施設が提供できる具体的な支援策を詳しく解説します。
個人の学習戦略:合格へのロードマップ
まずは、受験者本人が取り組める効果的な学習方法です。限られた時間の中で最大限の成果を出すためには、戦略的に学習を進める必要があります。
合格への最も確実な近道は、過去問題を繰り返し解くことです。最低でも過去5年分の問題に取り組みましょう。これにより、以下の3つの大きなメリットが得られます。
- 出題パターンの把握
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どのような形式で、どの分野から、どんな知識が問われるのかという「試験のクセ」を掴むことができます。
- 時間配分の習得
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全ての問題を時間内に解き終えるためのペース配分を体で覚えることができます。特に長文の事例問題にどれだけ時間をかけるべきか、感覚を養うことが重要です。
- 自分の弱点の発見
-
間違えた問題や理解が曖昧な箇所が明確になり、重点的に復習すべき分野を特定できます。
ただ解くだけでなく、間違えた問題は解説をじっくり読み込み、なぜ間違えたのかを必ず理解するようにしましょう。
働きながら学習時間を確保するのは大変です。そこで重要になるのが、通勤中の電車やバスの中、仕事の休憩時間といった「スキマ時間」の活用です。
スマートフォンの一問一答アプリや単語帳アプリなどを利用すれば、5分や10分といった短い時間でも、専門用語の暗記や知識の確認ができます。毎日少しずつでも学習を続ける「継続力」が、最終的に大きな力となります。
同じ目標を持つ仲間と一緒に勉強することは、非常に効果的です。一人ではくじけそうになる時も、仲間がいれば励まし合い、モチベーションを維持できます。
また、お互いに分からない部分を教え合う「アウトプット」の機会を持つことで、自分の理解度を再確認し、知識がより深く定着します。日本人スタッフを交えて勉強会を開けば、専門用語の細かなニュアンスや、現場での実践的な知識について教えてもらう良い機会にもなるでしょう。

施設のサポート体制:組織全体で合格をバックアップ
本人の努力を実らせるためには、施設側の強力なバックアップが欠かせません。スタッフが安心して学習に集中できる環境を整えることが、施設の役割です。
まずは、学習環境の整備を進めることが効果的です。
- 勉強スペースの提供
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スタッフが仕事終わりや休日に集まって勉強できるよう、会議室や休憩室を開放しましょう。静かで集中できる環境があるだけでも、学習の効率は大きく変わります。
- 学習ツールの共有
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施設として推奨する参考書や問題集を購入して貸し出したり、便利な学習アプリの情報を共有したりすることも有効です。特に費用面でのサポートは、スタッフの経済的な負担を軽減します。
- 情報提供の場を設ける
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過去に試験に合格した先輩スタッフから、具体的な勉強方法や試験当日の体験談を聞く機会を設けましょう。身近なロールモデルの存在は、受験者にとって大きな励みになります。
試験が近づくにつれて、学習への集中度を高める必要があります。施設としては、スタッフが勉強時間を十分に確保できるよう、勤務体制に配慮することが重要です。
- シフトの調整
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試験直前期には、連続した休日が取れるようにシフトを調整したり、夜勤の回数を減らしたりするなどの配慮が考えられます。
- 有給休暇取得の奨励
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試験前の追い込みのために、有給休暇を取得しやすい雰囲気を作ることも大切です。「みんなで応援している」というメッセージが伝わります。
こうした施設全体の支援体制は、スタッフのエンゲージメントを高め、「この施設で長く働きたい」という思いを育みます。それは結果として、利用者へのケアの質の向上と、安定した人材確保へと繋がっていくのです。

日本語教育と試験対策を両立できる「日本語カフェ」オンライン講座

ここまで、日本語能力の重要性や効率的な学習方法について解説してきましたが、「わかってはいても、施設だけで専門的な日本語教育や試験対策を行うのは難しい」と感じる担当者の方も多いのではないでしょうか。そんな課題を解決するのが、オンライン講座「日本語カフェ」です。
日本語学習なら『JLPT合格コース』がおすすめ
介護福祉士の専門的な学習を始める前に、まずはその土台となる日本語の基礎を固めることが不可欠です。特に、スタッフの日本語教育にまで手が回らない、あるいは学習の進捗管理が大変だとお悩みなら、「日本語カフェ」の『JLPT合格コース』がおすすめです。
プロの日本語講師が監修した、合格に特化した動画カリキュラムが使い放題。スタッフ一人ひとりの学習状況を管理画面で簡単に確認できるため、担当者の負担を大幅に削減できます。スマートフォン一つでいつでもどこでも学習できるので、忙しいスタッフでも自分のペースで着実に日本語力を高めることが可能です。
ゼロから3ヶ月でJLPT N3に合格

「日本語カフェ」で学習したフィリピン人受講者4名は、日本語学習未経験からわずか3ヶ月の学習で、日本語能力試験(JLPT)N3に全員合格しました。2025年4月に学習を開始し、1日平均6時間の自主学習を継続した結果、6月にはN5・N4を突破。そして7月には、通常半年以上かかるといわれるN3レベルに到達しました。
実際の試験結果では、文字語彙・文法読解・聴解のすべての分野で合格点をクリアしており、「日本語カフェ」のカリキュラムが短期間で成果を出せることを証明しています。
一般的に学習効果のばらつきやモチベーション維持に課題がある日本語教育ですが、明確な合格目標と効率的な学習設計により、4人全員が同時にN3合格を果たしました。
4ヶ月で合格へ!日本語サポート付き「介護福祉士 受験対策講座」
すでにJLPT N2程度の日本語力がある、あるいはJLPTコースと並行して専門的な試験対策を進めたいという方には、『介護福祉士 受験対策講座』をご用意しています。
この講座では、介護福祉士の専門講師が合格に必要なポイントを動画で分かりやすく解説。豊富な模擬試験や過去問題の演習を通じて、本番さながらの実践力を養成します。
さらに、講座期間中はJLPTコースも使い放題になるため、専門知識の学習と日本語の復習を同時に進めることができ、万全の体制で試験に臨めます。
このたび、当社支援機関を通じて学習を続けていた外国人介護職の方が、見事「介護福祉士国家試験」に合格されました!
外国人受験者にとっては言語の壁もあり、合格は決して簡単なものではありません。それでもこの方は、目標に向かってコツコツと努力を積み重ね、見事に合格を勝ち取りました!

- ■ 介護福祉士を目指した理由
「日本で安心して長く働き、家族を支えたい」という強い思いから、介護福祉士を目指しました。
資格を取れば、より安定した働き方ができ、将来的なキャリアアップにもつながると考えたからです。
- ■ 1日3時間、仕事と両立しながらの学習
勉強は約1年前からスタート。
本業の合間や休日も使いながら、毎日3時間以上コツコツと学習を積み重ねていきました。
特に役立ったのが、支援機関から紹介された「日本語と介護のビデオ教材」です。
スマホでいつでも見られるため、通勤時間や休憩時間も有効に使え、自分のペースで理解を深めることができました。
ビデオで全体の流れを理解した後に問題集を解き、間違いを丁寧に復習することで、確実に実力がついていくのを実感できました。
- ■ 教材だけでなく、現場からも学ぶ
教科書や試験対策アプリも活用しつつ、職場の先輩に積極的に質問し、現場での経験を通じて実践的な知識も習得していきました。
学習と仕事の両立は決して簡単ではありませんが、「自分を信じて、最後まであきらめないこと」が何より大切だったと振り返っています。
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まとめ:計画的なサポートで、外国人スタッフと共に施設の未来を創ろう

この記事では、外国人スタッフが介護福祉士国家試験に合格するための要点について解説しました。最後に、重要なポイントを振り返ります。
試験問題にはすべてふりがなが振られていますが、それに頼るだけでは不十分です。合格には、JLPT N2レベルの日本語力を土台とした、長文を読み解く理解力が不可欠です。そして、その合格を実現するためには、本人の努力に加え、施設全体での計画的な学習サポートが何よりも重要になります。
外国人スタッフの資格取得は、単なる個人のスキルアップにとどまりません。それは、本人のキャリアと自信を育み、施設の介護サービスの質を高め、そして何よりも、大切な人材の定着へと繋がる未来への投資です。
「スタッフの日本語レベルに合わせた学習プランを相談したい」
「何からサポートを始めればいいか分からない」。
そんなお悩みをお持ちでしたら、ぜひ一度、「日本語カフェ」のお問い合わせページからお気軽にご相談ください。専門のカウンセラーが、状況に合わせた最適なプランをご提案します。
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