日本語能力試験(Japanese Language Proficiency Test)略して「JLPT」は、アプリでも学習可能です。アプリでは、単語や文法に加えて実際の本試験問題に近い形式の問題集など、さまざまな形式で勉強ができます。
今回、こちらの記事では、JLPTのアプリ学習のメリットや注意点について詳しく解説していきます。また、おすすめのアプリも紹介しますので、これからのJLPT学習にお役立てください。
JLPT学習をアプリで使うメリット
JLPTをアプリで学習すると、次のようなメリットがあります。
- JLPTの出題傾向や形式に沿った学習ができる
- 時間や場所を選ばずに学習できる
- オンライン学習の専門的知識を持った先生からレッスンが受けられる
- 気軽に日本の文化が身につく
それぞれのメリットについて、詳しく説明していきます。
JLPTの出題傾向や形式に沿った学習ができる
JLPTの問題は「文字・語彙」「文法・読解」「聴解」の3種類から構成されています。
アプリ学習では、JLPTの3種類ある出題形式に沿って、勉強を進めていくことが可能です。
また、N5〜N1のレベルに合わせた問題が組まれており、試験対策に活用できることはもちろん、苦手な部分を集中的に評価・学習することもできます。
さらに、アプリによっては出題傾向を分析した上で、オリジナルの問題集を作ってくれる機能もあります。
そのため、JLPTの理解度を効率的に深めていけること間違いなしです。
時間や場所を選ばずに学習できる
日本語学習のアプリの多くは、JLPT学習に必要な単語帳や文法、練習問題が全て収録されているため、スマホやタブレットが1つあれば、いつでもどこでもオンライン学習が可能です。
また、アプリ学習は日本ですでに仕事をしている方や、勉強中の方など様々なライフスタイルに合わせた学習プログラムを自分で組み立てることができます。
オンライン学習の専門的知識を持った先生からレッスンが受けられる
アプリ学習のプログラムのなかには、経験豊富なプロの日本語教師によるオンラインレッスンが受けられる場合があります。
講師は、日本語教育養成課程・養成講座修了者など日本語学習を教えるプロが多数在籍しており、学習のコツを分かりやすく教えてくれます。
また、あなたがレッスン中にでてくる質問に対して的確に回答をくれるため、疑問が残ることなく学習が進みます。
さらに、講師は充実したプロフィール内容を確認した上で選択可能です。
万が一講師と相性が合わなかった場合でも違う講師の授業が受けられるため、あなたの学習スピードを遅らせることがありません。
気軽に日本の文化が身につく
JLPTの試験は、日本にもともと興味がある人が受けています。また、最近では日本で長期生活をしている技能実習生や特定技能外国人、留学生も増えてきています。
日本で長期間生活をしていく場合は、日本語の他にも日本で生活する上でのマナーやルールも覚えていかなければいけません。
その点、学習アプリのなかにはJLPT対策の一環として、日本のマナー講座を実施しているものもあります。
アプリによっては、日本での生活を物語に沿って学習を進めていくものもあるため、分かりやすく日本の文化が身につきます。
「学習タイプ別」アプリを使った勉強方法
次に、JLPTの試験対策に必要な文字・語彙・文法・読解・聴解などをアプリを使って勉強する際の方法について、下記3つに分けて説明していきます。
- 文字・語彙力を高める
- 文法を習う
- 読解・聴解を身につける
また、学習を進めていく上で便利な機能である下記の2種類についてもアプリで使うことができるため、合わせて説明していきます。
- 辞書として活用
- ゲーム感覚
アプリ学習の多くの機能を理解しながら、JLPT学習に役立てていきましょう。
文字・語彙力を高める
日本語を学習していく上で、文字の理解を高めていくことや、語彙力を増やしていくことは必須です。しかし、文字や語彙はなかなか覚えにくいものです。
そこで、アプリ学習ではひらがなやカタカナの文字と絵を関連づけて覚えやすくする工夫がされています。
例えば「arrow」でしたら、漢字では「矢印」、ひらがなは「やじるし」、そして「↖️」のように絵文字で表記したりしています。
また、かわいいイラストを使ってゲーム感覚で楽しく学べるアプリもあります。
以上のように、さまざまな方法でひらがなとカタカナを反復練習することは、その後の漢字学習へのステップアップにつながります。
さらに、難しくて読みにくい漢字がでてきた場合は、カメラで撮影をすることで読み方を表示してくれるアプリもあるため、ますます日本語力が向上します。
文法を習う
JLPTの対策には、単語と語彙力を高めていくこととともに、文法の向上も大切です。
アプリ学習では、覚えた日本語の単語を文法と一緒に体系的に学ぶこともできます。
覚えた単語で作った文章が正しければ自動的に次へ進めるシステムなど、多彩な勉強のやり方が可能です。
また、個々の単語をタップすると意味や読みを見ることもできるため、難しいとされている文法力もアプリを使えば分かりやすく学習が進みます。
読解・聴解を身につける
アプリでは、ニュース記事などで日本語のリスニング力を高めることができます。
優しい日本語を使って日本のニュース記事を提供するアプリもあるため、初心者から上級者まで、すべてのレベルの日本語学習者に役立ちます。
また、ニュースは随時更新しているため、常に新しい情報や単語が入手可能です。
ゲーム感覚
日本語学習のアプリのなかには、クイズ形式を使ってゲーム感覚で楽しく暗記学習できるアプリもあります。
例えば、一つの問題に対して皆で取り組んだり、学習記録をランキングで競い合ったりするものがあります。
また、自分で作成した単語カードや他の学習者が作成した既存のカードを用いてクイズを出して、暗記していくアプリもあります。
ゲーム感覚でできるアプリは、マイペースに学習を続けたい方や、皆で共有しながら楽しく勉強を進めたい方におすすめです。
辞書として活用
アプリは、辞書としても使用することが可能です。
辞書機能は、簡単な単語の意味のチェックができたり、日本語でわからない言葉があったりしたときに気軽に調べられるため、大変便利な機能です。
また、辞書機能は単語だけではなく、文章内の翻訳としても利用できる場合があるため、学習効率が上がります。
さらに、分かりにくい漢字にはふりがながふってあり、日本語訳が表示される仕組みになっていたり、漢字辞典の機能があったりと、学習スピードを緩めることなく進められます。
アプリを使った学習の進め方
次に、実際にJLPTのアプリを使った学習の進め方についてご説明します。
まずは、ご自身のレベルを確認して現在地を把握していくことが大切です。N1、N2、N3、N4、N5の5つのレベルのなかから、あなたに一番合ったレベルを設定しましょう。
次に、アプリ学習を反復練習で繰り返すことで、単語や語彙力、文法力など総合的な日本語力を身につけていきます。
日々のトレーニングで自信がついてきたら、テストを受けてみましょう。アプリのなかには、小テストと本番を想定した模擬試験の2種類を受けることができます。
小テストでは、1回10分程度で受けられるものもあるため、時間を気にせず気軽に取り組めます。また、模擬試験は受験日の1〜2週間前に受けることで、直前対策としても有効でしょう。
さらに、テスト機能がついているアプリは、過去に受けた結果履歴も確認できるため、間違えた問題の克服に最適です。
アプリ学習の注意点
アプリ学習はメリットが多く使いやすい点がありますが、一方で注意点もあります。
主に、下記の注意点をアプリ学習の前に確認しておきましょう。
- AndroidかiPhone対応か?
- 無料か有料か?
- 携帯のデータやアプリのバージョンを確認する
- リアルな会話力が身につかない
それぞれの内容について、詳しく説明していきます。
AndroidかiPhone対応か?
アプリの大きな特徴は、携帯タブレットを使って、いつでもどこでも気軽にオンライン学習ができる点です。また、学習アプリの種類も豊富にあるため、様々な用途に応じて学習が進められるのも大きな利点です。
しかし、アプリ学習を携帯やタブレットで使うときに注意しておきたいことがあります。
app_storeなどでアプリをダウンロードするときに、Android対応か、iPhone対応かさらには両方対応しているかを確認することです。
興味があるアプリがせっかく見つかったとしても、あなたが持っている機種に対応していない場合は勉強ができなくなるため、必ず事前に確認しておきましょう。
無料か有料か?
JLPTの学習を無料でできるのもアプリの大きな強みの一つです。
日本語学習初心者の方が「A step forward」として日本語に慣れるツールを考えたときに、無料のアプリでも十分勉強ができるでしょう。
しかし、学習を段階的に進めていく上で、レベルアップを図る必要がある際には、有料のアプリが必要になることがあります。
有料はお金がかかりますが、有料であったとしても、対面式に通うスクールに比べると安く学習ができることには変わりません。
そのため、最終的にあなたの学習スピードや用途に合わせて、無料か有料か判断していくことが良いでしょう。
携帯のデータやアプリのバージョンを確認する
携帯にアプリをインストールする際には、データ量の確認も必要です。
アプリによっては参照しているMBのサイズがあるため、インストールするときには、携帯の容量とアプリの容量をチェックしておきましょう。
また、学習アプリは随時新しいバージョンにアップされている場合があります。
そのため、アプリの情報を常に確認しながら、最新のバージョンを手にいれるようにしましょう。
リアルな会話力が身につかない
多くの機能は、アプリ学習が無料や有料でできますが、勉強は画面越しに行います。そのため、対面式ではない分、直に日本語の音声を聞く機会がありません。
アプリでもオンラインを使って講師と会話形式で学習することができますが、実際にリアルタイムで話す環境とは違いがあります。
やはり、一対一で話すときの緊張感や空気感をより味わえるのは、対面式の方が大きいことでしょう。
そのため、総合的に日本語の向上を目指す方は、アプリと併用しながら他でも学習の工夫を検討してみましょう。
おすすめのJLPT学習アプリ
次に、JLPTアプリを選ぶ際の参考資料として、おすすめアプリを3選ご紹介します。
- JLPT test N1-N5-Migii
- LuvLingua
- くらしのスタディ
それぞれの特徴を確認していきましょう。
JLPT test N1-N5-Migii
JLPT test N1-N5-Migiiは、日本語能力試験(JLPT)の対策向き学習アプリです。
言語知識や読解、リスニングの項目ごとに問題がそろっているのが特徴です。
このアプリのおすすめポイントを整理すると、下記のようなメリットがあります。
・実際の問題形式で実力が確認できる
・5段階のレベル別問題が可能
・模擬テストで合否の判断基準がわかるため試験前対策に最適
・単語カードを使って暗記ができる
LuvLingua
LuvLinguaは、日本語学習を行う全年齢対象にしている楽しく学べるアプリです。
日本語の文法、ひらがな、カタカナや漢字の勉強、さらには単語やフレーズが学べます。
このアプリのおすすめポイントを整理すると、下記のようなメリットがあります。
・スピーキングとリーディングが学べる
・重要単語が学べるため、日本語の基礎が身につく
・運動感覚で勉強が可能
・gameを通した学習ができる
くらしのスタディ
くらしのスタディは、日本語の「読む」「書く」「話す」を総合的に勉強できるアプリです。
JLPTのN5〜N1の全レベルの試験を目指す方や、日本の生活についてのストーリーを読みながら日本語の文化を学ぶ方におすすめです。
このアプリのおすすめポイントを整理すると、下記のようなメリットがあります。
・ストーリーモードは4つのストーリーが無料
・自習モードはすべて無料
・生活に役立つ日本語が身につく
・日本のマナーやルールが習得できる
・オンラインレッスンも可能
まとめ
JLPTのアプリ学習は、いつでもどこでも気軽にできる好都合な勉強方法です。今回ご紹介しましたアプリ以外でも、まだまだたくさんのアプリがあります。
アプリを選ぶ際には、あなたの目的に近いものを見つけて始めてみましょう。また、ネットにあるユーザーレビューも参考にすると良いでしょう。
JLPT試験合格に一番大切なことは学習の継続です。ぜひあなたが一番学習継続しやすいアプリを見つけて、JLPT試験合格や日本語学習の向上にお役立てください。