外国人の介護人材の採用が広がる中で、介護福祉士試験の難易度や合格率の実態を知りたいと考える企業担当者も多いのではないでしょうか。国家資格の取得は人材の定着やキャリア形成にも直結するため、試験の現状を正しく把握しておくことは重要です。
厚生労働省が公表している公式データを見ると、介護福祉士試験の全体合格率と、外国人受験者の合格率には一定の差があることが分かります。ただし、その差をどのように捉えるべきかは、制度の仕組みや受験ルート、日本語で実施される試験の特性を踏まえて考える必要があります。
本記事では、厚生労働省の公式発表をもとに、外国人が介護福祉士試験を受ける場合の合格率の現状を整理します。そのうえで、外国人の介護人材を採用している企業がどのように支援体制を整えるべきかについて、具体的な視点から解説します。
介護福祉士国家試験の全体合格率

介護福祉士国家試験の難易度を判断するうえで、まず確認すべきなのが全体の合格率です。ここでは、公式に公表されている最新データをもとに、試験の実態を整理します。
第37回の受験者数・合格者数・合格率
介護福祉士国家試験は、厚生労働省 の所管のもと、公益財団法人社会福祉振興・試験センター が実施する国家試験です。最新の第37回介護福祉士国家試験(2025年1月実施)の結果によると、受験者数は75,387人、合格者数は58,992人で、合格率は78.3%と公表されています。
この数値から見ると、介護福祉士国家試験は「極端に難関」という試験ではなく、一定の準備を行えば十分に合格を目指せる水準にあることがわかります。ただし、この78.3%という数字は日本人受験者を含む全体の合格率であり、受験ルートや背景によって実態は異なります。
参考:第37回介護福祉士国家試験合格発表について|厚生労働省
過去数年の合格率推移

過去数年の合格率を見ても、おおむね70%台後半で推移しており、大きな乱高下は見られていません。これは、出題傾向や合格基準が比較的安定していることを示しています。
企業として外国人材の資格取得を支援する場合、この安定した合格率は一つの指標になります。計画的に学習環境を整備すれば、一定の成果が見込める試験であるといえます。
試験制度の概要
介護福祉士国家試験は、原則として年1回実施され、筆記試験形式で行われます。試験問題はすべて日本語で出題され、介護の専門知識に加えて、文章読解力や用語理解力も問われます。
出題科目には、介護の基本、こころとからだのしくみ、医療的ケア、社会の理解などが含まれ、単なる実務経験だけでなく体系的な知識の習得が求められます。そのため、試験対策には計画的な学習が不可欠です。

外国人の合格率はどのくらい?

外国人受験者の合格率についても、厚生労働省が公表している試験結果資料をもとに、合格率のデータを確認してみましょう。
厚生労働省が公表している公式データ
厚生労働省が公開している「第37回介護福祉士国家試験結果」の公式資料には、受験者全体の数値が示されているほか、EPA(経済連携協定)介護福祉士候補者について別項目で合格者数・合格率が公表されています。EPA介護福祉士候補者は、日本と協定を結んだ国から来日して介護人材として受験する外国人で、一定の制度的枠組みで受験しています。

公式データによると、EPA介護福祉士候補者の合格率は37.9%となっており、この数字は全体の合格率と比較して低い水準にあります。
この差は、同じ国家試験を受験しているにもかかわらず、受験者の背景によって結果が大きく異なる可能性を示しています。特に外国人材の資格取得を支援する企業にとっては、この公式データの差を前提として教育体制や支援方法を検討する必要があります。

外国人が介護福祉士試験を受験する主なルート

外国人が介護福祉士国家試験を受験する場合、いくつかのルートがあります。ここでは、厚生労働省が示している受験資格や制度の枠組みに基づき、代表的な受験ルートを紹介します。
EPAルート
EPA(経済連携協定)に基づき来日した介護福祉士候補者は、一定期間日本の介護施設で就労・研修を行いながら国家試験の受験を目指します。この制度は、協定に基づく特別な枠組みであり、受験機会や滞在期間に関する条件が定められています。
EPA介護福祉士候補者については、厚生労働省の試験結果資料において、受験者数や合格率が個別に公表されています。前述のとおり、第37回試験では合格率37.9%という公式数値が示されています。
養成施設ルート
外国人が日本の介護福祉士養成施設(専門学校等)で所定の課程を修了した場合、国家試験の受験資格を得ることができます。このルートでは、日本人学生と同様にカリキュラムに基づく教育を受けたうえで試験に臨みます。
養成施設で体系的に専門知識や日本語を学ぶことができるため、基礎から積み上げていく形で受験準備を進められる点が特徴です。企業としては、在学中の留学生を採用するケースや、卒業後の資格取得を見据えた採用計画を立てるケースも考えられます。
実務経験ルート
実務経験ルートでは、一定期間(原則3年以上)介護業務に従事し、実務者研修を修了することで受験資格を得ることができます。外国人材であっても、要件を満たせばこのルートでの受験が可能です。
このルートは、すでに現場で働いている外国人スタッフが対象となるため、企業側の支援体制が合否に大きく影響します。業務と学習の両立が必要になることから、学習時間の確保や試験対策の仕組みづくりが重要になります。

企業が直面する3つの課題

外国人介護人材の資格取得を支援するにあたり、多くの企業が共通して直面する課題があります。ここでは、現場で起こりやすい課題を解説します。
日本語力と専門用語理解の壁
介護福祉士国家試験はすべて日本語で出題され、長文問題や専門用語も多く含まれます。日常業務での会話が問題なくできていても、試験特有の表現や抽象的な設問に対応するには、より高い読解力が求められます。
特に、介護・医療分野の専門用語は、母語とは異なる概念を含むこともあり、単純な語彙暗記だけでは対応が難しいケースもあります。全体合格率とEPA候補者の合格率の差は、こうした言語面のハードルの存在を示唆しているともいえます。
現場での教育負担
多くの介護事業所では、人手不足の中で日々の業務を回しており、外国人スタッフへの体系的な日本語教育や試験対策まで手が回らないのが実情です。現場の先輩職員が個別に指導する形では、内容や質にばらつきが出やすく、継続的な学習管理も難しくなります。
また、講師を個別に採用したり、外部講師を定期的に招いたりする場合には、採用・管理の手間や人件費の負担も発生します。教育体制を整えたいと考えていても、コスト面や運用面でハードルを感じている企業は少なくありません。
試験対策まで手が回らない問題
実務経験ルートで受験する場合、外国人スタッフはフルタイムで働きながら学習を進める必要があります。業務後の限られた時間で独学を続けるのは簡単ではなく、途中でモチベーションが下がってしまうケースもあります。
企業としても、具体的にどの教材を使い、どの順番で学習を進めればよいのかを明確に示せないまま、本人任せになってしまうことがあります。

外国人介護人材の合格率向上には日本語教育の仕組み化が重要

公式データから見える合格率の差を埋めるためには、個人の努力に依存するのではなく、企業として教育体制を仕組み化することが重要です。特に、日本語力の底上げは国家試験対策の土台となります。
試験はすべて日本語で実施される
介護福祉士国家試験は、日本語で出題され、日本語で解答する形式です。専門知識そのものに加えて、設問の意図を正確に読み取り、選択肢の微妙な違いを判断する読解力が求められます。
そのため、日常会話レベルの日本語力だけでは十分とはいえず、試験に対応できる語彙力・文法力・読解力を体系的に強化する必要があります。これは現場経験とは別軸で対策が必要な領域です。
専門用語・長文読解への対応が不可欠
試験問題には、介護・医療分野特有の専門用語や制度用語が数多く登場します。これらを正確に理解するには、単語暗記だけでなく、文脈の中で意味を捉える訓練が欠かせません。
また、長文読解問題では、複数の情報を整理しながら解答する力が求められます。こうしたスキルは、短期間の詰め込みでは身につきにくいため、計画的かつ継続的な学習が必要です。
現場任せでは限界がある理由
現場でのOJTや日常会話の中だけで日本語力を伸ばすには限界があります。業務は利用者対応や記録業務が中心であり、試験特有の出題形式や読解トレーニングを十分に行う機会は多くありません。
そのため、企業としては「業務」と「試験対策」を分けて考え、日本語教育や学習管理を仕組みとして外部化・効率化する視点が求められます。合格率向上を本気で目指すのであれば、学習環境を整備すること自体が投資といえます。


日本語カフェのオンライン講座という選択肢【企業向け】

外国人介護人材の合格率向上を目指すうえで、企業が単独で教育体制を構築するのが難しい場合、外部サービスの活用も一つの選択肢です。ここでは、日本語力の底上げと国家試験対策を同時に進められるオンライン講座として、日本語カフェの取り組みを紹介します。
JLPT合格コースの特徴(日本語力の強化)

介護福祉士国家試験に対応するには、まず土台となる日本語力の強化が欠かせません。日本語カフェの「JLPT合格コース」は、日本語能力試験(N5〜N1)に対応したオンライン講座で、語彙・文法・読解・聴解を体系的に学べるカリキュラムが整備されています。
レベル別に最適化された学習プランにより、「何を、どの順番で学べばよいか」が明確になっているため、学習の迷いを減らすことができます。実際に、全くの初心者レベルから3か月でN3に合格した実績もあり、基礎力を短期間で引き上げたい企業にとって有効な選択肢となります。
また、動画講義と演習問題がセットになっているため、「わかる」だけでなく「使える」日本語へとつなげやすい構成です。リスニングや長文読解対策も充実しており、試験本番を見据えた実践的な学習が可能です。
ゼロから3ヶ月でJLPT N3に合格

「日本語カフェ」で学習したフィリピン人受講者4名は、日本語学習未経験からわずか3ヶ月の学習で、日本語能力試験(JLPT)N3に全員合格しました。2025年4月に学習を開始し、1日平均6時間の自主学習を継続した結果、6月にはN5・N4を突破。そして7月には、通常半年以上かかるといわれるN3レベルに到達しました。
実際の試験結果では、文字語彙・文法読解・聴解のすべての分野で合格点をクリアしており、「日本語カフェ」のカリキュラムが短期間で成果を出せることを証明しています。
一般的に学習効果のばらつきやモチベーション維持に課題がある日本語教育ですが、明確な合格目標と効率的な学習設計により、4人全員が同時にN3合格を果たしました。
\日本語学習システム/
介護福祉士 合格対策集中講座の特徴

より直接的に国家試験合格を目指す場合には、「介護福祉士 合格対策集中講座」がおすすめです。この講座では、4か月で合格を目指す集中カリキュラムのもと、介護福祉士資格を持つ講師が監修した内容で学習を進めます。
主な特徴は次のとおりです。
- 重要ポイントを絞った効率的な講義構成
- 豊富な過去問・模擬試験による本番シミュレーション
- 講座期間中はJLPTコースも利用可能
- 24時間いつでもどこでも受講可能なオンライン形式
業務と両立しながら学習できる環境が整っているため、働きながら受験を目指す外国人スタッフにとって負担を抑えつつ対策を進めることができます。
このたび、当社支援機関を通じて学習を続けていた外国人介護職の方が、見事「介護福祉士国家試験」に合格されました!
外国人受験者にとっては言語の壁もあり、合格は決して簡単なものではありません。それでもこの方は、目標に向かってコツコツと努力を積み重ね、見事に合格を勝ち取りました!

- ■ 介護福祉士を目指した理由
「日本で安心して長く働き、家族を支えたい」という強い思いから、介護福祉士を目指しました。
資格を取れば、より安定した働き方ができ、将来的なキャリアアップにもつながると考えたからです。
- ■ 1日3時間、仕事と両立しながらの学習
勉強は約1年前からスタート。
本業の合間や休日も使いながら、毎日3時間以上コツコツと学習を積み重ねていきました。
特に役立ったのが、支援機関から紹介された「日本語と介護のビデオ教材」です。
スマホでいつでも見られるため、通勤時間や休憩時間も有効に使え、自分のペースで理解を深めることができました。
ビデオで全体の流れを理解した後に問題集を解き、間違いを丁寧に復習することで、確実に実力がついていくのを実感できました。
- ■ 教材だけでなく、現場からも学ぶ
教科書や試験対策アプリも活用しつつ、職場の先輩に積極的に質問し、現場での経験を通じて実践的な知識も習得していきました。
学習と仕事の両立は決して簡単ではありませんが、「自分を信じて、最後まであきらめないこと」が何より大切だったと振り返っています。
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オンライン完結型だから管理コストを削減できる
企業側にとって大きなメリットは、教育管理の効率化です。動画講義形式のため、講師の採用やシフト調整の負担がなく、受講者は自分のペースで繰り返し学習できます。
さらに、学習状況は管理画面で一目で把握できるため、これまで教育管理にかかっていた時間を大幅に削減できます。日本語講師の人件費や運営コストを抑えながら、体系的な学習環境を整備できる点は、複数名の外国人スタッフを抱える企業にとって大きな利点です。
外国人スタッフの日本語力向上や介護福祉士試験対策を体系的に進めたいとお考えの企業様には、日本語カフェのJLPTコースおよび介護福祉士受験対策講座がおすすめです。貴社の状況に合った導入方法をご提案いたします。ぜひお気軽にお問い合わせください。
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まとめ|公式データから見える現状と企業が取るべき対策

本記事では、厚生労働省が公表している公式データをもとに、介護福祉士国家試験全体の合格率と、外国人(EPA介護福祉士候補者)の合格率を整理しました。第37回試験では全体合格率が78.3%である一方、EPA介護福祉士候補者の合格率は37.9%と公表されており、両者の間に差があることが分かります。
こうした数字を見ると、外国人受験者にとっては、言語環境や学習体制の違いが影響している可能性も考えられます。資格取得を中長期的な人材育成の一環として捉えるのであれば、企業としてどのような支援ができるのかを改めて考えてみることが大切です。
介護福祉士国家試験は日本語で実施され、専門用語や長文読解への対応も求められます。そのため、実務経験の積み上げに加え、日本語力の向上や試験対策を無理のない形で進められる環境づくりがポイントになります。現場だけに負担をかけるのではなく、学習を支える仕組みを整えていくことが、結果として合格率の向上や人材の定着につながっていくでしょう。
外国人介護人材が安心してキャリアを築ける環境を整えることは、企業にとっても大きな価値になります。自社の状況に合わせた学習支援のあり方を検討し、資格取得を前向きに後押ししていくことが、これからの人材戦略の一つの鍵になるでしょう。



