特定技能「飲食料品製造業」の受け入れ業種や従事できる業務、認定基準などを詳しく解説

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現在、日本の飲食料品製造業は高齢化などが原因で労働力の不足が深刻化しており、人材確保の対応が急がれています。

そこで、人手不足を解消するために日本国内で多く採用されているのが、外国人労働者を受け入れる「特定技能制度」です。

この記事では、飲食料品製造業の受け入れ業種や従事できる業務、認定基準などを詳しく解説します。

目次

日本の飲食料品製造業の現状

特定技能は全部で12種類ありますが、そのなかでも飲食料品製造業は特定技能外国人の受入れ数が多い職種になります。

また、受け入れ数の多い背景には国内の食品製造業従事者の人材不足が影響しています。

ある企業が実施した全国食品製造業従事者対象の調査(2021年6月25日〜6月27日)によると、人手不足の状況について「非常に不足している」と回答したのは全体の10.2%、「不足している」は31.1%、「やや不足している」は34.5%でした。

全国食品製造業従事者対象の調査|nihongocafe・日本語カフェ|特定技能対策講座|外国人向け日本語学習システム|日本語能力試験|JLPT 短期合格可能

引用:富士電機 食品製造業における人手不足の実態調査

また、人手が不足している理由については、もっとも多かったのは「離職率が高い」で42.3%,次いで「退職による欠員」が37.8%、「採用数の不足」が32.7%でした。

現在日本の特定技能で飲食料品製造業として働く外国人の割合

次に、日本で食品製造業分野の特定技能の外国人の雇用状況について見ていきましょう。

特定技能の飲食料品製造の受け入れ人数は、2023年9月末時点では飲食料品製造業分野は56,375人と特定技能12分野の中で最多の人数になっています。

また、飲食料品製造業分野における技能実習2号修了者からの移行は39,154人で全体の70%を占めています。

国別に見ると一番多いのがベトナムで、その後が中国、ミャンマーと続いています。

出典:農林水産省 大臣官房 新事業・食品産業部食品製造課

特定技能の飲食料品製造業分野の受け入れについて

特定技能の飲食料品製造業分野の受け入れについて

次に、特定技能の飲食料品製造業分野の受け入れについて業種や雇用形態、従事できる業務について説明していきます。

特定技能の飲食料品製造業分野の受け入れ業種

飲食料品製造業分野の対象範囲は以下のとおりです。

【飲食料品製造業分野の対象範囲】
・食料品製造業
・清涼飲料製造業
・茶・コーヒー製造業(清涼飲料製造業を除く)
・製氷業
・菓子小売業(製造小売)
・パン小売業(製造小売)
・豆腐・かまぼこ等加工食品小売業(*製造小売に限る)

●酒類製造業、飲食料品小売業、飲食料品卸売業、塩製造業、医療品製造業、香料製造業、ペットフードの製造は対象となりません。

引用:農林水産省 飲食料品製造業分野・外食業分野における特定技能外国人受入れの制度について

なお、上記の食料品製造業とは以下の業種のことです。

・畜産食料品製造業
・水産食料品製造業
・野菜缶詰・果実缶詰・農産保存食料品製造業
・調味料製造業
・糖類製造業
・精穀・製粉業
・パン・菓子製造業
・動植物油脂製造業
・その他の食料品製造業(でんぷん、めん類、豆腐・油揚げ、あん類、冷凍調理食品、惣菜、すし・弁当・調理パン、レトルト食品等)

特定技能の飲食料品製造業分野の雇用形態

特定技能飲食料品製造業の雇用形態は、直接契約のみになるため、派遣会社から特定技能として外国人を雇用することはできません。

また、人材の募集方法としては「登録支援機関」や「海外にネットワークを持つ民間団体」などの外部機関があります。

さらに、ハローワークなどの「民間の職業紹介所」もあるため、求人を探している方は新着情報をチェックして応募してみましょう。

その他、外部機関のなかには東京都の「特定技能Jobマッチング」が行っているサービスとして、企業のマッチングから受け入れまでサポートしてくれる会社もあります。

特定技能外国人が従事できる業務

外国人が従事できる特定技能の飲食料品製造業分野の業務は、工場やスーパーのバックヤードなどの飲食料品製造に関わる工程のほぼすべてになります。

具体的には、以下のような業務が可能です。

  • 飲食料品の製造
  • 飲食料品の加工
  • 飲食料品の安全衛生

(酒類を除く)

また、日本人が行う通常関連業務を付随的に行うことも問題ありません。

具体的には以下のような付随業務が可能です。

  • 原料の調達や受入れ
  • 製品の納品
  • 清掃
  • 事業所の管理作業 など

なお、外国人材受入総合支援事業のホームページでは、飲食料品製造業の受け入れ事例を紹介しているので、興味のある方はご覧ください。

特定技能受入れ企業の要件

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特定技能の飲食料品製造業の企業の受け入れ人数は、技能実習と違って制限はありませんが、受入れ事業者に対して特に課される条件をクリアする必要があります。

具体的な条件の内容については、農林水産省のホームページ「 飲食料品製造業分野における 外国人材受入れ拡大について 」をご確認ください。

なお、特定技能所属機関の課される条件のなかでも、特に気をつけたいポイントを2点ご紹介します。

  • 食品産業特定技能協議会に加入
  • 雇用した外国人労働者に一定の支援を行う

それぞれの内容について詳しく説明していきます。

食品産業特定技能協議会に加入

特定技能で飲食料品製造業分野の受入れ業者は「食品産業特定技能協議会」に加入して、構成員になる必要があります。

また、受け入れ業者は同協議会に対して必要な協力を行わなければなりません。

なお、加入時期は初めて特定技能外国人を受け入れて4ヶ月以内に協議会に加入する必要があり、その後、加入証がメールで送られてきます。

もし、4ヶ月の期限内に食品産業特定技能協議会に加入できない場合は、特定技能外国人の受入れができなくなります。

雇用した外国人労働者に一定の支援を行う

特定技能の受け入れ業者は、雇用した外国人労働者に対して一定の支援を行わなければいけません。

なお、自社での支援計画策定が難しい場合は、登録支援機関に委託することも可能です。

また、登録支援機関も食品産業特定技能協議会の構成メンバーになります。

飲食料品製造業分野で受け入れる外国人材の基準

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外国人が飲食料品製造業で特定技能の在留資格を取得するには、次の2つの方法があります。

  • 日本語能力試験と技能試験に合格する
  • 食品製造関係の技能実習2号を良好に修了して特定技能1号に移行する

現在、飲食料品製造業分野での特定技能外国人受入れは、技能実習2号からの移行が全体の8割近くを占めています。

しかし、2020年2月からは国内での技能試験受験資格が緩和されており、短期滞在者でも受験申請ができるようになりました。

また、2023年6月実施試験では、特定技能外国人を直接雇用する企業からの試験申し込みを拡大して試行されており、これからも受験者が増えていくことが予想されます。

日本語能力試験と技能試験に合格する

特定技能1号を取得するためには、以下の2つの試験に合格する必要があります。

  • 国際交流基金日本語基礎テストまたは日本語能力試験(N4以上)
  • 飲食料品製造業特定技能1号技能測定試験

それぞれの内容を確認していきましょう。

国際交流基金日本語基礎テストまたは日本語能力試験(N4以上)

国際交流基金日本語基礎テストは、就労のために来日する外国人の生活に必要な日本語のコミュニケーション能力を測定するテストです。

また、日本語能力試験はN4レベルに合格する必要があります。

N4の試験の概要や難易度、合格点などは以下の記事で詳しく紹介しています。

飲食料品製造業特定技能1号技能測定試験

飲食料品製造業特定技能1号技能測定試験の合格水準は、飲食料品製造業分野における業務を行うために必要な能力を持っているかどうかになります。

下記は、外国人向けに試験概要のポイントをまとめた表です。

試験(しけん)について ・飲食料品(いんしょくりょうひん)製造業(せいぞうぎょう)、特定技能(とくていぎのう)1号(ごう)技能測定試験(ぎのうそくていしけん)
試験(しけん)の種類(しゅるい) ・学科試験(がっかしけん)と、実技試験(じつぎしけん)の2つ
・「学科試験(がっかしけん)30問…HACCP等(など)による一般的(いっぱんてき)な衛生管理(えいせいかんり)、労働安全衛生(ろうどうあんぜんえいせい)の知識(ちしき)
・「実技試験(じつぎしけん)10問…判断試験(はんだんしけん)と計画立案(けいかくりつあん)の2つ」
・試験時間(しけんじかん)は80分(ぷん)
在留資格(ざいりゅうしかく)との関係(かんけい) ・試験(しけん)に合格(ごうかく)しても、特定技能(とくていぎのう)の在留資格(ざいりゅうしかく)が必(かなら)ずもらえるということではない
試験(しけん)申込(もうしこみ)について ・国内試験(こくないしけん)の申込み(もうしこ)みには、必(ずかなら)ずマイページ登録(とうろく)、ログインが必要(ひつよう)
・申込受付期間内(もうしこみうけつけきかんない)に、希望(きぼう)する会場(かいじょう)と日時(にちじ)の試験(しけん)を申込(もうしこ)む
・申込受付期間(もうしこみうけつけきかん)が終(お)わった次(つぎ)の営業日(えいぎょうび)に、それぞれの試験会場(しけんかいじょう)の日時(にちじ)ごとに、コンピューターの抽選(ちゅうせん)システムで、抽選(ちゅうせん)が自動的(じどうてき)に行(おこな)われる
試験当日(しけんとうじつ) ・試験(しけん)が始(はじ)まる時間(じかん)の15分前(ふんまえ)までに、試験(しけん)の部屋(へや)に入(はい)る
・試験(しけん)には受験票(じゅけんひょう)在留(ざいりゅう)カード、パスポートは必(かなら)ず持(も)っていく
合格(ごうかく) ・合格(ごうかく)は、満点(まんてん)の65%以上(いじょう)
その他(た) ・必(かなら)ず試験案内全文(しけんあんないぜんぶん)を確認(かくにん)する

なお、申込受付期間内に希望する会場と日時の試験を申し込み、試験の人数が多い場合は抽選になります。当選したら受験料を支払い、受験票が発行されます。

また、合否の結果は試験の全日程終了後、3週間以内に一般社団法人外国人食品産業技能評価機構(OTAFF)のホームページで公表、マイページの受験履歴でも確認できます。

受験用の学習テキストは、一般社団法人食品産業センターのホームページで確認することができ、食品安全や品質管理の基本的な知識などが学習可能です。

食品製造関係の技能実習2号を良好に修了して特定技能1号に移行する

技能実習で別の就労ビザに変更するためには、原則、一度母国に帰国してから学んだ技能経験を母国に持ち帰る必要があります。

しかし、特定技能に限っての例外措置として、技能実習2号修了後母国に帰国することなく、特定技能1号に移行することが認められています。

そこで気になるのが、技能実習2号から特定技能1号に移行する場合の条件である「技能実習2号を良好に修了していること」についてです。

その際の「良好に修了している」については、以下のような条件をクリアする必要があります。

  1. 技能実習計画を2年10ヶ月以上修了していること
  2. 技能検定3級(または評価試験専門級)の実技試験合格か技能実習生に関する評価調書を提出すること

また、2の資料については、技能実習生を引き続き同じ会社が受け入れる場合で、さらに会社が違法行為などで行政から改善命令等を受けていない場合は、提出の必要はありません。

飲食料品製造業特定技能1号技能測定試験が免除になる職種

飲食料品製造業のなかには、技能試験と日本語能力試験の両方が免除になる職種があります。

主に、下記の食品製造関係の職種で技能実習2号を修了した場合は、酒類を除く飲食料品製造業に従事することが可能です。

  • 缶詰巻締
  • 食鳥処理加工業
  • 加熱性水産加工食品製造業
  • 非加熱性水産加工食品製造業
  • 水産練り製品製造
  • 牛豚食肉処理加工業
  • ハム・ソーセージ・ベーコン製造
  • パン製造
  • そう菜製造業
  • 農産物漬物製造

まとめ

2019年4月1日から受入れが始まった特定技能制度は、2020年以降にも改定を重ねています。

また、2023年6月9日には特定技能2号の在留資格に係る制度の運用に関する方針の変更が出入国在留管理庁から発表されて、受け入れ体制も変化しました。

今後も特定技能の飲食料品製造業での外国人雇用は、日本での人手不足解消だけではなく、日本国内の経済促進のためにも歓迎される役割になることは間違いありません。

なお、特定技能飲食料品製造業分野については、ビザ申請や支援委託など手続きで煩雑なことも多いことでしょう。

もし困った場合は、外国人材向けの相談窓口や行政書士に相談してみるのも一つの手です。

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