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外国人介護士の雇用を徹底解説|制度・メリット・注意点・成功事例まで完全ガイド

外国人介護士 雇用

日本の介護業界は今、深刻な人手不足に直面しています。この課題を解決する有力な選択肢として外国人介護士の雇用が注目されています。

しかし「どの制度を使えばいいのか」「受け入れ体制はどう整えればいいのか」「費用はどれくらいかかるのか」など、実際に雇用を検討する際には多くの疑問や不安があるのではないでしょうか。

本記事では、外国人介護士雇用の基本から具体的な手続き、成功のポイントまでをくわしく解説します。制度の選び方、メリット・デメリット、そして失敗しないための注意点まで、現場で必要な情報をお届けします。これから外国人介護士の雇用を検討されている事業所の方は、ぜひ参考にしてください。

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目次

外国人介護士を雇用するメリット

外国人介護士の雇用解説に関連し、笑顔と親指サインで好印象を示すアイコン画像

外国人介護士の雇用は、人手不足の解消だけでなく、介護現場に多くのメリットをもたらします。ここでは、外国人介護士を雇用することで得られる具体的なメリットについて解説します。

慢性的な人手不足の解消

介護現場における最大の課題は、慢性的な人手不足です。求人を出しても応募がない、採用してもすぐに辞めてしまうといった悩みを抱える事業所は少なくありません。外国人介護士の雇用は、この人手不足に対する実効性の高い解決策となります

特に地方の事業所では日本人の採用が困難なケースが多く、外国人材の受け入れによって安定したサービス提供体制を維持できるようになった事例が数多く報告されています。人員配置基準を満たすことができず、新規利用者の受け入れを制限せざるを得なかった施設が、外国人介護士の雇用によって事業を拡大できたケースもあります。

また、採用の選択肢が広がることで、より良い人材を選べるようになるという副次的なメリットもあります。日本人のみを対象としていた時と比較して、応募者数が増えることで、事業所のニーズに合った人材を見つけやすくなります。

若く意欲の高い人材を確保できる

外国人介護士の多くは20代から30代の若い世代で、日本での就労に対して非常に高い意欲を持っています。母国での収入と比較して日本での給与水準が魅力的であることに加え、専門技術を学びたい、キャリアアップしたいという前向きな動機を持つ人材が多いのが特徴です。

この高いモチベーションは職場に良い影響をもたらします。真面目に仕事に取り組む姿勢や、積極的に学ぼうとする態度は、既存スタッフにも刺激を与え、職場全体の士気向上につながることが期待できます。

また、体力のある若い人材が加わることで、身体介護など負担の大きい業務を分担でき、既存スタッフの身体的負担軽減にも貢献します。特に高齢化が進む介護現場において、若い世代の参入は組織の年齢バランスを改善し、職場の持続可能性を高める効果があります。

職場の活性化・多様性の向上

異なる文化背景を持つ外国人介護士が加わることで、職場に新しい視点や発想がもたらされます。日本では当たり前とされていた業務のやり方に対して、効率的な代替案が提案されることもあり、業務改善のきっかけになることがあります。

また、外国人介護士を受け入れることで、既存の日本人スタッフが自身の業務を見直す機会にもなります。外国人に業務を教える過程で、これまで言語化されていなかったことが明確になり、マニュアルやOJT体制の整備が進むケースも多く見られます。

利用者にとっても、多様な文化背景を持つスタッフとの交流は刺激となり、施設での生活がより豊かになる効果があります。外国人介護士の母国の文化や習慣について知ることで、利用者の好奇心が刺激され、会話のきっかけが増えたという報告もあります。

長期雇用につながる可能性

外国人介護士の多くは、日本での長期的なキャリア形成を希望しています。特に在留資格「介護」を取得した介護福祉士や、特定技能から在留資格「介護」への移行を目指す人材は、5年、10年といった長期的な視点で日本での就労を考えています

日本人の介護職員の離職率が高い中、外国人介護士は比較的定着率が高い傾向にあります。言語や文化の違いを乗り越えて日本で働くという選択をした時点で、相応の覚悟と準備をしているため、簡単には辞めないという実態があります。

また、家族を呼び寄せて日本で生活基盤を築くケースも多く、こうした人材は地域に根付いて長期的に働き続ける可能性が高くなります。人材育成にかけた時間とコストを回収し、経験豊富な中堅職員として活躍してもらえることは、事業所にとって大きなメリットとなります。

外国人介護士雇用のデメリット・課題

外国人介護士の課題やトラブルを示す、赤い悲しい表情アイコンを手に持つ様子

外国人介護士の雇用には多くのメリットがある一方で、克服すべき課題もあります。ここでは、外国人介護士雇用における主なデメリットと課題について詳しく見ていきましょう。

日本語能力の問題

外国人介護士を雇用する際の最も大きな課題が日本語能力です。介護の仕事は利用者との細やかなコミュニケーションが求められるため、日本語能力が不十分だと業務に支障が出る可能性があります。

利用者とのコミュニケーション

利用者の中には方言を話す方や、聞き取りにくい発音の方、認知症により会話が難しい方もいます。標準的な日本語は理解できても、こうした多様なコミュニケーション状況に対応するには、相当の語学力と経験が必要です。

特に訴えや要望を正確に理解できないと、適切なケアが提供できず、利用者の満足度低下や事故のリスクにつながる可能性があります。また、外国人介護士が利用者の話を理解できないことで、利用者が不安を感じたり、コミュニケーションを諦めてしまうケースもあります。

記録業務への影響

介護記録の作成も日本語能力が問われる業務です。介護現場では日々の状態変化や実施したケアの内容を記録する必要がありますが、専門用語や正確な表現が求められます。

記録の質が低いと、情報共有が不十分になり、チームケアに支障が出ます。また、事故や訴訟のリスクが高まる可能性もあります。記録業務に時間がかかることで、本来のケア業務に充てる時間が減少するという問題も発生します。

文化・価値観の違い

日本と母国では文化や価値観が異なるため、仕事の進め方や人間関係において摩擦が生じることがあります。

仕事観・報連相

日本の職場文化では「報告・連絡・相談」が重視されますが、これは必ずしも世界共通の常識ではありません。自分で判断して行動することが良いとされる文化圏出身の人材は、日本式の細かな報連相を煩わしく感じることもあります。

また、時間に対する意識も文化によって異なります。日本では始業時刻の5分前には準備を整えているのが暗黙のルールとされることがありますが、定刻に到着すればよいと考える文化圏もあります。こうした認識の違いが誤解やトラブルの原因になることがあります。

生活習慣の違い

食事、宗教、休日の過ごし方など、生活習慣の違いも配慮が必要です。特に宗教上の理由で食事制限がある場合や、礼拝の時間を確保する必要がある場合は、勤務シフトや休憩時間の調整が求められます。

また、母国の家族を経済的に支援することを重視する文化圏の人材も多く、給与や待遇に対する関心が高い傾向にあります。こうした価値観の違いを理解せずに接すると、不信感や不満につながる可能性があります。

受け入れ体制が整っていないと失敗しやすい

外国人介護士の雇用を成功させるには、適切な受け入れ体制の整備が不可欠です。準備不足のまま受け入れると、本人も職場も不幸な結果になりかねません。

教育不足

外国人介護士は日本の介護について学んできていても、実際の現場での業務は初めて経験することばかりです。十分なOJTや研修がないと、業務を習得できず自信を失ってしまいます。

また、日本人スタッフが外国人介護士への指導方法を理解していない場合も問題です。専門用語や略語を多用したり、暗黙の了解を前提に説明したりすると、理解が進みません。外国人材に教えることに慣れていない職場では、教育がうまく機能しないことがあります。

サポート不足

生活面でのサポート体制が整っていないと、外国人介護士は孤立し、メンタル面での問題を抱えることがあります。住居の確保、銀行口座の開設、携帯電話の契約など、日本での生活には多くのサポートが必要です。

また、悩みや困りごとを相談できる窓口がないと、小さな問題が大きくなってしまいます。母国を離れて働く外国人介護士にとって、職場でのサポートは精神的な支えとなるため、定期的な面談やメンタルヘルスケアの体制を整えることが重要です。

外国人介護士雇用の成功事例

杖を持つ高齢者とサポートする介護士の手元。国際介護士として海外で介護に携わるイメージ。

外国人介護士の雇用は「本当に現場でうまくいくのか」「利用者に受け入れてもらえるのか」といった不安を感じる方も多いようです。しかし実際には、地方の介護施設を中心に、外国人介護士の採用によって人材不足を解消し、職場環境や利用者満足度の向上につなげている事例が数多く存在します。

ここでは、外国人介護士を雇用し成功した具体的な事例を2つ紹介します。

社会福祉法人やすらぎ福祉会の外国人介護士雇用事例

兵庫県神戸市を中心に約10拠点の介護福祉施設を運営する 社会福祉法人やすらぎ福祉会 では、積極的な外国人材の受け入れによって人手不足解消と現場力の強化を図っています。同法人の従業員数は約850名ですが、そのうち 約80名(約10%)が8カ国出身の外国人スタッフ であり、介護職として多数が活躍しています。

採用は主に 技能実習や特定技能制度 を活用し、語学力や介護経験を基準に選考を行っています。実際、採用した外国人スタッフの中には 介護福祉士国家試験に合格した人材 も複数おり、現場で即戦力として評価されるケースもあります。

また、日本語能力については個人差があるものの、日本語試験(N3〜N2レベル)を取得しているスタッフも在籍し、業務理解や対利用者コミュニケーションに役立てています。導入段階では語学や文化の違いによる課題もありましたが、現場でのOJTや実務者講習の機会提供によってスキル向上が進んでいます。

働く外国人スタッフについては、真面目で熱心に働くという評価 が施設側からも語られており、利用者からのネガティブな評価がほとんど聞かれない点も注目されています。日本人スタッフとの連携も進み、職場全体として多国籍のチーム力を高めていることがわかります。

出典:【事例インタビュー】神戸の介護施設で80名の外国人雇用 | やすらぎ福祉会 春日様|Jinzai Plus

やすらぎ福祉会の事例は、介護業界の人手不足に対応する有力な選択肢として外国人介護士の雇用が機能していることを示しています。人材確保だけでなく、継続的な教育や資格取得支援によって、定着率と現場力の向上につながっている実例として、他の介護事業者にとっても参考になるケースです。

介護士からケアマネージャーに昇進した事例

香川県高松市の介護施設では、EPA(経済連携協定)制度を活用して来日した外国人介護士が、介護現場での経験を積みながら日本語能力や専門知識を高め、最終的にケアマネージャーとして活躍するまでに成長した事例があります。

ヨナタさんは、外国人であることを活かし、文化や視点の違いを職場での強みとして捉えています。例えば、母国の料理を紹介したり、日本の挨拶を自分の言語でも伝えることで、利用者とのコミュニケーションが円滑になったと語っています。

ケアマネージャーとしては、患者さんの希望を大切にしながら、生活の質を重視したケアプランを立てています。たとえば、糖尿病の方でも楽しみを持てるよう、健康を損なわない範囲で好きなものを食べられる工夫を加えるなど、利用者の個別ニーズに合わせた支援を行っています。そして、車椅子で来た利用者がリハビリを通じて歩けるようになり、希望通り自宅に戻れたという成功体験も語っています。

出典:A Real Story of a Foreigner Working as a Care Manager in Japan 3|Japan Care Worker Guide

この事例の成功要因としてまず挙げられるのは、外国人であることをハンデではなく強みとして現場で活かしている点です。言語や文化の違いを無理に消そうとするのではなく、個性として受け入れる姿勢が、現場での活躍を後押ししています。

また、ケアマネージャーとしての業務においては、利用者本人の「希望」を重視した支援を行っている点が印象的です。外国人介護士であっても専門職として評価され、責任ある立場で活躍できる可能性を示す成功例といえるでしょう。

外国人介護士を雇用できる主な在留資格・制度

介護士が歩行をサポートしながら高齢者を笑顔で見守る介護現場の様子

外国人介護士を雇用するには、適切な在留資格や制度を選択する必要があります。制度ごとに目的や要件、雇用できる期間や業務内容が異なるため、事業所の人材ニーズや受け入れ体制に応じた選択が重要です。

ここでは、介護分野で利用されている主要な4つの制度について、それぞれの特徴を詳しく解説します。

技能実習制度(介護)

技能実習制度は、開発途上国への技能移転を目的とした制度で、2017年に介護職種が追加されました。外国人実習生が日本の介護現場で技能を習得し、帰国後にその知識や経験を母国で活かすことが制度の建前とされています

実習期間技能実習は1号(1年目)、2号(2〜3年目)、3号(4〜5年目)の3段階で構成
最長5年間の実習が可能
人数制限受け入れ人数には、常勤職員数に応じた上限が設定されている
具体的な人数は事業所規模や優良認定の有無などによって異なる
メリット比較的若く意欲的な人材を受け入れられる
監理団体による一定のサポートが受けられる
デメリット実習期間が限定されていること
原則として転職が認められないこと
監理団体への費用負担が発生する

特定技能「介護」

特定技能制度は2019年に創設された、人手不足が深刻な分野で外国人材の就労を認める制度です。介護分野も対象となっており、特定技能1号では通算で最長5年間の在留が認められています。技能実習制度と異なり、労働力の確保を明確な目的とした制度である点が特徴です。

雇用できる業務範囲施設系サービスにおける身体介護を中心とした業務に従事させることが可能
訪問介護などの訪問系サービスは対象外
身体介護に付随するレクリエーション、環境整備、記録業務などは日本人介護職員と同様に担当できる
転職の可否同一分野内での転職が認められていおり、技能実習制度と大きく違う点
転職時には在留資格の変更手続きが必要となる
受け入れ事業所側には、待遇や職場環境の整備による人材定着の工夫が求められる

在留資格「介護」

在留資格「介護」は、介護福祉士の国家資格を取得した外国人のみが対象となる在留資格で、2017年に新設されました。取得ルートとしては、養成施設の卒業、技能実習や特定技能で就労しながら国家試験に合格する方法、EPA制度を通じて来日し試験に合格する方法などがあります

長期就労・更新が可能在留資格「介護」には在留期間更新の回数制限がなく、1年・3年・5年といった期間で更新が可能
要件を満たせば永住許可申請も可能となるため、長期的な就労とキャリア形成が見込める
国家資格を持つ人材であることから、高度な介護技術や将来的なリーダーシップも期待できる
安定した人材確保につながる在留資格「介護」では、配偶者や子どもの帯同が認められている
生活基盤を日本に築きやすく、事業所にとっても長期的に安定した人材確保につながる点が大きな特徴

EPA(経済連携協定)介護福祉士候補者

EPAに基づく介護福祉士候補者の受け入れは、インドネシア(2008年開始)、フィリピン(2009年開始)、ベトナム(2014年開始)の3カ国から行われています。二国間の経済連携協定に基づく特別な制度です。

国家試験合格までの流れ候補者は来日後、日本語研修を受けたうえで介護施設に配属され、就労しながら介護福祉士国家試験の合格を目指す
在留期間は原則4年間で、この期間内に試験に合格すれば、在留資格「介護」へ変更し引き続き就労できる
候補者には、母国で看護や介護に関連する教育を受けた人材が多く、日本語についても来日前から基礎研修が行われている
雇用側の負担EPA候補者を受け入れる事業所は、日本人と同等以上の報酬を支払う義務がありる
国家試験合格に向けた学習支援や、日本語学習、生活面でのサポートを行う責任がある
受け入れには一定の手間とコストがかかるが、国家資格取得後は長期的に活躍してもらえる可能性が高い制度

外国人介護士を雇用する際の具体的な手続き

契約書や雇用書類に署名するビジネスシーンを示す手元の写真

外国人介護士を雇用する際には、在留資格の選定から入国後の受け入れ対応まで、複数の手続きを段階的に進める必要があります。制度ごとに必要な対応は異なりますが、全体の流れを事前に把握しておくことで、手続きの遅延やトラブルを防ぐことができます。

採用から就労開始までの流れ

ここでは、外国人介護士を採用してから就労を開始するまでの一般的な流れを解説します。

STEP
採用計画の策定

まず、事業所の人材ニーズを明確にします。必要な人数、求める日本語レベル、介護経験の有無、配属予定の部署や業務内容などを具体的に整理します。

同時に、外国人介護士を受け入れるための教育体制や生活支援体制についても検討し、無理のない受け入れ計画を立てることが重要です。

STEP
制度選択

次に、事業所の方針や雇用目的に応じて、適切な在留資格・制度を選択します。

長期的な雇用や定着を重視する場合は特定技能や在留資格「介護」、一定期間の人材確保を目的とする場合は技能実習制度など、それぞれの制度の特徴や制約を理解したうえで判断する必要があります。

STEP
人材募集・面接

選択した制度に応じた方法で人材募集を行います。技能実習の場合は監理団体を通じて候補者を紹介してもらうのが一般的です。特定技能では、人材紹介会社の利用や自社での直接募集のほか、すでに日本国内で就労している外国人材を採用するケースもあります。

面接はオンラインで実施されることが多く、日本語能力や介護に対する意欲、勤務条件への理解度などを確認します。

STEP
在留資格申請

採用が決定したら、在留資格に関する申請手続きを行います。海外在住の候補者を呼び寄せる場合は「在留資格認定証明書交付申請」を、すでに日本に在留している外国人を採用する場合は「在留資格変更許可申請」を行います。

申請には雇用契約書や事業所の概要資料など多くの書類が必要となり、準備から許可まで数か月かかることもあります。必要に応じて、行政書士などの専門家に相談することも有効です。

STEP
入国・配属・就労開始

在留資格が許可されたら、入国や配属の準備を進めます。空港での出迎え、住居の手配、生活必需品の準備などを行い、外国人介護士が安心して生活を始められる環境を整えます。

入国後は、生活オリエンテーションや職場ルールの説明、現場でのOJTを実施し、段階的に業務に慣れてもらいます。特定技能の場合は、住居確保や日本語学習支援、生活相談などが法律上の支援義務として定められているため、計画的に実施する必要があります。

必要な書類・届出

外国人介護士を雇用する際には、複数の書類作成や届出が必要となります。制度ごとに求められる書類は異なるため、事前に必要書類を把握し、余裕をもって準備することが重要です。申請書類に不備があると、審査が長引いたり、不許可となる可能性もあるため注意が必要です。

出入国在留管理庁への申請

在留資格の申請には、在留資格認定証明書交付申請書または在留資格変更許可申請書を提出します。海外在住の外国人介護士を新たに受け入れる場合は在留資格認定証明書交付申請を、すでに日本に在留している外国人を採用する場合は在留資格変更許可申請を行います

主な提出書類としては、雇用契約書、事業所の概要を示す資料、給与や勤務条件を明示した資料、本人の学歴や職歴を証明する書類などが挙げられます。制度や個別の状況によって追加書類が求められることもあるため、事前確認が欠かせません。

雇用契約書

外国人介護士との雇用契約書には、日本人職員と同等以上の待遇であることを明確に記載する必要があります。給与額、勤務時間、休日、社会保険の加入状況、退職や契約終了に関する事項などを具体的に記載し、雇用条件に誤解が生じないようにします。

契約書は日本語で作成しますが、本人が内容を十分に理解できるよう、母国語による翻訳文を添付することが望ましいとされています。契約内容について事前に丁寧な説明を行い、双方が納得したうえで締結することが、後々のトラブル防止につながります。

支援計画書(特定技能)

特定技能1号で外国人介護士を雇用する場合、1号特定技能外国人支援計画を策定し、継続的に実施する義務があります。支援計画には、事前ガイダンス、空港送迎、住居確保支援、生活オリエンテーション、日本語学習支援、相談・苦情対応、日本人との交流促進など、法令で定められた10項目の支援内容を盛り込む必要があります。

これらの支援は形式的に作成するだけでなく、実際に実施し、その記録を適切に管理することが求められます。

登録支援機関・監理団体の役割

技能実習制度では監理団体が、特定技能制度では登録支援機関が、外国人介護士の受け入れをサポートします。これらの機関は、人材募集の支援、入国・在留手続きの補助、生活オリエンテーション、定期面談、トラブル対応など、受け入れに関わる幅広い業務を担います。

なお、特定技能制度では、事業所が自社で支援体制を整えている場合、登録支援機関への委託は必須ではありません。いずれの場合も、機関ごとにサポート内容や実績、費用が異なるため、事前に十分な比較・確認を行ったうえで選定することが重要です。

外国人介護士の雇用で失敗しないためのポイント

緑のTシャツを着た人々が円になり、手のひらに赤いハートを乗せて支え合う様子。介護や支援のチームワークを表すイメージ。

外国人介護士の雇用を成功させるには、制度の理解だけでなく、実際の受け入れ体制や職場環境の整備が必要です。ここでは、失敗しないための具体的なポイントを解説します。

日本語教育・OJTの重要性

外国人介護士が職場で活躍するためには、継続的な日本語教育とOJTが欠かせません。入国時の日本語レベルで満足せず、業務に必要な専門用語や表現を段階的に習得できるよう支援しましょう

勤務時間内に日本語学習の時間を設ける、外部の日本語教室に通う費用を補助する、eラーニング教材を提供するなど、様々な方法があります。また、日本人スタッフが「やさしい日本語」で話す習慣をつけることも効果的です。

OJTでは、いきなり複雑な業務を任せず、段階的にステップアップできるようカリキュラムを組みます。マニュアルや手順書を作成し、視覚的に理解できる工夫をすることも重要です。定期的に理解度を確認し、不安な点はフォローアップしていきましょう。

生活面のサポート体制

外国人介護士が安心して働けるよう、生活面での十分なサポートが必要です。住居の確保、銀行口座の開設、携帯電話の契約、役所での手続きなど、来日直後は様々なサポートが求められます。

また、日常的な困りごとに対応できる相談窓口を設けることも大切です。体調不良時の病院受診、公共料金の支払い方法、ゴミの分別ルールなど、日本で生活する上での細かな疑問に答えられる体制を整えましょう。

母国の家族とのコミュニケーションも精神的な支えとなります。Wi-Fi環境の整備や、母国への一時帰国をしやすいシフト調整なども検討しましょう。

日本人スタッフへの理解促進

外国人介護士の受け入れを成功させるには、日本人スタッフの理解と協力が不可欠です。受け入れ前に、外国人材を雇用する目的、期待する役割、どのようなサポートが必要かを丁寧に説明しましょう。

文化や習慣の違いについても事前に共有し、互いに尊重し合える環境を作ることが重要です。外国人介護士を特別扱いするのではなく、チームの一員として受け入れる姿勢を示します。

また、日本人スタッフの負担が特定の人に集中しないよう配慮します。外国人材への指導方法について研修を行うことも効果的です。

定期的な面談・フォロー

外国人介護士との定期的な面談を実施し、業務上の悩みや生活面での困りごとを把握することが重要です。小さな問題が大きくなる前に対処できるよう、少なくとも月1回は個別面談の機会を設けましょう

面談では、業務の習熟度、人間関係、健康状態、将来のキャリアプランなど、様々な観点から状況を確認します。本人が言い出しにくいことも引き出せるよう、信頼関係を築くことが大切です。

また、目標設定とフィードバックを定期的に行うことで、モチベーションの維持向上につながります。成長を実感できる機会を提供し、長期的なキャリアビジョンを一緒に描いていきましょう。

外国人介護士の雇用でよくある質問(FAQ)

疑問や不安を象徴する、ピンク背景に置かれた青いはてなマーク

外国人介護士の雇用を検討する際に、多くの事業所が抱く疑問について回答します。

日本語レベルはどの程度必要ですか?

制度によって求められる日本語レベルは異なりますが、最低でも日本語能力試験N4レベル(基本的な日本語を理解できる)が必要です。ただし、実際の業務では、利用者とのコミュニケーションや記録業務を考えると、N3以上のレベルが望ましいと言えます。

入国時のレベルだけでなく、就労後の継続的な日本語学習が重要です。事業所として日本語教育をサポートする体制を整えることで、業務の質を高めることができます。

トラブルが起きた場合どうしたらいいですか?

業務上のトラブルや生活上の問題が発生した場合、まずは本人との対話を通じて原因を明確にします。文化や価値観の違いが背景にある場合は、双方の理解を深める機会とすることが大切です

技能実習や特定技能の場合、監理団体や登録支援機関に相談することもできます。また、外国人労働者の相談窓口として、各自治体や労働局にも相談できる体制があります。問題を放置せず、早期に適切な対応をとることがトラブル拡大の防止につながります。

小規模事業所でも雇用できますか?

小規模事業所でも外国人介護士の雇用は可能です。ただし、受け入れ体制の整備やサポートには一定のリソースが必要となるため、1人目の受け入れは慎重に検討する必要があります。

監理団体や登録支援機関のサポートを活用することで、小規模事業所でも負担を軽減しながら受け入れることができます。また、同じ地域の複数の事業所で協力して受け入れる方法も検討できます。

小規模だからこそ、家族的な雰囲気の中で丁寧なサポートができるという利点もあります。事業所の特性を活かした受け入れを考えましょう。

外国人介護士の定着と活躍を支える「日本語カフェ」のご紹介

日本語学習システムを提供する日本語カフェのトップ画面

本記事で見てきたように、外国人介護士の雇用を成功させるうえで欠かせない要素の一つが、日本語力の向上です。業務上の指示理解や記録作成、利用者とのコミュニケーションには、一定以上の日本語能力が求められます。

しかし、介護現場で日々の業務を行いながら、日本語教育まで自社で担うのは大きな負担となりがちです。そこで注目したいのが、効率的に学べるオンライン日本語講座の活用です

日本語カフェ「JLPT合格コース」

日本語カフェのJLPT N3合格コースのトップ画面

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現場からよく聞かれる

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管理者側も、管理画面から一人ひとりの学習状況を一目で把握できるため、教育管理にかかる時間を大幅に削減できます。実際に、全くの初心者から3ヶ月でJLPT N3に合格した実績もあり、短期間での日本語力向上を目指す事業所にも適しています。

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ゼロから3ヶ月でJLPT N3に合格

合格実績

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一般的に学習効果のばらつきやモチベーション維持に課題がある日本語教育ですが、明確な合格目標と効率的な学習設計により、4人全員が同時にN3合格を果たしました。

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日本語カフェ「介護福祉士 受験対策講座」

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介護福祉士 合格対策集中講座のポイント

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合格実績

このたび、当社支援機関を通じて学習を続けていた外国人介護職の方が、見事「介護福祉士国家試験」に合格されました!
外国人受験者にとっては言語の壁もあり、合格は決して簡単なものではありません。それでもこの方は、目標に向かってコツコツと努力を積み重ね、見事に合格を勝ち取りました!

当社支援の外国人介護職の方
■ 介護福祉士を目指した理由

「日本で安心して長く働き、家族を支えたい」という強い思いから、介護福祉士を目指しました。
資格を取れば、より安定した働き方ができ、将来的なキャリアアップにもつながると考えたからです。

■ 1日3時間、仕事と両立しながらの学習

勉強は約1年前からスタート。
本業の合間や休日も使いながら、毎日3時間以上コツコツと学習を積み重ねていきました。
特に役立ったのが、支援機関から紹介された「日本語と介護のビデオ教材」です。
スマホでいつでも見られるため、通勤時間や休憩時間も有効に使え、自分のペースで理解を深めることができました。
ビデオで全体の流れを理解した後に問題集を解き、間違いを丁寧に復習することで、確実に実力がついていくのを実感できました。

■ 教材だけでなく、現場からも学ぶ

教科書や試験対策アプリも活用しつつ、職場の先輩に積極的に質問し、現場での経験を通じて実践的な知識も習得していきました。
学習と仕事の両立は決して簡単ではありませんが、「自分を信じて、最後まであきらめないこと」が何より大切だったと振り返っています。

\ 詳しくはこちら/

外国人介護士の雇用まとめ

介護士が車椅子の高齢者を支えながら窓辺で見守る介護現場の様子

外国人介護士の雇用は、日本の介護業界が直面する人手不足を解決する重要な選択肢です。本記事で解説したように、技能実習、特定技能、在留資格「介護」、EPAといった複数の制度があり、それぞれに特徴とメリット・デメリットがあります。

外国人介護士の雇用を成功させるには、制度の正しい理解と適切な受け入れ体制の整備が必要です。日本語教育、生活サポート、日本人スタッフの理解促進、定期的なフォローなど、きめ細かな支援が外国人介護士の定着と活躍につながります。

なかでも、日本語力の向上は業務の質や利用者満足度、職場の安定につながる重要なポイントと言えるでしょう。とはいえ、現場で働きながら日本語教育まで自社で担うのは簡単ではありません。

日本語教育の仕組みづくりを考える際には、オンライン講座の活用も一つの現実的な選択肢となります。業務と学習を切り分けることで、現場の負担を増やさずに、日本語力向上を継続的に支援することができます。

日本語カフェでは、外国人介護士向けに日本語能力試験対策や介護福祉士試験対策のオンライン講座を提供しています。外国人介護士の日本語教育や資格取得支援をご検討中の方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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この記事を書いた人

三木 雅史(Masafumi Miki) 株式会社E-MAN会長
1973年兵庫県たつの市生まれ / 慶応義塾大学法学部法学科卒
・25歳で起業 / デジタルガレージ / 電通の孫請でシステム開発
・web通販事業を手掛ける
・2006年にオンライン英会話を日本で初めて事業化
・2019年外国人の日本語教育を簡単、安価にするため
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