海外で介護士として働くという選択肢|仕事内容・給料・実例から分かるリアルな現実 2026 1/23 全てのコラム 2026年1月23日 「このまま日本で介護士として働き続けて大丈夫だろうか」そう感じながらも、具体的な選択肢が見えず、不安を抱えている人は少なくありません。 人手不足、給料の伸び悩み、身体的・精神的な負担――介護の仕事にやりがいを感じているからこそ、将来への迷いが生まれることもあります。 そんな中で注目されているのが、海外で介護士として働くという選択肢です。海外では、介護士が専門職として扱われている国もあり、働き方や評価のされ方が日本とは大きく異なる場合があります。一方で、言語や制度、文化の違いといった不安要素があるのも事実です。 この記事では、「海外 介護士」という選択肢について、 具体的な働き方の種類 給料や生活水準の考え方 実際に海外で介護に関わった日本人の実例 メリット・デメリットや向き不向き といった点を、現実的な視点で分かりやすく解説します。 海外で働くかどうかを決める前に、まずは正しい情報を知っておきましょう。 目次海外で介護士として働くという選択肢が注目される理由 近年、「海外で介護士として働く」という選択肢に関心を持つ人が増えています。その背景には、海外志向や一時的な憧れだけでなく、日本の介護業界が抱える構造的な課題と、将来への不安があります。 日本の介護業界が抱える現実的な課題 日本で介護士として働く多くの人が共通して感じている悩みがあり、個人の努力だけでは解決しにくい問題が積み重なっています。 人手不足 日本の介護業界では、慢性的な人手不足が長年続いています。高齢化が進む一方で、現場を支える人材は十分に確保できておらず、一人ひとりの介護士にかかる負担は年々大きくなっています。 人が足りない現場では、休憩が取りづらかったり、急な欠勤の穴埋めでシフトが過酷になったりすることも珍しくありません。その結果、「利用者にもっと丁寧なケアをしたいのに、時間と余裕がない」と感じる介護士も多くいます。 給料・昇給の限界 介護は専門性が高く、社会にとって欠かせない仕事ですが、給料水準や昇給の仕組みに不満を感じる人は少なくありません。 経験を積んでも大幅な収入アップが見込みにくく、「このまま続けても将来は大丈夫だろうか」「生活が楽になるイメージが持てない」と不安を抱くケースも多いです。特に若い世代ほど、長期的なキャリアを考えたときに限界を感じやすい傾向があります。 身体的・精神的負担 介護の仕事は、身体への負担が大きいだけでなく、精神的なストレスも少なくありません。身体介助による腰や膝への負担に加え、利用者や家族との関係性、責任の重さなど、目に見えない負担が積み重なります。 「やりがいはあるが、この働き方を何十年も続けられる自信がない」と感じ、離職や転職を考える人が多いのも現実です。 海外では介護士の立ち位置が違う国もある 日本の介護現場に限界を感じたとき、海外に目を向けると、介護士の役割や働き方が大きく異なる国があることに気づきます。この違いが、「海外で働く」という選択肢を後押ししています。 専門職としての扱い 海外の一部の国では、介護士が明確に「専門職」として位置づけられています。現場では、ケアの方針について意見を求められたり、多職種と対等な立場で話し合ったりする文化が根付いています。 単なる補助的な存在ではなく、自分の判断や知識を活かして利用者を支える実感を得やすいため、仕事への誇りや満足感を持ちやすい環境といえます。 労働時間・休暇制度の違い 労働時間や休暇に対する考え方が、日本とは大きく異なる国もあります。残業が少なく、休暇を取ることが当たり前とされている環境では、仕事と私生活のバランスを保ちやすくなります。 「長く働き続けるためには、無理をしない働き方が必要だ」と考える介護士にとって、こうした制度の違いは大きな魅力となっています。 海外で介護士として働きたい人はどんな人が多い? 実際に海 介護士に興味を持つ人には、いくつか共通した考え方や悩みがあります。特別な人だけが海外を目指しているわけではありません。 今の働き方を変えたい 今の職場や働き方に大きな不満があるわけではなくても、「このままでいいのだろうか」と感じている人は多いです。 夜勤や長時間労働、将来の見通しの立たなさから、「一度環境を変えてみたい」「別の働き方を知りたい」と考える中で、海外という選択肢にたどり着くケースがあります。 将来に不安がある 収入や体力面を含め、将来に対する不安をきっかけに海外を意識する人も少なくありません。 「年齢を重ねても続けられるだろうか」「この仕事で安定した生活ができるだろうか」と考えたとき、海外での経験をキャリアの一部として取り入れたいと考えるようになります。 視野を広げたい 介護の仕事そのものが好きだからこそ、「日本以外の介護の形も知りたい」「違う価値観の中で働いてみたい」と考える人もいます。 海外での経験は、介護観や人生観を広げるきっかけになり、自分のキャリアを見つめ直す大きな転機になることもあります。 海外で介護士として働く主な4つの働き方 海外で介護士として働くといっても、その方法は一つではありません。国や個人の状況によって、選ばれるルートはさまざまです。ここでは、実際に多くの人が選んでいる代表的な4つの働き方について、それぞれの特徴や向いている人のタイプを詳しく解説します。 海外の介護施設に直接就職するケース 海外で介護士として働く中でも、最も「本格的」な働き方が、現地の介護施設に直接就職するケースです。長期的に海外でキャリアを築きたい人に選ばれやすいルートといえます。 現地雇用の特徴 現地雇用の場合、その国の介護施設と直接雇用契約を結び、現地スタッフと同じ立場で働くことになります。仕事内容は身体介助や生活支援だけでなく、記録業務やチームミーティングへの参加など、日本の介護現場と共通する部分も多くあります。 一方で、現地の言語で業務を行うため、一定レベル以上の語学力が求められるのが特徴です。介護の専門用語や、利用者との日常会話に対応できるコミュニケーション力が重要になります。 安定性とハードル 直接就職のメリットは、収入や雇用条件が比較的安定しやすい点です。フルタイム雇用であれば、生活基盤を整えやすく、長期的な滞在につながる可能性もあります。 その一方で、ビザの取得や資格認定など、事前準備のハードルは高めです。「いきなり海外就職は不安」という人には難しく感じる人も多く、ある程度の経験や準備が必要なルートといえるでしょう。 介護留学で学びながら現場経験を積むケース 「いきなり海外就職はハードルが高い」と感じる人に選ばれているのが、介護留学という選択肢です。学びと実践を組み合わせた、段階的なアプローチが特徴です。 語学+実習 介護留学では、語学学校や専門学校で学びながら、介護施設での実習やインターンシップを経験します。語学力を高めつつ、現地の介護現場に触れられるため、海外で働くイメージを具体的に掴みやすいのがメリットです。 授業で学んだ内容を現場で実践することで、語学と介護スキルを同時に伸ばせる点も大きな魅力です。 初心者向けルート このルートは、海外経験が少ない人や、語学力に自信がない人でも挑戦しやすいのが特徴です。いきなり責任の重い業務を任されることは少なく、学びながら少しずつ慣れていくことができます。 「海外介護士を目指したいが、自分に合うか分からない」という人にとって、リスクを抑えながら試せる現実的な選択肢といえるでしょう。 ワーキングホリデーを活用するケース 比較的気軽に海外生活を始められる方法として、ワーキングホリデーを活用するケースも多く見られます。短期〜中期的な海外経験を目的とする人に向いています。 年齢制限 ワーキングホリデーには年齢制限があり、原則として18歳〜30歳(国によっては35歳まで)の人が対象となります。そのため、若い世代を中心に利用される制度です。 滞在期間が限られているため、長期就職というよりは「海外で働く経験を積む」「将来のための準備期間」として活用されることが多くなります。 介護補助・関連職種 ワーキングホリデーでは、資格が必要な正規の介護士として働くのが難しい場合もありますが、介護補助や関連職種として現場に関わるケースがあります。 清掃や生活サポート、レクリエーション補助などを通じて、介護現場の雰囲気を知ることができ、「自分は海外介護士に向いているか」を判断する材料になります。 日本企業・日系施設の海外拠点で働くケース 海外で働きたいが、言語や文化への不安が大きい人に選ばれているのが、日本企業や日系施設の海外拠点で働くケースです。日本と海外の中間的な働き方ともいえます。 日本語環境 日系施設では、日本語でのコミュニケーションが中心となる場合が多く、語学に対するハードルは比較的低めです。業務の進め方や職場文化も日本に近いため、海外初心者でも安心して働きやすい環境といえます。 海外に住みながらも、日本の介護スタイルを活かせる点が特徴です。 安定志向向け この働き方は、「海外に興味はあるが、大きなリスクは取りたくない」という安定志向の人に向いています。 一方で、現地の介護文化に深く入り込む機会は限られるため、「海外ならではの経験」をどこまで求めるかによって向き不向きが分かれます。 あわせて読みたい 国際介護士とは?海外で介護の仕事をするために必要なこと 近年、日本の介護業界では働き方そのものの多様化が進み、国内だけでなく海外でキャリアを築くという選択肢が注目を集めています。SNSやニュースでは「国際介護士」とい… 実例|海外で介護士として働くリアルなキャリアパス 「海外で介護士として働く」と聞くと、特別な資格や高い語学力が必要だと感じる人も多いかもしれません。ここでは、実際に海外の介護分野で働いた日本人と、介護士を目指している日本人のリアルな実例を紹介します。 実例① カナダ・アイルランドで介護現場を経験した日本人女性 日本で介護や福祉分野に関心を持っていた30代の日本人女性は、「日本とは違う介護の価値観を知りたい」「海外の現場を実際に見てみたい」という思いから、海外で働くことを決意しました。最初に渡航した国はカナダ。ワーキングホリデー制度を利用し、現地の高齢者施設で約7か月間、介護スタッフとして働きました。 カナダの介護現場で彼女が最も驚いたのは、介護士が単なる補助的な存在ではなく、「ケアの専門職」として扱われている点でした。利用者の身体介助を行うだけでなく、日々の体調や気持ちの変化を記録し、他職種と意見交換をしながらケア方針を決めていくスタイルが一般的だったといいます。日本のように細かく決められた手順よりも、現場での判断力やコミュニケーション力が重視される環境でした。 その後、さらに視野を広げるため、アイルランドでも介護の現場を経験します。アイルランドでも共通して感じたのは、介護士が社会的に尊重され、仕事とプライベートのバランスが取りやすいことでした。一方で、英語での細かなニュアンスの違いや文化的背景の理解には苦労し、「日本の介護スキルだけでは通用しない場面も多かった」と振り返っています。 この経験から、海外で介護士として働くには、技術以上に柔軟な思考と環境への適応力が重要だと強く感じたそうです。 参考:海外での介護経験|Yuriko 実例② ニュージーランドで介護分野への進学・就労を目指す日本人男性 次に紹介するのは、日本で介護職として長年働いていたわけではない30代の日本人男性のケースです。彼は将来の働き方を考える中で、「海外で需要があり、長く続けられる仕事」として介護分野に注目しました。そして、学びながら実務経験を積める環境を求めてニュージーランドへの渡航を決断します。 まずはワーキングホリデーで現地に入り、生活に慣れながら語学力の向上に集中しました。現地で情報収集を進める中で、ニュージーランドでは高齢化が進み、介護人材の需要が高いこと、さらに専門学校を通じて介護分野に進むルートが整備されていることを知りました。現在は、介護系の専門学校への進学を目指し、ビザや入学条件の準備を進めています。 この過程で彼が直面したのは、「英語力への不安」と「将来への迷い」でした。専門用語や実習での会話に対するハードルは高く感じたものの、「いきなり完璧を目指す必要はない」と考え、段階的にステップを踏むことで前に進めているといいます。 この事例は、日本での介護経験が少なくても、計画的に準備を進めれば海外で介護分野に関わる道が開けることを示す、現実的なモデルケースといえるでしょう。 参考:【自己紹介】ワーホリ後の介護士のニュージーランド移住計画。私が実際に挑戦します!|ヨシタカセキネ | NZの介護の専門学生 海外介護士の給料・生活水準は実際どうなのか 「海外で介護士として働くと給料が高い」というイメージを持つ人は多いですが、実際には国や働き方によって大きな差があります。また、給料の額面だけを見て判断すると、思わぬ落とし穴にはまることもあります。 ここでは、日本の介護士の収入を基準にしながら、海外介護士の給料や生活水準を現実的な視点で整理していきます。 日本の介護士の平均年収との比較 日本の介護士の平均年収は、他の専門職と比べると決して高いとはいえない水準にあります。経験年数を重ねても大幅な昇給は期待しにくく、役職に就かない限り収入が頭打ちになるケースも少なくありません。 また、夜勤や残業を含めてようやく生活が成り立っていると感じる人も多く、「労働量に対して収入が見合っていない」と感じる要因になっています。 こうした国内の現状があるからこそ、「海外ならもう少し評価されるのではないか」「収入や働き方を改善できるのではないか」と考え、海外介護士という選択肢に目を向ける人が増えています。 海外介護士の収入イメージ 海外介護士の収入は、日本と比べて高く見えることもありますが、その背景には雇用形態や賃金制度の違いがあります。国ごとの傾向を大まかに理解しておくことが大切です。 欧米・オセアニアの傾向 欧米やオセアニアの国々では、介護士が専門職として位置づけられており、時給ベースで見ると日本より高い水準に設定されていることが多くあります。最低賃金自体が高いため、介護職もそれに準じた水準になる傾向があります。 また、経験やスキルに応じて時給が上がる仕組みが明確な国もあり、「働いた分が収入に反映されやすい」と感じる人もいます。 時給・月収ベースの考え方 海外では、日本のように「年収」で語られるよりも、「時給」や「月収」で収入を考えるのが一般的です。そのため、フルタイムかパートタイムか、残業の有無によって収入が大きく変わります。 一見すると高収入に見えても、労働時間が短ければ月収は低くなりますし、逆に長時間働けば収入は増えます。この点を理解せずに単純比較すると、実態とのズレが生じやすくなります。 給料だけで判断してはいけない理由 海外介護士を考える際に最も注意すべきなのが、「給料の数字だけで判断しないこと」です。実際の生活水準は、収入以外の要素によって大きく左右されます。 物価 海外では、国や都市によって物価が大きく異なります。特に家賃や食費、交通費は、日本より高くなるケースも少なくありません。 給料が高くても、物価がそれ以上に高ければ、手元に残るお金は思ったほど多くならない可能性があります。 税金 税金や社会保障費の仕組みも、日本とは大きく異なります。国によっては、所得税や保険料の負担が重く、額面の給料から大きく差し引かれる場合があります。 その一方で、医療費や教育費が抑えられるなど、税金の使われ方が日本と違う点もあり、総合的に見る必要があります。 生活コスト 家賃、保険、通信費、交通費など、日常生活にかかるコストは国ごとに異なります。都市部に住むか地方に住むかによっても、生活のしやすさは大きく変わります。 そのため、「給料が高い=生活が楽になる」と単純に考えるのではなく、「その国でどのような生活ができるのか」という視点で判断することが重要です。 海外介護士として働くメリット ここでは、海外介護士として働くことで得られる代表的なメリットを、具体的に見ていきます。 働き方・ワークライフバランスの改善 海外介護士のメリットとして多く挙げられるのが、働き方と私生活のバランスが取りやすい点です。日本で介護に携わってきた人ほど、その違いを強く実感する傾向があります。 休暇 海外の介護現場では、「休むこと」が権利として明確に認識されている国が多くあります。有給休暇を取得することに罪悪感がなく、長期休暇を前提とした働き方が制度として整っているケースもあります。 そのため、心身をしっかり休ませながら働くことができ、「疲れ切って辞める」のではなく「長く続ける」ことを前提にキャリアを考えやすくなります。 シフトの考え方 シフトの組み方に対する考え方も、日本とは異なる場合があります。急な残業や無理なシフト変更が少なく、事前に決められた勤務時間を守ることが重視される傾向があります。 「人が足りないから何とかする」という属人的な対応よりも、仕組みとして現場を回す考え方が根付いているため、介護士一人ひとりの負担が過度に集中しにくい環境といえます。 介護士としての価値観・視野が広がる 海外で介護の現場に立つことで、多くの人が感じるのが「介護の考え方そのものが広がる」という変化です。日本で当たり前だと思っていた価値観が、良い意味で揺さぶられる経験になります。 ケアの考え方 海外の介護現場では、「何をしてあげるか」よりも「本人がどう生きたいか」が重視される傾向があります。利用者の意思決定を尊重し、介護士はそのサポート役として関わるという考え方です。 この違いに触れることで、「介護とは何か」「自分はどんなケアをしたいのか」を改めて考えるようになり、仕事への向き合い方が変わったと感じる人も少なくありません。 多職種との連携 多職種との関わり方も、日本とは異なる点の一つです。介護士、看護師、リハビリ職、ソーシャルワーカーなどが対等な立場で意見を出し合い、それぞれの専門性を尊重しながらケアを進める文化が根付いている国もあります。 こうした環境で働くことで、介護士としての役割をより広い視点で捉えられるようになり、自分の仕事に対する誇りや自信につながるケースもあります。 キャリアの選択肢が広がる 海外での介護経験は、帰国後のキャリアにおいても強みになります。語学力や異文化への理解力、海外の介護現場を知っているという点は、国内でも評価されやすい要素です。教育・研修担当や、外国人スタッフのサポート役など、これまでとは違った立場で介護に関わる道が見えてくることもあります。 一方で、「海外での働き方が自分に合っている」と感じ、そのまま海外でキャリアを積み続ける人もいます。国を変えながら経験を重ねたり、専門分野を深めたりと、日本にとどまらないキャリア形成が可能になります。 このように、海外介護士の経験は「一度きりの挑戦」ではなく、その後の人生設計に柔軟性をもたらす点が大きなメリットといえるでしょう。 海外介護士のデメリットと注意点 海外で介護士として働くことには多くの魅力がありますが、当然ながら良い面だけではありません。 ここでは、海外介護士を目指す前に必ず知っておきたいデメリットや注意点を整理します。 言語・文化の壁は想像以上に大きい 海外で働く上で、多くの人が最初に直面するのが、言語と文化の壁です。頭では理解していても、実際に現場に立つと、その難しさを強く実感することになります。 介護の現場では、日常会話レベルの語学力だけでなく、利用者の体調変化や感情を読み取るための細かなコミュニケーションが求められます。冗談や皮肉、文化的な背景を理解できず、戸惑う場面も少なくありません。 また、指示の出し方や報告の仕方、チーム内での立ち振る舞いなど、仕事の進め方そのものが日本と異なる場合もあります。 文化の違いによって、「なぜそこまで説明しなければならないのか」「なぜこの対応が評価されないのか」と感じることもあり、最初は強いストレスを感じる人もいます。語学力だけでなく、価値観の違いを受け入れる柔軟さが求められます。 制度や契約は国ごとに大きく違う 海外介護士として働く際には、雇用制度や契約内容の違いにも注意が必要です。日本では当たり前だと思っていた仕組みが、海外では通用しないこともあります。 例えば、雇用契約が非常にシンプルで、業務範囲や責任が明確に区切られている国もあれば、逆に自己管理が強く求められる国もあります。福利厚生や社会保障の内容も国によって大きく異なり、「思っていたよりサポートが少ない」と感じるケースもあります。 また、ビザの条件や更新ルールは厳格な場合が多く、働き続けるためには常に制度の変更に注意を払う必要があります。 こうした制度面の違いを十分に理解せずに渡航すると、「こんなはずではなかった」と後悔する原因になります。海外で介護士として働く場合は、仕事内容だけでなく、契約内容や滞在条件まで含めて冷静に判断することが重要です。 全員に向いている働き方ではない 海外介護士という選択肢は魅力的ですが、決して全ての人に向いているわけではありません。海外での生活や仕事には、不確実性やストレスがつきものです。 安定した環境で同じ職場に長く勤めたい人や、変化に強い不安を感じる人にとっては、海外生活そのものが大きな負担になることもあります。また、言語や文化の違いを「成長の機会」と捉えられない場合、日々の小さな違いが積み重なり、精神的に疲れてしまうこともあります。 重要なのは、「自分に合っているかどうか」を見極めることです。海外介護士はあくまで数あるキャリアの選択肢の一つであり、無理に選ぶ必要はありません。メリットとデメリットの両方を理解した上で、自分の価値観や将来像に合うかどうかを考えることが、後悔しない判断につながります。 海外介護士に向いている人・向いていない人 海外で介護士として働くことは、大きな挑戦であると同時に、人によって向き不向きがはっきり分かれる働き方でもあります。ここでは、海外介護士に向いている人の特徴と、慎重に考えた方がいい人の特徴を紹介します。 海外介護士に向いている人の特徴 海外介護士に向いている人には、特別な才能や完璧な語学力があるわけではありません。それよりも、考え方や姿勢の部分で共通点が見られます。 まず一つ目は、環境の変化を前向きに受け止められる人です。海外では、日本で当たり前だったことが通用しない場面が数多くあります。そうした違いを「ストレス」と感じるのではなく、「学び」や「経験」と捉えられる人は、海外の介護現場に適応しやすい傾向があります。 次に、分からないことをそのままにせず、自分から聞ける人も向いています。海外の職場では、指示待ちではなく、自分から確認・相談する姿勢が求められることが多くあります。語学に不安があっても、積極的にコミュニケーションを取ろうとする姿勢が評価される場面は少なくありません。 また、介護の仕事そのものが好きな人も、海外介護士に向いています。海外ではケアの方法や価値観が日本と異なることがあり、その違いに戸惑うこともありますが、「より良いケアとは何か」を考える姿勢があれば、その経験自体が成長につながります。完璧を目指すよりも、「学び続ける意欲があるかどうか」が重要なポイントです。 慎重に考えた方がいい人の特徴 一方で、海外介護士という働き方を選ぶ前に、慎重に考えた方がいい人もいます。これは能力の問題ではなく、価値観や求める働き方の違いによるものです。 例えば、安定した環境で同じ職場・同じ人間関係の中で長く働きたい人は、海外生活に強いストレスを感じる可能性があります。海外では、制度や契約、職場環境が変わることも多く、常に変化に対応する姿勢が求められます。 また、言語や文化の違いに強い不安を感じる人も注意が必要です。語学力は後から伸ばすことができますが、「間違えること」や「分からない状態」を極端に怖がってしまうと、日々のコミュニケーションが大きな負担になります。 さらに、海外で働くこと自体を目的にしてしまっている人も、一度立ち止まって考える必要があります。海外介護士はあくまで手段であり、目的ではありません。現実の仕事内容や生活を知ったときに、「思っていたのと違う」と感じる可能性もあります。 大切なのは、「向いていない=ダメ」ではなく、「自分に合うかどうか」を見極めることです。海外介護士は魅力的な選択肢の一つですが、無理に選ぶ必要はありません。自分の価値観や将来像に照らし合わせて、納得できる判断をすることが何より重要です。 海外で介護士を目指す人が最初にやるべきこと 海外介護士に興味を持ったとき、多くの人が「何から始めればいいのか分からない」と感じるのではないでしょうか。重要なのは、順番を間違えず、無理のない形で準備を進めることです。 国と働き方を絞る 最初にやるべきことは、「海外」という大きなくくりで考えるのではなく、国と働き方をある程度絞ることです。国によって介護の考え方や制度、求められる役割は大きく異なります。また、直接就職なのか、留学なのか、ワーキングホリデーなのかによって、必要な準備も変わってきます。 「英語圏がいい」「まずは短期間で試したい」「長期的に海外で働きたい」など、自分の希望を整理するだけでも、選択肢はかなり絞られます。最初から完璧に決める必要はなく、「候補を2〜3に絞る」程度で十分です。 情報収集と小さな準備から始める 次に大切なのが、現実的な情報収集と、小さな準備です。体験談を読んだり、海外介護士について発信している人の話を調べたりするだけでも、イメージは具体的になります。同時に、語学学習を少しずつ始める、貯金の目標を立てるなど、「今できること」を積み重ねることが重要です。 この段階では、「まだ本当に行くか分からない」という状態でも問題ありません。準備を進める中で、「やっぱり違う」と感じることも、立派な判断の一つです。 一気に決めず段階的に考える 海外介護士を目指す上で、最も大切なのは「一気に人生を変えようとしないこと」です。いきなり退職して海外就職を目指すのではなく、留学やワーキングホリデーなど、段階的に経験を積む選択肢もあります。 実際に現地で生活し、介護現場を見てから「続けるかどうか」を決める人も多くいます。海外介護士はゴールではなく、あくまでプロセスの一つ。柔軟に考えることで、失敗のリスクを大きく下げることができます。 海外の介護士に関するよくある質問(Q&A) 海外の介護士に関心を持つ人から、特によく聞かれる質問をまとめました。 英語が話せなくても海外介護士になれますか? 結論から言うと、今すぐ完璧に話せなくても可能なケースはあります。 ただし、最低限のコミュニケーション力は必要です。多くの人は、渡航前から少しずつ学習を始め、現地で実践しながら伸ばしています。大切なのは「話せるかどうか」よりも、「話そうとする姿勢」です。 年齢制限はありますか? 働き方によって異なります。ワーキングホリデーには年齢制限がありますが、留学や就労ビザを使った働き方では、年齢そのものが大きな制限にならないケースもあります。「もう遅い」と決めつける前に、自分に合うルートがあるかを調べてみることが重要です。 未経験でも可能ですか? 未経験から海外介護士を目指す人も実際にいます。ただし、いきなり正規の介護士として働くのは難しい場合が多く、介護留学や補助的な業務からスタートするケースが一般的です。未経験であることよりも、「学ぶ意欲があるかどうか」が重視される場面も多くあります 帰国後の就職に不利になりませんか? 必ずしも不利になるわけではありません。海外での介護経験や語学力、異文化対応力は、国内でも評価されることがあります。 ただし、どのような経験を積んだかを言語化できるかどうかが重要です。「海外に行っていた」だけでなく、「何を学び、どう活かせるか」を説明できるようにしておくと、帰国後の選択肢は広がります。 まとめ|海外で介護士として働くことはキャリアの一つの選択肢 海外で介護士として働くことは、何か大きな覚悟や特別なスキルがないと選べない道、というわけではありません。 ・「今の働き方、このままでいいのかな」・「少し違う環境も見てみたい」 そんな素朴な気持ちから、海外という選択肢に興味を持つ人もたくさんいます。 もちろん、海外で働くのは簡単なことばかりではありません。言葉や文化の違い、制度の複雑さに戸惑うこともありますし、「思っていたのと違う」と感じる場面もあるでしょう。給料や働きやすさも、国や働き方次第で大きく変わります。 それでも、実際に海外の介護現場に触れたことで、「介護の考え方が広がった」「自分の大切にしたい働き方が見えた」と感じる人がいるのも事実です。自分の価値観やなりたい将来像に照らし合わせながら、海外で介護士として働くという選択肢を一度整理してみることが大切です。 本記事で紹介した働き方や実例は、あくまで数あるケースの一部です。実際には、経験や語学力、ライフステージによって最適な選択は人それぞれ異なります。複数の選択肢を比較しながら、自分に合った道を考えていくことが大切です。 全てのコラム よかったらシェアしてね! 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