日本語を学習している皆さん、語彙力や表現力を自然に身につけるために「小説」を活用してみてはいかがでしょうか?
日本文学には、初心者向けのやさしい小説から上級者向けの文学作品まで幅広い作品が揃っています。
この記事では、日本語の勉強に役立つおすすめ小説をレベル別に紹介します。
各小説の特徴や学習に役立つポイントもわかりやすく解説しますので、楽しく日本語の語彙力と表現力を向上させるきっかけにしてください。
初級者におすすめの日本語小説 3選
さっそく、初級者におすすめの日本語小説を3冊ご紹介します。
初級者には絵本や児童書がおすすめ
日本語学習を始めたばかりの初級者には、語彙や文法が易しい絵本や児童書が最適です。
これらの本はひらがなやカタカナが多く使われており、漢字にふりがなが付いていることも多く、漢字に慣れていない学習者でも安心して読み進められます。
絵本や児童書を選ぶポイントは、以下のとおりです。
語彙の難易度
難しい語彙が多いと挫折しやすいため、にほんごのようなひらがなが中心で簡単な語彙が使われている作品にする
イラストの多さ
イラストが豊富な絵本や児童書は、物語の内容を視覚的に理解しやすく、語彙をイメージで覚えやすい
物語の展開がシンプル
短いストーリーで物語の展開がわかりやすい作品にすることで、複雑な話の展開が少なく、文脈で言葉の意味を理解しやすい
絵本や児童書を読むことで、簡単な日本語に触れ、日常会話に役立つ基本的な語彙や文法を習得できるでしょう。
やさしい日本語で読める「絵本」と「児童書」
ここでは、初級者でも楽しく読めるやさしい日本語で書かれた絵本と児童書を3冊ご紹介します。
いない いない ばあ(著者:松谷 みよ子)
日本の幼児向け絵本の定番で、シンプルな言葉と繰り返しの表現が特徴。
「いない いない ばあ」の遊びを通して、ひらがなを自然に覚えられます。
各ページに単純なフレーズが多いため、日本語のリズムも楽しめるでしょう。
はらぺこあおむし( 著者:エリック・カール)
色鮮やかなイラストで、あおむしの成長が描かれた人気の絵本。
曜日や果物などの基本的な単語が出てくるため、自然と語彙が増えていきます。
また、繰り返されるフレーズが多く、日本語に馴染みやすいでしょう。
ぐりとぐら(著者:なかがわ りえこ)
やさしい日本語が使われており、動詞や名詞などの初歩的な語彙を学ぶのに最適です。
物語の展開も簡単で、動物のキャラクターに癒されながら日本語を学べるでしょう。
これらの絵本や児童書は、日本語に親しみやすい文章と豊富なイラストで、初級者でも抵抗なく日本語に触れられます。
何度も繰り返して読むことで、自然に語彙力と表現力が身につくでしょう。
中級者向けのおすすめ小説 4選
次に、中級者の人におすすめの小説を4冊ご紹介します。
読解力向上に役立つ「短編小説」
日本語の読解力向上には、以下2冊の短編小説がおすすめです。
ボッコちゃん(著者:星 新一)
簡潔な文章と意外な結末が特徴。
日本語学習者でも読みやすく、言葉がシンプルながら、深いテーマが込められています。
ボッコちゃんは、人工知能のようなロボットが登場する物語で読者に考えさせる内容であり、読解力を磨くのに最適です。
羅生門(著者:芥川 龍之介)
短編ながらも深い人間性を描いた作品。
平安時代の京都を舞台にした物語で、登場人物の心理描写が巧みに描かれています。
言葉の使い方が豊かで中級者が日本語の表現をより深く学ぶのに最適です。
これらの短編小説は、短いながらも日本語表現の幅広さや奥深さに触れられ、学習者の読解力も向上できるでしょう。
多読に最適な文学作品
ここでは、多読に適した文学作品を2冊ご紹介します。
注文の多い料理店(著者:宮沢 賢治)
ファンタジー要素のある物語で短い章ごとに読みやすいです。
山奥の不思議なレストランを舞台にした作品で、物語が展開するにつれて緊張感が増していくのが特徴。
言葉が平易で日本語のリズムが心地よく、日本語学習者にぴったりです。
走れメロス(著者:太宰 治)
力強い友情と信頼をテーマに描かれた感動的な物語。
簡潔な文章と感情豊かなストーリーで、日本語学習者でも親しみやすいです。
主人公の一途な気持ちが伝わり、ストーリー展開も明快で楽しみながら日本語に触れられるでしょう。
これらの作品は表現の幅を広げるだけでなく、日本の文化や価値観を感じられるため、多読に最適です。
日本語をより自然に学びたい中級者におすすめといえるでしょう。
上級者におすすめの日本文学 3選
上級者におすすめの日本文学3選をご紹介します。
名作で表現力を鍛える
上級者は、芥川龍之介や太宰治の作品で表現力を鍛えましょう。
地獄変(著者:芥川 龍之介)
日本語の美しい表現と心理描写の細やかさなど情報量が多い点が特徴。
読むたびに新たな発見がある奥深い作品で、上級者が日本語の表現力を磨くのに最適です。
著者独特の言葉選びや象徴的な描写は、日本文学を学ぶきっかけになるでしょう。
人間失格(著者:太宰 治)
人間の弱さや孤独を描いた物語は、多くの読者に共感され、日本語の深い表現を学習できます。
独特の語彙や構文を学ぶことで、日本語の表現力がさらに高まります。
これらの名作を読むことで、上級者でも難しいと感じる日本語の表現力をさらに鍛えられるでしょう。
語彙力が広がる現代小説
語彙力が広がる現代小説として、有川浩の阪急電車をご紹介します。
阪急電車(著者:有川 浩)
阪急電車内で展開される物語を、乗客たちの視点で描いた連作短編集です。
登場人物たちが日常生活で交わす会話などから、現代日本語の語彙や表現が学べます。
情景描写や人間関係の微妙な表現も含まれているため、上級者が日常での表現力を磨くのにも役立つでしょう。
このように現代小説を多読することで、語彙力と現代の日本語表現や会話のニュアンスを学ぶ教科書として役立つでしょう。
オンラインで小説を読む方法とおすすめサイト
最後に、オンラインで小説を読む方法とおすすめサイトをご紹介します。
電子書籍サービスと購入方法
日本語の小説が購入できる代表的な電子書籍サービスを2つご紹介します。
Amazon Kindle
Kindleデバイスがなくても、スマホやタブレットにKindleアプリをダウンロードするだけでOKです。
Kindle Unlimitedのサブスクリプションを定期購入するだけで、定額で多数の本を楽しめます。
BOOK☆WALKER
漫画や文学作品まで幅広く取り扱っており、日本語学習者に人気のサービスです。
定期的なセールや割引があり、気軽に新しい本を試しやすい点も魅力。
専用サイトで会員登録し購入をするとポイントが貯まるため、次回の購入がお得になります。
無料で読めるリソースと活用法
ここでは、おすすめの無料リソース2つと活用法をご紹介します。
青空文庫
著作権が切れた日本文学の名作を無料で公開しています。
夏目漱石、芥川龍之介、宮沢賢治など、日本を代表する作家の作品が揃っており、読みたい小説も探しやすいです。
スマホでも閲覧ができ、通勤・通学の合間に少しずつ読み進められます。
Google Books
一部の日本語小説や古典文学を無料で閲覧でき、検索機能を使えば、学びたい表現や単語をすぐに検索できます。
青空文庫に比べ、現代的な作品も見つかることがあり、多様な日本語表現を学ぶのに役立つでしょう。
まとめ
日本語学習の一環に小説を活用することで、自然と語彙力や表現力を身につけられます。
初級者には語彙や文法が易しい絵本や児童書がおすすめです。
「いない いない ばあ」や「はらぺこあおむし」は、シンプルな言葉と視覚的な要素で語彙力を学びやすいでしょう。
中級者には「ボッコちゃん」や「羅生門」など、短編で読解力を磨ける作品がおすすめ。
物語を楽しみながら日本語表現を深めるには、「注文の多い料理店」や「走れメロス」が最適です。
上級者は、芥川龍之介の「地獄変」や太宰治の「人間失格」を読んでみると、日本語の奥深い表現力を鍛えられるでしょう。
小説を読むにあたり、電子書籍サービスや無料リソースの活用もご検討ください。
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