日本語能力試験(略称: JLPT)は、日本語を母国語としない人を対象として、日本語の能力を測るための試験です。特に、留学生や日本で働くための外国人労働者、日本文化や言語に興味を持つ人々などが受験することが多いです。
この記事では、日本語能力試験の概要と各レベルごとの難易度、試験の申し込み方法などを紹介します。
日本語能力試験とは?
日本語能力試験、略称JLPTは1984年から始まり、日本国内だけでなく多くの国で実施されています。
試験のレベルは、最も初級のN5から最も上級のN1までの5つのレベルに分かれています。各レベル別に、日常的な会話からビジネス、学術的な文献までの読解、聴解、文法などの日本語の能力を評価します。
多くの大学や企業は、留学生や外国人労働者の日本語の能力を評価する指標としてJLPTのスコアを使用しています。JLPTの資格を持つことは、日本での学業や就職活動において有利になるでしょう。
日本語能力試験の試験科目と試験時間
日本語能力試験の各レベルにおける試験科目と試験時間は以下の通りです。
レベル | 試験科目 | 試験時間 |
---|---|---|
N1 | 言語知識(文字・語彙・文法)・読解 | 110分 |
聴解 | 55分 | |
N2 | 言語知識(文字・語彙・文法)・読解 | 105分 |
聴解 | 50分 | |
N3 | 言語知識(文字・語彙) | 30分 |
言語知識(文法)・読解 | 70分 | |
聴解 | 40分 | |
N4 | 言語知識(文字・語彙) | 25分 |
言語知識(文法)・読解 | 55分 | |
聴解 | 35分 | |
N5 | 言語知識(文字・語彙) | 20分 |
言語知識(文法)・読解 | 40分 | |
聴解 | 30分 |
日本語能力試験の合格点
日本語能力試験は、総合得点だけでなく各得点区分で必要な基準点が設けられています。
各区分の基準点をクリアしていないと、総合得点が高くても不合格となります。
各レベルの合格点と基準点は以下の表の通りです。
日本語能力試験 N1〜N5のレベルの目安
日本語能力試験の認定の目安は以下のようになります。
N1
・新聞や評論などやや複雑な文章を読んで、文章の構成や内容を理解でき、さまざまな話題について話の流れや詳細な意図を理解できる。
・自然なスピードのまとまりのある会話やニュース、講義を理解したり、要旨を把握したりすることができる。
N2
・新聞や雑誌の記事などの一般的な文章を読んで内容を理解できる。
・幅広い場面で、自然に近いスピードの会話やニュースを聞いて、話の流れや内容、登場人物の関係を理解できる。
N3
・日常的な話題について書かれた文章を、読んで理解することができる。
・やや自然に近いスピードの会話を聞いて、具体的な内容や登場人物の関係などをほぼ理解できる。
N4
・基本的な語彙や漢字を使って書かれた身近な話題の文章を読んで理解できる。
・日常的なシーンでややゆっくりとした会話であれば、ほぼ理解できる。
N5
・ひらがなやカタカナ、日常生活で用いられる基本的な漢字で書かれた定型的な語句や文章が理解できる。
・日常生活の中でもよくある場面で、ゆっくり話される短い会話であれば聞き取ることができる。
これらの詳細は、一般的なガイドラインとして提供されています。実際の能力は、学習者の経験や学習方法によって異なる場合があります。
日本語能力試験の問題例
N1からN5までの問題例が公式サイトに記載されています。
以下のサイトでぜひチャレンジしてみてください。
日本語能力試験JLPT公式サイト:「問題例に挑戦してみよう」
日本語能力試験の申し込み方法
日本語能力試験を日本国内で受験する場合の申し込みから試験結果の受け取りまでの手順は、以下のようになります。
2023年度の実施日程はこちらです。
-
1
- 日本国際教育支援協会のウェブサイトで詳細を確認
- 第1回試験(7月):2月上旬~
第2回試験(12月):7月上旬~
-
2
- MyJLPTの登録を行う
- 第1回試験(7月):3月下旬~
第2回試験(12月):8月下旬~
-
3
- 申し込みと受験料の支払い
- 日本国際教育支援協会のウェブサイトから申し込みを行い、受験料を支払う。
第1回試験(7月):3月下旬~4月中旬
第2回試験(12月):8月下旬~9月中旬
-
4
- 受験票の受け取り
- 日本国際教育支援協会から受験票が届く。
第1回試験(7月):6月上旬
第2回試験(12月):11月上旬
-
5
- 試験を受ける
- 第1回試験(7月):7月2日(日)
第2回試験(12月):12月3日(日)
-
6
- 試験結果の受け取り
- 日本国際教育支援協会から合否通知書が届く。
第1回試験(7月):9月上旬
第2回試験(12月):2月上旬
※海外でも、韓国や中国、インドネシアなどのアジア圏をはじめ、オーストラリアやアメリカ、ヨーロッパ、アフリカなど世界各国で受験することが出来ます。
7月の試験だけ行う都市や、12月の試験だけ行う都市があります。詳細については日本語能力試験の公式サイトから確認できます。
「日本語カフェ」では、通常の半分の時間で日本語をマスターできる新しい学習システムを提供しています。ミッションを達成するとストーリーが少しずつ進むので、飽きずに楽しみながら学習を続けられます。
言語の学習においては、毎日少しずつ学習を続けることが大切です。短時間でも良いので、毎日のルーティーンとして日本語の学習を取り入れることをおすすめします。